【不法原因給付】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【不法原因給付】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【登場人物】
A:賭博で負けた男
B:賭博で勝った男
C:Aの友人



 AとBは、違法賭博で大金を賭けて対戦した。
 Aは負けてしまい、Bに100万円を支払った。
 しかし、その後、AはCから、Bがイカサマをしていたことを知らされる。

A
「なんだって!?Bがイカサマをしていたなんて!」

C
「そうなんだよ。Bはカードの裏に印をつけていたんだ。だから、どのカードがどこにあるかわかっていたんだ」

A
「それはひどい!Bに返金を要求しなくちゃ!」

C
「待てよ。それは無理だぞ。民法第708条によると、不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができないんだ」

A
「えっ?でも、Bが不法な原因で給付を受けたんだから、返還請求できるんじゃないの?」

C
「それは違うよ。民法第708条の但書によると、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、返還請求できるんだけど、今回の場合はそうじゃないんだ」

A
「どういうこと?」

C
「つまり、君もBも違法賭博という不法な行為に加担していたわけだから、両者とも不法な原因があったということになるんだ。だから、君はBへ返還請求できないんだ」

A
「そうなのか......じゃあ、俺は100万円をタダで渡したことになるのか...」

C
「そういうことだよ。残念だけど、法律は法律違反者に手を貸してくれないんだよ」




 以上、初学者向けにやさしく民法の不法原因給付についての簡単な物語をお送りいたしました。
 まずは民法の不法原因給付についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。

 また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
 不法原因給付についてもっと詳しくわかりやすい解説は、
【不法原因給付】愛人契約で動産を贈与?不動産の場合は?/不法な原因が受益者のみにあるときとは?わかりやすく解説!
 にございますので、よろしければご覧ください。

 以上になります。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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