【不法行為責任】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【不法行為責任】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【登場人物】
A:交通事故でケガをした被害者
B:Aに車でぶつかった加害者
C:Aの友人で法律に詳しい人
D:Bの友人で法律に詳しい人



AとBは事故現場で警察に事情を説明した後、病院に運ばれた。Aは軽傷だが、Bは重傷で入院することになった。AとBはそれぞれ自分の友人に連絡し、法律的な相談をする。


A
「C、助けてくれ。俺、交通事故にあったんだ」

C
「えっ、大丈夫?どこが痛いの?」

A
「足と肋骨にヒビが入った。でも、命に別状はないから安心して」

C
「よかった。でも、どうして事故にあったの?」

A
「信号待ちしてたら、後ろから車が突っ込んできたんだ。相手はスマホ見てたらしい」

C
「そうなのか。じゃあ、警察は呼んだの?」

A
「もちろん呼んだよ。事情聴取されたし、証拠も撮ってもらった」

C
「それならいいけど。相手には損害賠償請求するつもりだよね?」

A
「そうだよ。俺は何も悪くないのに、ケガしたし、仕事も休まなきゃいけないし」

C
「そうだね。相手は不法行為責任があるから、損害賠償しなきゃいけないよ」

A
「不法行為責任って何?」

C
「不法行為責任とは、民法709条に定められている制度で、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」ということだよ」

A
「要するに、わざとでもうっかりでも他人に迷惑をかけたら、その分を払わなきゃいけないってこと?」

C
「そういうこと。相手は過失でお前に損害を与えたから、お前が受けた損害を金銭で賠償しなきゃいけないんだ」

A
「じゃあ、どれくらいもらえるの?」

C
「それは損害の種類や程度によって変わるけど、一般的には以下のようなものがあるよ」

・物的損害
物品や財産が壊れたり減ったりした場合の損害。例えば、車の修理代や治療費や通院費など。

・精神的損害
心理的苦痛や精神的ショックを受けた場合の損害。例えば、痛みや恐怖や不安など。これを慰謝料と呼ぶこともある。

・逸失利益
事故によって得られなくなった利益の損害。例えば、仕事を休んだり辞めたりしたことによる収入の減少など。

A
「なるほど。じゃあ、俺は全部もらえるの?」

C
「そうだね。ただし、損害の額は具体的に証明しなきゃいけないから、レシートや診断書や給与明細などの証拠を残しておくことが大事だよ」

A
「わかった。ありがとう、C。助かったよ」

C
「いいよ。相手から連絡があったら、俺に教えてね。必要なら弁護士にも相談しよう」


 一方、Bは自分の友人で法律に詳しいDに電話をかけた。


B
「D、助けてくれ。俺、交通事故起こしちゃったんだ」

D
「えっ、大丈夫?どこが痛いの?」

B
「頭と胸と腕が骨折した。でも、命に別状はないから安心して」

D
「よかった。でも、どうして事故起こしたの?」

B
「信号待ちしてた車にぶつかっちゃったんだ」

D
「そうなのか。じゃあ、警察は呼んだの?」

B
「もちろん呼んだよ。事情聴取されたし、証拠も撮ってもらった」

D
「それならいいけど。相手には損害賠償請求される可能性があるよ」

B
「そうだよね。俺が悪いから仕方ないけど、どれくらい払わなきゃいけないの?」

D
「それは相手の損害の種類や程度によって変わるけど、一般的には以下のようなものがあるよ」

・物的損害
物品や財産が壊れたり減ったりした場合の損害。例えば、車の修理代や治療費や通院費など。

・精神的損害
心理的苦痛や精神的ショックを受けた場合の損害。例えば、痛みや恐怖や不安など。これを慰謝料と呼ぶこともある。

・逸失利益
事故によって得られなくなった利益の損害。例えば、仕事を休んだり辞めたりしたことによる収入の減少など。

B
「なるほど。じゃあ、俺は全部払わなきゃいけないの?」

D
「相手が自分で損害を増やしたり減らせることをしなかったりした場合は、その分は減額されることもあるよ」

B
「例えば?」

D
「例えば、相手が治療を怠ったり過剰に受けたりした場合は、治療費の一部は払わなくていいかもしれないよ。また、相手が事故前にもケガをしていたり、事故後に別の原因でケガをしたりした場合は、その分は損害として認められないかもしれないよ」

B
「そうなんだ。でも、どうやってそういうことを証明するの?」

D
「それは難しいけど、医師の診断書や証人の証言などの証拠が必要だよ。相手が正直に話してくれるといいけど」

B
「そうだね。ありがとう、D。助かったよ」

D
「いいよ。相手から連絡があったら、俺に教えてね。必要なら弁護士にも相談しよう」




 以上、初学者向けにやさしく民法の不法行為責任についての簡単な物語をお送りいたしました。
 まずは民法の不法行為責任についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。

 また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
 不法行為責任についてもっと詳しくわかりやすい解説は、
【不法行為】その基本と過失相殺・権利行使期間について/責任能力&事理弁識能力&監督義務者とは/被害者家族と胎児の損害賠償請求権をわかりやすく解説!
 にございますので、よろしければご覧ください。

 以上になります。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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