【意思表示の形成過程】欲しくなってから買うまでの流れを初学者にもわかりやすく解説!

【意思表示の形成過程】欲しくなってから買うまでの流れを初学者にもわかりやすく解説!

▼この記事でわかること
意思表示とは
意思表示の形成過程ってなに?
なぜ意思表示の話が民法に必要なの?
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、初学者にもわかりやすく学習できますよう解説して参ります。
01冒頭画像

意思表示とは何なのか


 売買契約は「買います」という申し込みに対し「売ります」という承諾をした時、契約が成立します。(諾成契約)
 このときの「申し込み」と「承諾」、つまり「買います」「売ります」が、意思表示です。
 つまり、売買契約(諾成契約)とは、民法的に説明すると「当事者同士の意思表示により成立する契約」ということになります。

 意思表示が何なのかは、おわかりになりましたよね。
 それでは、ここから、意思表示の形成過程(プロセス)について解説して参ります。


欲しいと思ってから買おうと思い購入に至るまでの意思表示の流れ


美味しそうだな〜(動機)

よし、買おう!(効果意思)

買います!と言うぞ(表示意思)

これ買います!(表示行為)


相手方の「売ります」で契約成立!


 これを民法的にまとめると以下のようになる。

動機

効果意思

表示意思

表示行為


 なんだかまるで心理学みたいになってきましたが、順番に解説します。

・動機
 これは売買であれば「買う理由」です。
 美味しそうだな〜とか、安いからとか、カワイイからとか、動機という言葉の通りです。

・効果意思
 これは「よし、買おう」です。
 つまり「頭・心の中の決断」です。

・表示意思

 これは「買いますと言うぞ」です。
 つまり「決断を表に示す意思」です。

・表示行為

 これは「これ買います!」です。
 これは説明不要ですね。
「購入の申し込みの表明」です。

 まとめると先述の図になります。

美味しそうだな〜(動機)

よし、買おう!(効果意思)

買います!と言うぞ(表示意思)

これ買います!(表示行為)


 以上が、意思表示の形成過程になります。
12売買成立(動産)

なぜこんな話が民法に必要なのか?


 それこそ、本当に心理学の講義みたいですもんね。
 しかし、これが実はとても重要なのです。
 なぜなら、意思表示があって初めて契約というものが成立するからです。

 契約関係のトラブルは、いつの時代も絶えません。
 トラブルがあったときは、その契約内容と成立過程を検証しますよね。
 その「成立過程」こそ、まさに先述の「意思表示の形成過程」が含まれます。

 買いたいと思っていない物なんて買わないですよね?
 ではなぜ買ったのか?
 無理矢理買わされたのか?
 騙されたのか?あるいは勘違いか?
 買ってもいない物が突然送られてきていきなりお金を請求されても困りますよね?
 売る側からすれば何の理由もなしにいきなり返品されて「金返せ!」と言われても困りますよね?

 そうなると「意思表示の形成過程」のどこかに不備があるのではないか?と、民法的な検証ができる訳です。
 なお、付け加えて申し上げておきますと、意思表示は「黙示のもの」でも、有効に扱われる場合があります。
 黙示の意思表示とは、実際言葉には出していないけれど「それって買うってことだよね・売るってことだよね」ということです。
 つまり、黙っていても意思表示が明らかだと認められればその契約は成立してしまう、という事です。
 という訳なので皆さま、断るときはハッキリと口に出して断りましょう。


 今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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