【数量指示売買】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【数量指示売買】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【登場人物】
A:土地の売主
B:土地の買主
C:不動産仲介業者
D:弁護士



 AとBは、Cの仲介で、某所にある土地(登記簿上の面積は200㎡)を3億円で売買する契約を締結した。
 契約書には、土地の面積は200㎡と記載されていたが、実測面積との差異については何も定められていなかった。
 Bは、この土地に自宅兼オフィスの建物を建てる予定だった。

 契約後。
 Bは測量を依頼したところ、実際の土地の面積は180㎡しかないことが判明した。
 Bは、このことを知って激怒し、Aに対して契約解除と損害賠償を求めた。
 Aは、登記簿上の面積で売買したことを主張し、Bの請求を拒否した。

 Bは、D弁護士に相談した。
 D弁護士は、次のように説明した。

「この場合、民法565条にいう数量指示売買というものが問題になります。数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数又は尺度あることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買をいうんですね」

「では、このケースは数量指示売買にあたるんですか?」

「それが難しいところです。契約書には土地の面積が200㎡と記載されていますが、それが代金額決定の基礎となっているかどうかが問題です。例えば、1㎡あたり1500万円という単価で計算して3億円になったという事情があれば、数量指示売買に該当します。しかし、そうではなくて、相場や立地条件などから3億円という価格が決まったのであれば、数量指示売買にはあたらない可能性があります」

「そうすると、どうなるんですか?」

「数量指示売買にあたらない場合は、民法565条の規定は適用されません。つまり、Bさんは代金減額や契約解除などの請求ができなくなります。ただし、Aさんが土地の実測面積を知っていて故意に隠したり、虚偽の表示をしたりした場合は別ですが」

「そうなんですか......」

「ですから、このケースでは、契約時にどのような交渉があったかや契約書以外の証拠が重要になると考えられます」

「なるほど、ありがとうございます」

「いえいえ、どういたしまして」




 以上、初学者向けにやさしく民法の数量指示売買についての簡単な物語をお送りいたしました。
 まずは民法の数量指示売買についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。

 また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
 数量指示売買についてもっと詳しくわかりやすい解説は、
【売主の義務(旧:担保責任)】履行の追完&解除&代金減額&損害賠償の請求についてわかりやすく解説!
 にございますので、よろしければご覧ください。

 以上になります。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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