
Aさん(買主)はBさん(売主)さんから中古のピアノを購入することにしました。
売買契約書には、引渡し日と代金支払日を同じ日にすることが記載されていました。
しかし、引渡し日の前日に、Bさんの自宅で火事が起きてしまい、ピアノが焼失してしまいました。
BさんはAさんに連絡して事情を説明しました。
Bさん(売主)
「すみません、昨日火事があって、ピアノが焼けてしまいました」
Aさん(買主)
「えっ!本当ですか?大丈夫ですか?」
Bさん
「私は無事ですが、ピアノはもう使えません。」
Aさん
「そうですか...残念です」
Bさん
「本当に申し訳ありません。でも、売買契約書には代金支払日が今日と書いてありますから、代金はお支払いください」
Aさん
「えっ!でも、ピアノはもらえないんですよね?」
Bさん
「そうですけど、それでも契約は成立していますから...」
Aさん
「ちょっと待ってください。民法改正で危険負担の規定が変わったんじゃないですか?」
Bさん
「え?何のことですか?」
Aさん
「危険負担というのは、売主が商品を引き渡す前に商品が滅失した場合に、買主が代金を支払わなければならないかどうかという問題です。改正前の民法では特定物(今回は中古ピアノ)の場合は支払わなければならなかったんですけど、改正後の民法では支払わなくてもよくなったんです」
Bさん
「そうなんですか?」
Aさん
「はい。改正後の民法では、危険負担は債務者主義に統一されました。
つまり、商品が滅失した場合は、売主がリスクを負担するということです。
だから、私は代金を支払わなくてもいいんです」
Bさん
「そうなんですね...それは知りませんでした」
Aさん
「それに、危険(リスク)の移転時期も引渡し時と明確化されました。
つまり、引渡し前に商品が滅失した場合は、売主の責任になるということです。
だから、私は引渡しを受けていないので、代金を支払う義務はありません」
Bさん
「なるほど...それは納得です」
Aさん
「ですから、代金の支払いは免れますが、ピアノが焼けてしまったことは本当に残念です」
Bさん
「ありがとうございます。でも、契約書を書くときに、危険負担の規定を確認すべきでした。私は無知でした」
Aさん
「いえいえ。私も最近勉強したばかりです」
Bさん
「そうですか。それなら、もう一度ピアノを探してみます。今度は火事に気をつけます」
Aさん
「そうですね。私もピアノが欲しいので、他の売主を探してみます。でも、Bさんとの契約は解除されたということでよろしいですか?」
Bさん
「はい、もちろんです。私はもうピアノをお渡しできませんから」
Aさん
「分かりました。それでは、お互いに頑張りましょう」
Bさん
「はい、ありがとうございます」
以上、初学者向けにやさしく民法の危険負担についての簡単な物語をお送りいたしました。
まずは民法の危険負担についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。
また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
危険負担についてもっと詳しくわかりやすい解説は、
⇒【危険負担】基本はババ抜き~代金支払い債務の行方は?債務者主義と債権者主義とは?わかりやすく解説!
にございますので、よろしければご覧ください。
以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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しかし、引渡し日の前日に、Bさんの自宅で火事が起きてしまい、ピアノが焼失してしまいました。
BさんはAさんに連絡して事情を説明しました。
Bさん(売主)
「すみません、昨日火事があって、ピアノが焼けてしまいました」
Aさん(買主)
「えっ!本当ですか?大丈夫ですか?」
Bさん
「私は無事ですが、ピアノはもう使えません。」
Aさん
「そうですか...残念です」
Bさん
「本当に申し訳ありません。でも、売買契約書には代金支払日が今日と書いてありますから、代金はお支払いください」
Aさん
「えっ!でも、ピアノはもらえないんですよね?」
Bさん
「そうですけど、それでも契約は成立していますから...」
Aさん
「ちょっと待ってください。民法改正で危険負担の規定が変わったんじゃないですか?」
Bさん
「え?何のことですか?」
Aさん
「危険負担というのは、売主が商品を引き渡す前に商品が滅失した場合に、買主が代金を支払わなければならないかどうかという問題です。改正前の民法では特定物(今回は中古ピアノ)の場合は支払わなければならなかったんですけど、改正後の民法では支払わなくてもよくなったんです」
Bさん
「そうなんですか?」
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「はい。改正後の民法では、危険負担は債務者主義に統一されました。
つまり、商品が滅失した場合は、売主がリスクを負担するということです。
だから、私は代金を支払わなくてもいいんです」
Bさん
「そうなんですね...それは知りませんでした」
Aさん
「それに、危険(リスク)の移転時期も引渡し時と明確化されました。
つまり、引渡し前に商品が滅失した場合は、売主の責任になるということです。
だから、私は引渡しを受けていないので、代金を支払う義務はありません」
Bさん
「なるほど...それは納得です」
Aさん
「ですから、代金の支払いは免れますが、ピアノが焼けてしまったことは本当に残念です」
Bさん
「ありがとうございます。でも、契約書を書くときに、危険負担の規定を確認すべきでした。私は無知でした」
Aさん
「いえいえ。私も最近勉強したばかりです」
Bさん
「そうですか。それなら、もう一度ピアノを探してみます。今度は火事に気をつけます」
Aさん
「そうですね。私もピアノが欲しいので、他の売主を探してみます。でも、Bさんとの契約は解除されたということでよろしいですか?」
Bさん
「はい、もちろんです。私はもうピアノをお渡しできませんから」
Aさん
「分かりました。それでは、お互いに頑張りましょう」
Bさん
「はい、ありがとうございます」
以上、初学者向けにやさしく民法の危険負担についての簡単な物語をお送りいたしました。
まずは民法の危険負担についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。
また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
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