【信頼関係破壊の理論】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【信頼関係破壊の理論】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【登場人物】
A:賃貸人
B:賃借人
C:Aの代理人(弁護士)



 AはBに対して、賃貸借契約を解除する通知を送った。Bはそれに反対し、Cに相談した。

C
「Bさん、こんにちは。私はAさんの代理人です。Aさんから賃貸借契約の解除通知を受け取っていますよね?それについて話し合いましょう」

B
「はい、こんにちは。私はその通知に納得できません。なぜ契約を解除されるのか、正当な理由がありません」

C
「Aさんは、Bさんが賃貸物件で不法行為を繰り返し行っていることを知りました。例えば、ペット禁止なのに犬を飼っていたり、大音量で音楽を流したり、近隣住民から苦情が多数寄せられています。これらは契約違反であり、AさんとBさんの間の信頼関係を破壊するものです。そのため、Aさんは正当な事由があって契約を解除する権利があります」

B
「そんなことはありません。私はペット禁止と知らずに犬を飼ってしまっただけで、すぐに手放しました。音楽も静かにするように注意されたらすぐに止めました。近隣住民から多数の苦情があったなどとは聞いていません。Aさんは私に対して不当な仕打ちをしています」

C
「Bさんの言い分は認められません。Aさんは証拠として、ペット禁止の旨を記載した契約書や管理規約、犬の写真や毛が付着した敷金精算書、近隣住民からの苦情メールや電話録音などを提出しました。これらから明らかにBさんが契約違反をしていたことが分かります。また、AさんはBさんに対して何度も注意や警告を行っていますが、Bさんは改善しなかったことも証明できます」

B
「でも、それだけで契約を解除されるのは不当です。私は今後は気を付けると約束しますし、何かAさんに損害があったわけでもないと思います」

C
「Bさんの言うことは通りません。信頼関係破壊の理論では、契約違反が重大であれば損害の有無や改善の可能性は問われません。BさんはAさんの信頼を大きく裏切りました。AさんはBさんとの契約を継続することに耐えられないと感じています。これは正当な事由として認められるでしょう」

B
「それでも納得できません。私はこの物件に住み続けたいのです。どうすればいいのですか」

C
「Bさんは、Aさんの解除通知に対して異議を申し立てることができます。しかし、その場合はAさんから訴えられる可能性が高くなります。裁判所がAさんの主張を認めれば、Bさんは強制的に退去させられることになります。それに加えて、違約金や訴訟費用などを支払う義務が発生するかもしれません。Bさんはそのリスクを承知の上で異議を申し立てるつもりですか」

B
「......」

C
「Bさん、私はAさんの代理人として話していますが、個人的な意見として言わせてもらいます。このまま争ってもBさんのためになりません。AさんはBさんに対して妥協する気はありませんし、裁判所もAさんの主張を支持する可能性が高いです。Bさんは早めに別の物件を探すことをお勧めします。それがBさんの最善の選択だと思います」

B
「そうですか......わかりました。Aさんの解除通知には従います。でも、私はこれからどうやって生活していけばいいのですか。この物件は私にとって大切な場所なのです。ここでたくさんの思い出を作りました。ここを離れるのはとても辛いです」

C
「Bさん、それは残念ですが、仕方がありません。AさんはBさんに対して一定の期間を与えて、引っ越しの準備をすることを許可しています。その期間中は、賃料や管理費などを支払い続ける必要があります。また、物件の状態を確認するために、Aさんや管理会社の人が立ち入ることがあるかもしれません。その際は、協力的に対応してください」

B
「はい、分かりました。でも、私はAさんに対して謝罪したいのです。私は本当に反省しています。Aさんに直接会って話すことはできませんか」

C
「Bさん、それは無理です。AさんはBさんと会うことを拒否しています。AさんはBさんに対して怒りや恐怖を感じています。BさんがAさんに近づくと、Aさんは不安やストレスを感じるでしょう。それはAさんの心理的な損害になります。BさんはAさんの気持ちを尊重してください」

B
「そうですか。では、手紙やメールで謝罪することはできますか」

C
「Bさん、それもお勧めしません。AさんはBさんからの連絡を望んでいません。BさんがAさんに連絡すると、Aさんは嫌がらせや執拗さを感じるかもしれません。BさんはAさんから距離を置いてください」

B
「分かりました。では、私は何もできないのですね」

C
「Bさん、私はあなたに同情しますが、これ以上Aさんに迷惑をかけないでください。あなたは自分の行動の結果を受け入れる必要があります。あなたが今後同じようなことを繰り返さないように気を付けてください」

B
「はい......」




 以上、初学者向けにやさしく民法の信頼関係破壊の理論についての簡単な物語をお送りいたしました。
 まずは信頼関係破壊の理論についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。

 また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
 信頼関係破壊の理論についてもっと詳しくわかりやすい解説は、
【賃借権の無断&適法な譲渡と転貸】賃貸人の解除権と信頼関係破壊の法理とは/賃借権が譲渡されると敷金や滞納家賃や必要費&有益費はどうなる?初学者にもわかりやすく解説!
 にございますので、よろしければご覧ください。

 以上になります。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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