【賃借権の無断譲渡】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【賃借権の無断譲渡】を初学者向けにやさしく物語で解説!初学者向け☆やさしい小説民法!

【登場人物】
A:賃貸人
B:賃借人
C:Bの友人
D:Bが無断で賃借権を譲渡した第三者



 AがBに対して賃貸物件の立ち退きを求める。

A
「Bさん、こんにちは。今日はあなたにお願いがあります」

B
「はい、何でしょうか?」

A
「実は、この物件を売却することになりました。ですから、来月末までに退去していただきたいのです」

B
「えっ、売却ですか?それは急ですね。でも、私はまだ契約期間が残っていますよ。あと半年くらいです」

A
「契約期間は関係ありません。私はあなたに対して解除通知を出しましたから。無断で賃借権を譲渡したことが発覚したのです」

B
「無断で賃借権を譲渡した?何のことですか?」

A
「あなたはこの物件をCさんに転貸しているのではありませんか?私は先日、Cさんから連絡を受けました。彼はあなたからこの物件を借りていると言っていました」

B
「あ、それは......」

A
「私はあなたに転貸の承諾をした覚えはありません。民法612条によれば、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができないということになっています。あなたはこの規定に違反していますから、私は契約の解除をすることができます」

B
「でも、Cさんは私の友人で、一時的に困っていたので助けてあげただけです。それに、私も毎月ちゃんと家賃を払っていますよ」

A
「それでもダメです。転貸は転貸です。私はあなたと契約したのであって、Cさんと契約したわけではありません。Cさんがどんな人かも知りませんし、信用できません。私の意思に反して第三者に使用させることは許されません」

B
「そう言われても......」

A
「もしもあなたが退去しなければ、私は裁判所に強制執行の申し立てをしますよ。それでは大変なことになりますよ」

B
「そんな......」

A
「だから、早く決断してください。来月末までに退去するかどうか、今すぐ答えてください」

B 「わ、わかりました......退去します...」

A
「よろしくお願いします。それでは、明日書面で解除通知を送りますので、署名捺印して返送してください」

 Bは力なく頷いてうなだれた。




 以上、初学者向けにやさしく民法の賃借権の無断譲渡についての簡単な物語をお送りいたしました。
 まずは民法の賃借権の無断譲渡についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。

 また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
 賃借権の無断譲渡についてもっと詳しくわかりやすい解説は、
【賃借権の無断&適法な譲渡と転貸】賃貸人の解除権と信頼関係破壊の法理とは/賃借権が譲渡されると敷金や滞納家賃や必要費&有益費はどうなる?初学者にもわかりやすく解説!
 にございますので、よろしければご覧ください。

 以上になります。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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