
【登場人物】
田中:不動産会社の社員。植田から家を売ることを頼まれるが、病気で入院することになる。
山本:田中の同僚。田中から復代理人として家の売却を任される。
佐藤:家を買おうとする客。
植田:家を売ることにした本人。
田中が病院のベッドで横になっている。
そこへ山本が見舞いにやって来た。
山本
「田中さん、大丈夫ですか?どうしたんですか?」
田中
「ああ、山本君か。ありがとう、心配かけて。急性胆嚢炎で手術しなきゃいけないんだ」
山本
「えっ、それは大変ですね。手術はいつですか?」
田中
「明日の朝だよ。しばらくは仕事に戻れないだろうな」
山本
「そうですか。じゃあ、仕事の引き継ぎはどうしますか?私にできることがあれば言ってください」
田中
「そうだな。実はね、植田さんから家を売ることを頼まれていたんだけど、まだ契約までこぎつけてなくて」
山本
「植田さんって、あの新築の一戸建てを持ってる人ですよね?」
田中
「そうそう。あの家は立地も良くて、すぐに売れると思ってたんだけど、なかなか買い手がつかなくてね」
山本
「それは残念ですね」
田中
「で、今日、やっと見込みの客が来たんだよ。佐藤さんっていう人で、明日にでも契約したいって言ってたんだ」
山本
「それは良かったですね」
田中
「でも、俺が入院しちゃったから、契約できないじゃないか。植田さんにも迷惑かけるし、佐藤さんにも失礼だし」
山本
「そうですね。それは困りましたね」
田中
「だからさ、君に頼みたいんだけど、俺の代わりとして復代理人になってくれないか?」
山本
「復代理人?それってどういうことですか?」
田中
「復代理人っていうのはさ、代理人が自分の代わりに別の人に代理権を与えて、仕事をやってもらうことだよ」
山本
「なるほど。でも、それってできるんですか?法律的に問題ないんですか?」
田中
「大丈夫だよ。民法ではさ、任意代理人が復代理人を選任する場合、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があればOKって規定してるんだ」
山本
「そうなんですね。じゃあ、植田さんから許諾を得ればいいんですね」
田中
「そうそう。植田さんに電話して説明しておくから、君も了承してくれると助かるよ」
山本
「わかりました。じゃあ、私が復代理人になって、佐藤さんと契約を進めてみます」
田中
「ありがとう、山本君。君に任せて安心だよ。復代理人になるときは、俺から委任状をもらってね。権限の範囲とか書いておくから」
山本
「はい、分かりました。委任状は必要ですね。それじゃあ、お大事にしてくださいね」
田中
「ありがとう。頼んだよ、山本君」
翌日、佐藤の自宅にて。
佐藤
「こんにちは、山本さんですよね。昨日は電話でお話ししました」
山本
「はい、こんにちは。田中から復代理人選任の旨をお伝えしましたが、ご了承いただけましたか?
佐藤
「はい、大丈夫です。田中さんが体調を崩されたと聞いて心配しましたが、山本さんが代わりに来てくれて助かります」
山本:ありがとうございます。では、早速ですが、契約の手続きに入りましょうか」
佐藤
「はい、お願いします」
山本
「こちらに契約書がありますので、内容をご確認ください。また、私が復代理人であることを証明するために、田中からの委任状もお見せします」
佐藤
「はい、ありがとうございます。契約書と委任状を拝見します」
数分後......。
佐藤
「契約書と委任状を確認しました。特に問題ありません」
山本
「それでは、契約書に署名捺印してください。私も田中さんの代わりに署名捺印します」
佐藤
「はい、了解です」
契約書に署名捺印する。
山本
「これで契約が成立しました。おめでとうございます」
佐藤
「ありがとうございます。これから引き渡しや登記などの手続きもよろしくお願いします」
山本
「はい、もちろんです。引き続き田中の復代理人として対応させていただきます」
佐藤
「それでは、今日はありがとうございました」
山本
「こちらこそありがとうございました。それでは失礼します
以上、初学者向けにやさしく民法の復代理についての簡単な物語をお送りいたしました。
まずは民法の復代理についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。
また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
復代理についてもっと詳しくわかりやすい解説は、
⇒【復代理】任意代理人と法定代理人の場合では責任の度合いが違う/代理を丸投げできるケースとは?わかりやすく解説!
にございますので、よろしければご覧ください。
以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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田中:不動産会社の社員。植田から家を売ることを頼まれるが、病気で入院することになる。
山本:田中の同僚。田中から復代理人として家の売却を任される。
佐藤:家を買おうとする客。
植田:家を売ることにした本人。
田中が病院のベッドで横になっている。
そこへ山本が見舞いにやって来た。
山本
「田中さん、大丈夫ですか?どうしたんですか?」
田中
「ああ、山本君か。ありがとう、心配かけて。急性胆嚢炎で手術しなきゃいけないんだ」
山本
「えっ、それは大変ですね。手術はいつですか?」
田中
「明日の朝だよ。しばらくは仕事に戻れないだろうな」
山本
「そうですか。じゃあ、仕事の引き継ぎはどうしますか?私にできることがあれば言ってください」
田中
「そうだな。実はね、植田さんから家を売ることを頼まれていたんだけど、まだ契約までこぎつけてなくて」
山本
「植田さんって、あの新築の一戸建てを持ってる人ですよね?」
田中
「そうそう。あの家は立地も良くて、すぐに売れると思ってたんだけど、なかなか買い手がつかなくてね」
山本
「それは残念ですね」
田中
「で、今日、やっと見込みの客が来たんだよ。佐藤さんっていう人で、明日にでも契約したいって言ってたんだ」
山本
「それは良かったですね」
田中
「でも、俺が入院しちゃったから、契約できないじゃないか。植田さんにも迷惑かけるし、佐藤さんにも失礼だし」
山本
「そうですね。それは困りましたね」
田中
「だからさ、君に頼みたいんだけど、俺の代わりとして復代理人になってくれないか?」
山本
「復代理人?それってどういうことですか?」
田中
「復代理人っていうのはさ、代理人が自分の代わりに別の人に代理権を与えて、仕事をやってもらうことだよ」
山本
「なるほど。でも、それってできるんですか?法律的に問題ないんですか?」
田中
「大丈夫だよ。民法ではさ、任意代理人が復代理人を選任する場合、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があればOKって規定してるんだ」
山本
「そうなんですね。じゃあ、植田さんから許諾を得ればいいんですね」
田中
「そうそう。植田さんに電話して説明しておくから、君も了承してくれると助かるよ」
山本
「わかりました。じゃあ、私が復代理人になって、佐藤さんと契約を進めてみます」
田中
「ありがとう、山本君。君に任せて安心だよ。復代理人になるときは、俺から委任状をもらってね。権限の範囲とか書いておくから」
山本
「はい、分かりました。委任状は必要ですね。それじゃあ、お大事にしてくださいね」
田中
「ありがとう。頼んだよ、山本君」
翌日、佐藤の自宅にて。
佐藤
「こんにちは、山本さんですよね。昨日は電話でお話ししました」
山本
「はい、こんにちは。田中から復代理人選任の旨をお伝えしましたが、ご了承いただけましたか?
佐藤
「はい、大丈夫です。田中さんが体調を崩されたと聞いて心配しましたが、山本さんが代わりに来てくれて助かります」
山本:ありがとうございます。では、早速ですが、契約の手続きに入りましょうか」
佐藤
「はい、お願いします」
山本
「こちらに契約書がありますので、内容をご確認ください。また、私が復代理人であることを証明するために、田中からの委任状もお見せします」
佐藤
「はい、ありがとうございます。契約書と委任状を拝見します」
数分後......。
佐藤
「契約書と委任状を確認しました。特に問題ありません」
山本
「それでは、契約書に署名捺印してください。私も田中さんの代わりに署名捺印します」
佐藤
「はい、了解です」
契約書に署名捺印する。
山本
「これで契約が成立しました。おめでとうございます」
佐藤
「ありがとうございます。これから引き渡しや登記などの手続きもよろしくお願いします」
山本
「はい、もちろんです。引き続き田中の復代理人として対応させていただきます」
佐藤
「それでは、今日はありがとうございました」
山本
「こちらこそありがとうございました。それでは失礼します
以上、初学者向けにやさしく民法の復代理についての簡単な物語をお送りいたしました。
まずは民法の復代理についてのイメージを掴んでいただければ幸いです。
また、専門用語で難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
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