【意思表示の効力の発生】到達主義と発信主義?わかりやすく解説!

【意思表示の効力の発生】到達主義と発信主義?わかりやすく解説!

▼この記事でわかること
意思表示の効力発生は到達主義?
意思表示者が死亡した場合
発信主義になる場合
行方不明の者に対する意思表示
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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到達主義

 意思表示の効力は、その意思の到達時をもって発生します。(民法97条1項)
 つまり、意思表示の効力は到達主義です。
 例えば、何らかの意思表示を郵便でした場合、その郵便物が、相手方の支配下に置かれたときに効力が発生するのです。

「支配下に置かれた時」というのがなんだか抽象的ですが、細かい事は気にしないでください。
 実際、いろんな判例もありますが、ざっくり「相手方の家のポストに投函された時」というイメージで大丈夫です。

 ということは、です。
 郵便物が届かなかった場合には、当然のことながらその意思表示に効力がありません。
 例えば、「契約を取り消します」と手紙で送っても、郵便局員のミスか何かで相手に到達していなければ、取消しの効力は発生しません。

 相手が知るよしもない以上、当然のことと言えますね。
 しかし、ポストに入っていれば、相手が開封して中身を見ていなくても意思表示は効力が発生します。
「相手方の支配下に置かれたときに効力が発生する」の意味、おわかりいただけましたよね。

 一般に、法律的な内容の書面を送る場合、「内容証明」でさらに「配達証明」をつけます。
 これは意思表示が到達したことの証拠が裁判上必要だからです。
 相手方に「手紙なんか来てねえよバーカ」と嘘をつかせないための裁判実務上の用心なのです。
 現実の裁判では、取消しの意思表示の到達を立証できなければ、取消権が時効消滅し、敗訴となってしまうことだってありますから、重大です。
 現実で、なぜ内容証明郵便が利用されるのか、その理由がわかったかと思います。


意思表示者の死亡


 さて、では「先の契約を取り消します」と手紙を出した人が手紙の到達前に死亡したらどうなるでしょうか?

 民法は、意思表示の効力は、表意者の死亡または能力の喪失で妨げられないと規定します。(民法97条2項)

 死亡により意思表示の効力が妨げられないということの具体的な意味は、契約を取り消した人の地位が、表意者の相続人に承継されるという意味です。
 つまり、死亡した表意者の「取り消します」という意思表示の効力は「取り消します」と言った表意者の地位ごと相続人が相続するので、そのまま消えることはないのです。

 なお、手紙が到達した後に表意者が死亡したのであれば、その地位が相続人に引き継がれるのはわざわざ条文など作るまでもなく当たり前のハナシですよね。
 民法97条2項は、手紙を出した後到達前に表意者が死亡した場合の規定です。

 このように、意思表示は到達時に効力が発生します。


発信主義


 実は、例外的に発信主義となる場合もあります。

・契約の申込みの承諾(民法526条)
 これは、承諾者が発信後、迅速に履行に着手できるようにするためです。

・制限行為能力者の催促に対する確答(民法19条)
 これは、到達主義を取った場合の制限行為能力者側のリスクを回避するためです。


行方不明の者に対する意思表示


 意思表示の効力は、相手方への到達により生じます。
 このため、相手方そのものが不明の場合や、相手方はわかっていてもその所在が不明の場合、どうすれば意思表示を相手方に到達させることができるのか?という問題が生じます。

 民法は、これについて公示による意思表示という方法を準備しました。
 これは、意思表示の内容を裁判所の掲示板に掲示し、かつその掲示があったことを官報または市役所等の掲示場に少なくとも一回掲載して行う方法です。
 この方法により、たとえ相手方がその掲示を見ていなくても、最後に官報に掲載した日、またはその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなされることになります。(民法98条)


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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