【占有改定・占有移転】をQ&A形式でコンパクトにわかりやすく解説!

【占有改定・占有移転】をQ&A形式でコンパクトにわかりやすく解説!


占有改定


Q: 占有改定とは何ですか?

A: 占有改定とは、ある物の占有者が、その物を手元に置いたまま、他の人に占有権を移す方法です(民法183条)。
 例えば、AさんがBさんにプレゼントを贈るときに、Bさんが入院していて直接受け取れない場合、Aさんが「これはあなたのものだから、退院するまで私が預かっておくね」と言うと、占有改定が成立します。
 Aさんはそのまま物を直接占有し続けますが、BさんもAさんを通して物を間接占有するようになります。


Q: 占有改定のメリットは何ですか?

A: 占有改定のメリットは、物を引き渡す必要がないことです。
 物を引き渡すときには、運送費や保管費などのコストがかかりますし、物が紛失や損傷するリスクもあります。
 占有改定ならば、そうしたコストやリスクを避けることができます。
 また、占有者が物を手元に置いておくことで、物の管理や使用もしやすくなります。


Q: 占有改定のデメリットは何ですか?

A: 占有改定のデメリットは、占有者が物を悪用したり、第三者に譲渡したりする可能性があることです。
 例えば、AさんがBさんに贈ったプレゼントをCさんに売ってしまった場合、BさんはCさんに対して物を返せと主張できますが、Cさんがそれに応じない場合は裁判に訴える必要があります。
 また、占有者が物を使いすぎたり、破損したりする場合もあります。
 そのような場合は、占有者に対して損害賠償請求することもできますが、それにも時間や費用がかかります。


Q: 占有改定の要件は何ですか?

A: 占有改定の要件は以下の二つです。

・占有者が自分の占有物を以後他人のために占有する意思を表示すること
・他人がその意思表示を受け入れること

 意思表示は口頭でも書面でも構いませんが、明確で確実である必要があります。
 また、意思表示は占有者から他人へ向けられる必要があります。
 例えば、「これはあなたのものだから」と言っても、誰に向けて言ったかわからない場合は占有改定になりません。


占有移転


Q: 占有移転とは何ですか?

A: 占有移転とは、ある物の占有者が、その物の占有権を他の人に譲渡することです。
 占有権とは、自己のために物を支配する権利です(民法179条)。
 占有移転には、現実の引渡し、簡易の引渡し、指図による占有移転、占有改定の4種類があります(民法182条~184条)。


Q: 現実の引渡しとは何ですか?

A: 現実の引渡しとは、目的物を現に手渡すことで占有移転する方法です(民法182条1項)。
 例えば、AさんがBさんに本を贈るときに、Bさんに直接本を渡すと、現実の引渡しが成立します。
 Aさんは本を直接占有していたのが、Bさんに直接占有されるようになります。


Q: 簡易の引渡しとは何ですか?

A: 簡易の引渡しとは、目的物を既に所持している相手に対して、意思表示で占有移転する方法です(民法182条2項)。
 例えば、AさんがBさんに本を貸すときに、Bさんがその本を返さずに所持している場合、Aさんが「その本はあげるよ」と言うと、簡易の引渡しが成立します。
 Aさんは本を間接占有していたのが、Bさんに直接占有されるようになります。


Q: 指図による占有移転とは何ですか?

A: 指図による占有移転とは、目的物を間接占有していた本人が、占有代理人(直接占有者)に対して、以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾することで占有移転する方法です(民法184条)。
 例えば、AさんがBさんに本を預けているときに、Cさんにその本を譲る場合、AさんがBさんに「その本はCさんのものだから、Cさんのために預かっておいてね」と言い、Cさんがこれを受け入れると、指図による占有移転が成立します。
 Aさんは本を間接占有していたのが、Cさんに間接占有されるようになります。


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