【債権者代位権&詐害行為取消権】をQ&A形式でコンパクトにわかりやすく解説!

【債権者代位権&詐害行為取消権】をQ&A形式でコンパクトにわかりやすく解説!

Q: 債権者代位権とは何ですか?

A: 債権者代位権とは、債権者が、自分の債権を保全するために、債務者が持っている第三者に対する権利を債務者に代わって行使することができる権利です。
 たとえば、AさんがBさんにお金を貸しているのに、Bさんが返済しない場合、AさんはBさんがCさんに対して持っているお金の請求権などをBさんに代わって行使することができます。


Q: 債権者代位権を行使するための要件は何ですか?

A: 債権者代位権を行使するためには、以下の要件が必要です。
・自分の債権の履行期が到来していること
・債務者が無資力(債務超過)であること
・債務者が第三者に対する権利を行使していないこと
・第三者に対する権利が一身に専属する権利や差押えを禁止された権利でないこと
・自分の債権が強制執行により実現できないものでないこと


Q: 債権者代位権の効果は何ですか?

A: 債権者代位権の効果は、第三者に対して自分の債権の額の限度で支払いや引渡しを求めることができることです。
 また、第三者が債務者に対して持っている抗弁(反論)を受けることもあります。
 ただし、債務者が第三者に対する権利を行使した場合は、債権者代位権は消滅します。


Q: 民法改正によって債権者代位権はどう変わりましたか?

A: 民法改正によって、以下の点が変わりました。
・裁判上の代位という特別な手続きが廃止されました。
・差押えを禁止された権利は代位行使できないことが明文化されました。
・自然債務などの強制執行により実現できない債権は被代位権利にならないことが明文化されました。
・被代位権利の目的が可分である場合は自分の債権の額の限度でしか行使できないことが明文化されました。


Q: 詐害行為取消権とは何ですか?

A: 詐害行為取消権とは、債権者が、債務者が自分の財産を減らしたり、一部の債権者にだけ優遇したりすることで、自分の債権を回収できなくするような行為(詐害行為)を裁判所に請求して取り消すことができる権利です。
 詐害行為の取り消しによって、債務者の責任財産を保全することができます。


Q: 詐害行為取消権を行使するための要件は何ですか?

A: 詐害行為取消権を行使するためには、以下の要件が必要です。
・自分の債権が詐害行為以前の原因に基づいて生じたものであること
・自分の債権が強制執行により実現できるものであること
・債務者が詐害性のある法律行為をしたこと
・債務者と受益者(詐害行為によって利益を得た者)が、自分を害することを知っていたこと
・債務者が財産権を目的とする法律行為をしたこと


Q: 財産減少行為以外にも詐害行為取消権の対象になる場合はありますか?

A: はい、あります。民法改正によって、以下の場合にも詐害行為取消権が認められるようになりました。
・債務者が相当の対価を得て財産の種類を変更した場合(例:不動産を売却して現金化)
・債務者が特定の債権者に対して担保や弁済をした場合(例:一部の債権者に対して抜け駆け的に支払いや担保供与)
・債務者が過大な代物弁済や過大な寄付・贈与をした場合(例:債務額以上の金額や財産を支払ったり譲渡したり)


Q: 詐害行為取消権の効果は何ですか?

A: 詐害行為取消権の効果は、以下のようになります。
・詐害性のある法律行為が取り消されること
・取り消された法律行為によって移転した財産や価額を債務者または受益者から返還または償還してもらえること
・受益者や転得者(受益者からさらに財産を受け取った者)の権利が復活すること


→債権者代位権と詐害行為取消権についてのもっとわかりやすい解説はこちらをご覧ください←
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