【危険負担】をQ&A形式でコンパクトにわかりやすく解説!

【危険負担】をQ&A形式でコンパクトにわかりやすく解説!

Q: 危険負担とは何ですか?

A: 危険負担とは、売買などの契約が成立した後に、一方の債務が履行不能となった場合に、そのリスクをどちらの当事者が負担するかという問題です。
 例えば、売主が商品を渡すという債務が、地震などの不可抗力で商品がなくなってしまった場合、買主は代金を支払う必要があるのかどうかということです。


Q: 民法改正で危険負担はどう変わりましたか?

A: 民法改正で危険負担は大きく変わりました。
 改正前の民法では、「特定物」を目的とする契約においては、「債権者主義」という考え方が採用されていました。
 これは、一方の債務が履行不能となった場合、他方の債務も消滅しないという考え方です。
 つまり、売主が商品を渡せなくても、買主は代金を支払わなければならないということでした。
 しかし、これは不合理で実務に合わないという批判がありました。
 そこで、改正後の民法では、「債権者主義」を廃止し、「債務者主義」に統一しました。
 これは、一方の債務が履行不能となった場合、他方の債務も消滅するという考え方です。
 つまり、売主が商品を渡せなければ、買主も代金を支払わなくてよいということになりました。


Q: 危険負担の移転時期はいつですか?

A: 危険負担の移転時期とは、契約当事者間で危険負担がどちらからどちらに移るかという時期のことです。
 改正前の民法では、「特定物」を目的とする契約においては、契約成立時に危険負担が売主から買主に移るとされていました。
 しかし、改正後の民法では、「特定物」か「不特定物」かに関係なく、「物の引渡し時」に危険負担が売主から買主に移ることになりました。
 ただし、「物の引渡し時」とは必ずしも物理的な引渡しを意味するわけではありません。契約書や慣習によって引渡し時期を定めることもできます。


Q: 危険負担と解除制度はどう関係していますか?

A: 危険負担と解除制度は、債務の消滅に関する規律です。
 危険負担は、債務者の責めに帰すべき事由によらずに債務が履行不能となった場合の処理ですが、解除制度は、債務者の責めに帰すべき事由によって債務が履行不能となった場合の処理です。
 解除制度は、改正民法で大きく見直され、債務者の責めに帰すべき事由によらずにも解除できることになりました。
 つまり、危険負担の場合でも、債権者は契約を解除することができるようになりました。
 ただし、解除する場合は、相手方に通知する必要があります。


Q: 危険負担のルールは契約書で変えることができますか?

A: はい、危険負担のルールは契約書で変えることができます。
 つまり、当事者の自由意思によって、危険負担の移転時期や内容を定めることができます。
 例えば、売主が商品を渡す前に危険負担が買主に移るとする特約や、危険負担を分担するとする特約などを設けることができます。
 ただし、契約書で危険負担のルールを変える場合は、公序良俗に反しないように注意する必要があります。


→危険負担についてのもっとわかりやすい解説はこちらをご覧ください←
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