【根抵当権】をQ&A形式でコンパクトにわかりやすく解説!

【根抵当権】をQ&A形式でコンパクトにわかりやすく解説!

Q. 根抵当権とは何ですか?

A. 根抵当権とは、不動産を担保にして、一定の範囲に属する不特定の債権を「極度額」と呼ばれる上限額の限度で担保する担保権のことです。
 根抵当権は抵当権の一種ですが、抵当権とは異なる特徴があります。


Q. 根抵当権と抵当権の違いは何ですか?

A. 根抵当権と抵当権の違いは、主に以下の3点です。

・対象となる債権
 抵当権は、それによって担保される債権の金額が抵当権の設定時点で明確に定まっています。
 これに対して、根抵当権は、元本が確定しない限り担保される債権の金額が定まっておらず、「極度額」の範囲内であれば何度でも同じ債権者から借り入れが可能です²。

・随伴性
 抵当権は、債権が第三者に移転すると、抵当権もまた債権を譲り受けた第三者に移転します。これを「随伴性」と呼びます。
 これに対し、元本確定前の根抵当権は、随伴性がありません。担保する債権が第三者に移転したとしても、債務者の承諾がない限り根抵当権は移転しません。

・付従性
 抵当権は、債権が完済されれば、それを担保する抵当権も消滅します。これを「付従性」と呼びます。
 これに対し、元本確定前の根抵当権は、当初担保していた債権が完済されたとしても消滅せず、極度額の範囲内で行われる新たな借り入れの担保にできます。


Q. 根抵当権のメリットとデメリットは何ですか?

A. 根抵当権のメリットは、同じ金融機関から追加融資を受ける際に新たに抵当権を設定する手続きが必要ないため、金銭的、時間的コストを節約できる点にあります。
 デメリットは、上記のメリットを享受するためには根抵当権者である金融機関から融資を受けることになり、借入先の選択肢が狭くなりやすい点にあります。
 ほかの金融機関から融資を受ける場合には、改めて抵当権、または根抵当権を設定する手続きが必要となります。


Q. どのような場合に根抵当権を設定する必要がありますか?

A. 主に以下のような場合です。

・継続的な取引を前提とする中小企業の事業者が、同じ金融機関から追加融資を受ける場合
・リバースモーゲージを利用する場合
・ 注文住宅を建てる場合


Q. 継続的な取引を前提とする中小企業の事業者が、同じ金融機関から追加融資を受ける場合に根抵当権を設定する必要があるのはなぜですか?

A. 以下の理由です。

・根抵当権は、あらかじめ設定された極度額を上限として、繰り返し融資を受けることができる担保権であるため、迅速な資金需要に対応することができる
・根抵当権は、根抵当権設定時の登記のみで足りるため、登記手数料や手続きの負担が少なくて済む


Q. リバースモーゲージを利用する場合に根抵当権を設定する必要があるのはなぜですか?

A. 以下の理由です。
 リバースモーゲージとは、自宅を担保に生活資金を借入れし、自宅にそのまま住み続け、借主が死亡したときに担保の設定された自宅を処分し、借入金を返済するというものです。
 根抵当権の設定によるリバースモーゲージであれば、極度額の範囲で何度でも繰り返し借り入れをすることができるため、自宅のリフォーム、生活費、介護費用など老後の生活資金の活用に幅ができます。


Q. 注文住宅を建てる場合に根抵当権を設定する必要があるのはなぜですか?

A. 以下の理由です。
 注文住宅の場合には、土地の購入、建物の着手金、中間金、残金の支払いなど建物が完成するまでの間に何度も支払いが発生することがあります。
 その都度、抵当権を設定することもできますが、根抵当権を利用することによって、極度額の範囲内であれば繰り返し融資を受けることができるため、登記費用の節約につながります。


→根抵当権についてのもっとわかりやすい解説はこちらをご覧ください←
関連記事