【諾成・要式・要物契約】契約は口約束でも成立する?書面が必須の契約は?初学者にもわかりやすく解説!

【諾成・要式・要物契約】契約は口約束でも成立する?書面が必須の契約は?初学者にもわかりやすく解説!

▼この記事でわかること
諾成契約とは
要式契約とは
要物契約とは
13種類の典型契約
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、初学者にもわかりやすく学習できますよう解説して参ります。
01冒頭画像

諾成契約


 コンビニでモノを買うのも契約です。
 その契約は売買契約になります。
 そして、売買契約は諾成契約です。

 諾成契約とは、口約束だけでも成立する契約です。
 したがって、売買契約という諾成契約は、買主が購入の申し込み(これ買います)をし、売主が申し込みの承諾(それ売ります)をした時、成立する契約になります。

 契約の流れは以下になります。

買います

売ります

お金を支払う

物を引き渡す


 これが契約の流れです。
 そして、契約成立時購入の申し込みの承諾時です。
 つまり、上記の「売ります」の時点で、契約が成立します(諾成契約)。
03買い物
 さて、ここで「あれ?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そうです。
 諾成契約には、契約書もいらないのです。それが諾成契約なのです。

 つまり、契約というものは、口約束だけでも民法上は成立してしまうのです。
 もちろん、現実を考えたとき、例えば、企業間取引等で口約束だけで決めることはほとんどないでしょう。
 きちんと書面を交わした上で契約をしておかないと、後々に疑義が生じたとき、言った言わないの水掛け論になってしまいますから。

 ですので、当然のことながら、トラブル防止のためにも、きちんとした書面は必須なのです。
 しかし、民法上の原則として、口頭のやり取りだけでも契約は成り立ってしまう、ということは覚えておいてください。
 そして、契約には、諾成契約以外の契約もあります。


要式契約


 要式契約は、前述の諾成契約とは違い、書面など一定の方式を経ないと成立しない契約です。
 例えば、保証契約がまさにこの要式契約にあたります。
 民法446条2項に明確な規定があります。

民法446条2項
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。

 上記、民法446条2項の規定により、誰かに保証人になってもらうとき、誰かの保証人になろうとするときは、口頭の合意だけではダメで、書面を交わさなければなりません。
 もし、口約束だけの保証契約でトラブルになっている方は、そもそも、その保証契約は法的に成り立っていませんので、ご注意ください。

「形式」を「要する」契約→要式契約

 こんなイメージで覚えると記憶しやすいと思います。


要物契約

 要物契約とは、契約対象の物の引き渡しがあって初めて成立する契約です。
 例えば、民法改正前の旧民法では寄託契約が、この要物契約にあたりました。

 いきなり寄託契約と言われてもピンと来ないと思いますが、寄託契約とは、物を預ける契約です。
 倉庫に物を預けて保管してもらったりするアレです。
05倉庫
 民法改正前の旧民法では、倉庫に物を預けて保管してもらう契約は、実際に物を預かってもらって初めて成立する契約だったのです。

「物」を「要する」契約→要物契約

 こんなイメージで覚えてみてください。
 そして、民法改正を経た現在では、この寄託契約は互いの合意のみで成立する諾成契約となりました。
 書面もいりません。
 したがいまして、物を預けて保管してもらう契約(寄託契約)は、口約束だけで成立します。


寄託契約についての補足

 倉庫に物を預けるとき、実は契約のパターンが2つあります。
 ひとつは、先ほど解説した寄託契約
 そして、もうひとつは賃貸借契約です。

 え?どゆこと?

 わかりやすく簡単に解説するとこうです。
 寄託契約の場合は、物を預かって保管してもらう契約です。

 一方、賃貸借契約の場合は、倉庫自体を借りて自ら保管する契約になります。
 当然、どちらになるかにより、料金が異なるのはもちろん、物の保管に関する責任の帰属関係も変わります。

「責任の帰属関係が変わる」というのは、例えば、保管物に何かあったときに、誰が責任を持つのか(その原因の問題はここでは省きます)、あるいはその責任の度合い、といったものが変わるのです。
 倉庫に物を保管するといった契約をされる場合は、事前にこのあたりの契約内容を、よく確認しておくことを推奨します。


~おまけ~
13種類の典型契約



互いの意思表示だけで成立する諾成契約
書面なりの一定の形式が必要な要式契約
物の引き渡しがあって成立する要物契約

 上記の分類は「契約の成立」という観点でカテゴライズされたもので、ここまで解説してきた内容になります。
 ところで、民法上の契約というもの自体は、13種類の類型が存在します。
 そして、その13種類の契約が、それぞれ諾成契約だったり要式契約だったりするのです。

 では、一体どんな契約があるのか?
 以下、民法上の13種類の契約の典型です。

・移転型
売買契約 贈与契約 交換契約
・利用型
消費貸借契約 使用貸借契約 賃貸借契約
・労務型
雇用契約 委任契約 請負契約 寄託契約
・特殊型
組合契約 終身定期金契約 和解契約

 以上が、民法上の13種類の典型契約になります。
 13種類の契約は、移転型、利用型、労務型、特殊型、というように、4つのグループに分けることができます。

 宅建試験や行政書士試験において扱われる契約は、主に移転型利用型になり、労務型と特殊型は、あまり出題の対象にはなりません(委任、請負、寄託に関しては多少出ます)。
 この移転型、利用型、労務型、特殊型というグループ分けは、とりあえず「そういった分類がある」ということだけ、何となく覚えておいていただければ、それで結構です。

 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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