
▼この記事でわかること
・共有物の持分放棄・持分譲渡の基本
・持分放棄後に持分譲渡?
・共有者が死亡した場合
・相続人なく共有者が死亡してからその持分が他の共有者に帰属するまで
(上記クリックorタップでジャンプします)
今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。

共有物の持分放棄・持分譲渡
共有物の持分は放棄することができます。
共有物の持分を放棄するとは、共有物の持分権を手放して、その共有物の共有者ではなくなることです。
これが共有物の持分放棄です。
では、共有物の持分放棄をすると、放棄された持分権はどうなるのでしょうか?
民法の規定はこちらです。
(持分の放棄及び共有者の死亡)
民法255条
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
上記、民法255条の規定により、共有者の1人が持分放棄をすると、その持分は他の共有者に帰属します。
他の共有者に帰属するとは、他の共有者の持分に加わるという意味です。
それでは、ここからは事例とともに解説して参ります。
事例1
AとBとCは、甲不動産を共有している。各自の持分は3分の1ずつである。その後、Cはその持分を放棄した。
これは、AとBとCの持分は3分の1ずつで、Cが持分放棄をした、という事例です。
共有者の1人が持分放棄をすると、その持分は他の共有者に帰属します。
つまり、Cの放棄した持分はAとBに帰属します。
このとき、放棄された持分が他の共有者に帰属する割合は、人数で割るわけではなく、他の共有者が元々持っている持分の割合に応じて決定します。
すると、AとBの持分の割合は3分の1ずつで一緒です。
ですので、Cの放棄した持分は等分にAとBに分かれて帰属します(事例1はAとBの持分割合が一緒なので、結果的には人数で割るのと同じになる) 。
A持分 B持分 C持分
3分の1 3分の1 3分の1
[C持分放棄]
AとBの持分割合に応じてAとBに帰属
↓
C持分
3分の1÷2=6分の1→Aに帰属
→Bに帰属
結果
↓
A持分
3分の1+6分の1
B持分
3分の1+6分の1
↓
A持分 B持分
2分の1 2分の1
したがいまして、放棄されたCの持分はAとBの持分に加わり、その結果、甲不動産はAとBが持分半分ずつでの共有になります。
続いて、次のようなケースではどうなるでしょう?
事例2
AとBとCは、甲不動産を共有している。各持分は、Aが6分の1、Bが6分の2、Cが6分の3である。その後、Cがその持分を放棄した。
この事例2も、ABCの三者共有となっていますが、各持分が違っています。
さて、Cが持分放棄したことにより、その持分6分の3はAとBに帰属することになりますが、その割合はどうなるのでしょうか?
甲不動産の持分は、Aが6分の1、Bが6分の2です。ですので、その比率は1対2になります。
ということは、C持分6分の3がその比率に応じて、Aに3分の1、Bに3分の2、と分かれて帰属します。
A持分 B持分 C持分
6分の1 6分の2 6分の3
[C持分6分の3放棄]
AとBへその持分割合(比率)に応じて帰属
↓
Aに帰属する持分
6分の3×3分の1=18分の3
Bに帰属する持分
6分の3×3分の2=18分の6
したがいまして、Cの持分放棄により、Aの持分とBの持分は次のようになります。
Aの持分
6分の1(元々の持分)+18分の3=18分の6
Bの持分
6分の2(元々の持分)+18分の6=18分の12
ということは
Aの持分は18分の6=3分の1
Bの持分は18分の12=3分の2
となる。
持分放棄後に持分譲渡
共有者の各持分は放棄することができますが、譲渡することもできます。
事例3
AとBとCは、甲不動産を共有している。各自の持分は3分の1ずつである。その後、Cはその持分を放棄した。さらにCは、その放棄した持分をDに譲渡し、その旨の登記をした。
さて、この事例3で、Dは譲渡された持分を取得することができるでしょうか?
結論。
登記を備えたDは、譲渡された持分権を取得します。
したがいまして、甲不動産はABDの共有になり、Cの持分がABに帰属することはありません。
Dが登記をしていなかったら?
登記のないDは、譲渡された持分を取得することはできません。
したがって、Dが登記をしなければ、Cの持分はAとBに帰属することになり、Dが甲不動産の共有者になることはありません。

ここでひとつ注意点です。
相続放棄した者が、相続放棄後に、相続した不動産を譲渡した場合は、結果は全く違います。
相続放棄の効果は絶対なので、相続放棄後に相続財産を譲渡することは完全に不可能です。
譲受人が登記をしていようとそんなものは無効です。
この点は、(共有の)持分放棄と相続放棄でごっちゃにならないようご注意ください。
(相続放棄についての詳しい解説は「【共同相続と登記】遺産分割協議と相続人&相続放棄者の勝手な不動産譲渡問題/遺言による相続と登記をわかりやすく解説!」をご覧ください)
共有者の死亡
共有者が死亡すると、その持分は相続人に相続されます。
例えば、ABが甲不動産を共有していて、Bが死亡します。
そして、Bの相続人がCとDだった場合、Bの持分はCとDに相続されます。
その結果、甲不動産はA・C・Dの共有になります。
さて、では死亡した共有者に相続人がいなかった場合、どうなるのでしょうか?
その場合、死亡した共有者の特別縁故者に、その持分は相続されます(特別縁故者等、この辺りの問題は相続分野で改めて詳しく解説します)。
それでは、死亡した共有者に相続人がなく、特別縁故者もいなかった場合は、どうなるのでしょうか?
その場合、死亡した共有者の持分は他の共有者に帰属します。
そして、そうなった場合、共有者が持分放棄をしたケースと考え方はまったく一緒です。
事例4
AとBとCは、甲不動産を共有している。各持分は、Aが6分の1、Bが6分の2、Cが6分の3である。その後、Aが死亡した。なお、Aには相続人も特別縁故者もいない。
共有者が持分放棄をした場合と考え方が全く一緒ということは、この事例4のAが相続人なく死亡したケースは、Aが持分放棄をした場合と、考え方も結論も同じになるということです。
じゃあどうなるん?
死亡した共有者の持分は、他の共有者に、各自の持分割合(比率)に応じて帰属します。
Bの持分は6分の2、Cの持分は6分の3です。ということは、BCの持分割合の比率は2対3なので、死亡したAの持分6分の1は、Bに5分の2、Cに5分の3の割合で帰属することになります。
A持分6分の1
BCにその持分割合(比率)に応じて帰属
↓
Bに帰属する持分
6分の1×5分の2=30分の2
Cに帰属する持分
6分の1×5分の3=30分の3
したがいまして、Aが死亡して、Bの持分とCの持分は次のようになります。
Bの持分
6分の2(元々の持分)+30分の2
=30分の12
Cの持分
6分の3(元々の持分)+30分の3
=30分の18
ということは
Aの持分は30分の12=5分の2
Bの持分は30分の18=5分の3
となる。
相続人なく共有者が死亡してから
その持分が他の共有者に帰属するまで

共有者の1人が死亡すると、その持分は相続人に相続され、相続人がいないと、特別縁故者に相続され、特別縁故者もいない場合は、他の共有者に帰属します。
それでは、相続人なく共有者が死亡した場合の流れを簡単にご説明します。
1【相続財産の法人化】
まず、相続人が明らかでないときは、相続財産は法人になります。
相続人が明らかでないとは、相続人が誰なのかわからないとき、相続人がいるのかいないのかもわからないような場合です。
2【家庭裁判所による相続財産管理人の選出】
相続財産が法人になると、家庭裁判所が相続財産管理人を選出します。
相続財産管理人の権限は、相続財産の保存・利用・改良行為に限られます。
3【公告】
相続財産管理人が選出されると、次は「公告」が以下の要領で行われます。
(1)相続財産管理人選任の公告
→これは家庭裁判所が行います(最低2ヶ月間)
(2)相続債権者および受遺者への公告
→これは相続財産管理人が行います(最低2ヶ月間)
(3)相続人の捜索の公告
→これは家庭裁判所が行います(最低6ヶ月間)
ここまでの手続きが終了すると、相続人の不存在が確定します。
公告というのは、公に告知することです。
わかりやすく噛み砕いて言うと、公に向けた「相続財産管理人が選任されましたよ~」「相続人いませんか~?」というお知らせです。
つまり、そのような公告を経て「相続人が1人もいない」という事実が確定します。
ちなみにここまで、つまり、相続人不存在が確定するまでに、被相続人の死亡から、最低でも10ヶ月はかかります。
4【特別縁故者の申し立て】
相続人の不存在が確定すると、そこから今度は「特別縁故者への財産分与申し立て期間」になります。
その期間は、相続人の不存在が確定してから3ヶ月間です。
被相続人と特別の縁故があった者は、この期間中に、財産の分与を家庭裁判所に請求することができます。
わかりやすく噛み砕いて言うと、この期間中に特別縁故者は「相続人がいないなら私にその財産ちょーだい!」と、家庭裁判所に請求できます。
そして、特別縁故者が存在し、家庭裁判所への財産の分与の請求があり、特別縁故者への財産分与が認められたとき、その財産は特別縁故者へ分与されます。
5【特別縁故者がいなかった場合/特別縁故者がいたが財産分与の請求がなかった場合/特別縁故者への財産分与が認められなかった場合】
ここまで至ってようやく、被相続人(死亡した共有者)の持分が他の共有者へ帰属します。
したがいまして、共有者の1人が死亡し、その持分が他の共有者へと帰属するまで、少なく見積もっても1年ちょっとかかるということです。
なお、共有者もいなかった場合はどうなるのか?ですが、その場合、相続財産は国庫に帰属します(国の物になるということ)。
というわけで、今回は以上になります。
宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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・共有物の持分放棄・持分譲渡の基本
・持分放棄後に持分譲渡?
・共有者が死亡した場合
・相続人なく共有者が死亡してからその持分が他の共有者に帰属するまで
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今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。

共有物の持分放棄・持分譲渡
共有物の持分は放棄することができます。
共有物の持分を放棄するとは、共有物の持分権を手放して、その共有物の共有者ではなくなることです。
これが共有物の持分放棄です。
では、共有物の持分放棄をすると、放棄された持分権はどうなるのでしょうか?
民法の規定はこちらです。
(持分の放棄及び共有者の死亡)
民法255条
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
上記、民法255条の規定により、共有者の1人が持分放棄をすると、その持分は他の共有者に帰属します。
他の共有者に帰属するとは、他の共有者の持分に加わるという意味です。
それでは、ここからは事例とともに解説して参ります。
事例1
AとBとCは、甲不動産を共有している。各自の持分は3分の1ずつである。その後、Cはその持分を放棄した。
これは、AとBとCの持分は3分の1ずつで、Cが持分放棄をした、という事例です。
共有者の1人が持分放棄をすると、その持分は他の共有者に帰属します。
つまり、Cの放棄した持分はAとBに帰属します。
このとき、放棄された持分が他の共有者に帰属する割合は、人数で割るわけではなく、他の共有者が元々持っている持分の割合に応じて決定します。
すると、AとBの持分の割合は3分の1ずつで一緒です。
ですので、Cの放棄した持分は等分にAとBに分かれて帰属します(事例1はAとBの持分割合が一緒なので、結果的には人数で割るのと同じになる) 。
A持分 B持分 C持分
3分の1 3分の1 3分の1
[C持分放棄]
AとBの持分割合に応じてAとBに帰属
↓
C持分
3分の1÷2=6分の1→Aに帰属
→Bに帰属
結果
↓
A持分
3分の1+6分の1
B持分
3分の1+6分の1
↓
A持分 B持分
2分の1 2分の1
したがいまして、放棄されたCの持分はAとBの持分に加わり、その結果、甲不動産はAとBが持分半分ずつでの共有になります。
続いて、次のようなケースではどうなるでしょう?
事例2
AとBとCは、甲不動産を共有している。各持分は、Aが6分の1、Bが6分の2、Cが6分の3である。その後、Cがその持分を放棄した。
この事例2も、ABCの三者共有となっていますが、各持分が違っています。
さて、Cが持分放棄したことにより、その持分6分の3はAとBに帰属することになりますが、その割合はどうなるのでしょうか?
甲不動産の持分は、Aが6分の1、Bが6分の2です。ですので、その比率は1対2になります。
ということは、C持分6分の3がその比率に応じて、Aに3分の1、Bに3分の2、と分かれて帰属します。
A持分 B持分 C持分
6分の1 6分の2 6分の3
[C持分6分の3放棄]
AとBへその持分割合(比率)に応じて帰属
↓
Aに帰属する持分
6分の3×3分の1=18分の3
Bに帰属する持分
6分の3×3分の2=18分の6
したがいまして、Cの持分放棄により、Aの持分とBの持分は次のようになります。
Aの持分
6分の1(元々の持分)+18分の3=18分の6
Bの持分
6分の2(元々の持分)+18分の6=18分の12
ということは
Aの持分は18分の6=3分の1
Bの持分は18分の12=3分の2
となる。
持分放棄後に持分譲渡
共有者の各持分は放棄することができますが、譲渡することもできます。
事例3
AとBとCは、甲不動産を共有している。各自の持分は3分の1ずつである。その後、Cはその持分を放棄した。さらにCは、その放棄した持分をDに譲渡し、その旨の登記をした。
さて、この事例3で、Dは譲渡された持分を取得することができるでしょうか?
結論。
登記を備えたDは、譲渡された持分権を取得します。
したがいまして、甲不動産はABDの共有になり、Cの持分がABに帰属することはありません。
Dが登記をしていなかったら?
登記のないDは、譲渡された持分を取得することはできません。
したがって、Dが登記をしなければ、Cの持分はAとBに帰属することになり、Dが甲不動産の共有者になることはありません。

ここでひとつ注意点です。
相続放棄した者が、相続放棄後に、相続した不動産を譲渡した場合は、結果は全く違います。
相続放棄の効果は絶対なので、相続放棄後に相続財産を譲渡することは完全に不可能です。
譲受人が登記をしていようとそんなものは無効です。
この点は、(共有の)持分放棄と相続放棄でごっちゃにならないようご注意ください。
(相続放棄についての詳しい解説は「【共同相続と登記】遺産分割協議と相続人&相続放棄者の勝手な不動産譲渡問題/遺言による相続と登記をわかりやすく解説!」をご覧ください)
共有者の死亡
共有者が死亡すると、その持分は相続人に相続されます。
例えば、ABが甲不動産を共有していて、Bが死亡します。
そして、Bの相続人がCとDだった場合、Bの持分はCとDに相続されます。
その結果、甲不動産はA・C・Dの共有になります。
さて、では死亡した共有者に相続人がいなかった場合、どうなるのでしょうか?
その場合、死亡した共有者の特別縁故者に、その持分は相続されます(特別縁故者等、この辺りの問題は相続分野で改めて詳しく解説します)。
それでは、死亡した共有者に相続人がなく、特別縁故者もいなかった場合は、どうなるのでしょうか?
その場合、死亡した共有者の持分は他の共有者に帰属します。
そして、そうなった場合、共有者が持分放棄をしたケースと考え方はまったく一緒です。
事例4
AとBとCは、甲不動産を共有している。各持分は、Aが6分の1、Bが6分の2、Cが6分の3である。その後、Aが死亡した。なお、Aには相続人も特別縁故者もいない。
共有者が持分放棄をした場合と考え方が全く一緒ということは、この事例4のAが相続人なく死亡したケースは、Aが持分放棄をした場合と、考え方も結論も同じになるということです。
じゃあどうなるん?
死亡した共有者の持分は、他の共有者に、各自の持分割合(比率)に応じて帰属します。
Bの持分は6分の2、Cの持分は6分の3です。ということは、BCの持分割合の比率は2対3なので、死亡したAの持分6分の1は、Bに5分の2、Cに5分の3の割合で帰属することになります。
A持分6分の1
BCにその持分割合(比率)に応じて帰属
↓
Bに帰属する持分
6分の1×5分の2=30分の2
Cに帰属する持分
6分の1×5分の3=30分の3
したがいまして、Aが死亡して、Bの持分とCの持分は次のようになります。
Bの持分
6分の2(元々の持分)+30分の2
=30分の12
Cの持分
6分の3(元々の持分)+30分の3
=30分の18
ということは
Aの持分は30分の12=5分の2
Bの持分は30分の18=5分の3
となる。
相続人なく共有者が死亡してから
その持分が他の共有者に帰属するまで

共有者の1人が死亡すると、その持分は相続人に相続され、相続人がいないと、特別縁故者に相続され、特別縁故者もいない場合は、他の共有者に帰属します。
それでは、相続人なく共有者が死亡した場合の流れを簡単にご説明します。
1【相続財産の法人化】
まず、相続人が明らかでないときは、相続財産は法人になります。
相続人が明らかでないとは、相続人が誰なのかわからないとき、相続人がいるのかいないのかもわからないような場合です。
2【家庭裁判所による相続財産管理人の選出】
相続財産が法人になると、家庭裁判所が相続財産管理人を選出します。
相続財産管理人の権限は、相続財産の保存・利用・改良行為に限られます。
3【公告】
相続財産管理人が選出されると、次は「公告」が以下の要領で行われます。
(1)相続財産管理人選任の公告
→これは家庭裁判所が行います(最低2ヶ月間)
(2)相続債権者および受遺者への公告
→これは相続財産管理人が行います(最低2ヶ月間)
(3)相続人の捜索の公告
→これは家庭裁判所が行います(最低6ヶ月間)
ここまでの手続きが終了すると、相続人の不存在が確定します。
公告というのは、公に告知することです。
わかりやすく噛み砕いて言うと、公に向けた「相続財産管理人が選任されましたよ~」「相続人いませんか~?」というお知らせです。
つまり、そのような公告を経て「相続人が1人もいない」という事実が確定します。
ちなみにここまで、つまり、相続人不存在が確定するまでに、被相続人の死亡から、最低でも10ヶ月はかかります。
4【特別縁故者の申し立て】
相続人の不存在が確定すると、そこから今度は「特別縁故者への財産分与申し立て期間」になります。
その期間は、相続人の不存在が確定してから3ヶ月間です。
被相続人と特別の縁故があった者は、この期間中に、財産の分与を家庭裁判所に請求することができます。
わかりやすく噛み砕いて言うと、この期間中に特別縁故者は「相続人がいないなら私にその財産ちょーだい!」と、家庭裁判所に請求できます。
そして、特別縁故者が存在し、家庭裁判所への財産の分与の請求があり、特別縁故者への財産分与が認められたとき、その財産は特別縁故者へ分与されます。
5【特別縁故者がいなかった場合/特別縁故者がいたが財産分与の請求がなかった場合/特別縁故者への財産分与が認められなかった場合】
ここまで至ってようやく、被相続人(死亡した共有者)の持分が他の共有者へ帰属します。
したがいまして、共有者の1人が死亡し、その持分が他の共有者へと帰属するまで、少なく見積もっても1年ちょっとかかるということです。
なお、共有者もいなかった場合はどうなるのか?ですが、その場合、相続財産は国庫に帰属します(国の物になるということ)。
というわけで、今回は以上になります。
宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
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