【元付業者と客付業者】初学者向け!今さら聞けない不動産賃貸借契約の基本をわかりやすく解説!

【元付業者と客付業者】初学者向け!今さら聞けない不動産賃貸借契約の基本をわかりやすく解説!

▼この記事でわかること
不動産賃貸借契約の超基本
仲介する不動産業者には元付業者と客付業者がいる
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、初学者でもわかりやすく解説して参ります。
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不動産賃貸借の超基本


 住宅用にアパートやマンションや一軒家、あるいは事業用に事務所や店舗として賃貸物件を借りる場合、不動産業者の仲介のもと、貸主と賃貸借契約を結ぶことがほとんどです。

 さて、ここでまずひとつご注意していただきたいのが、賃貸借契約を結ぶのは基本的に、借主と貸主です。
 仲介した不動産業者は、借主と貸主の賃貸借契約を仲介するだけです。言ってみれば結婚する夫婦の仲人みたいなものです。

 賃貸借契約そのものは、あくまで借主と貸主が直接結ぶものです。(まれに代理人・代理業者が入る場合もある)
 皆さまが賃貸物件を借りるとき、皆さまと賃貸借契約を結ぶのは仲介する不動産業者ではなく、貸主(家主・大家・オーナー)です。
 ですので、賃貸借契約を結んで仲介手数料等の決済をし、物件の引渡しを受けて使用を開始した後は、仲介業者とは基本的に関わることはありません。
 関わるのは、その物件の管理会社や貸主・貸主側の不動産業者です。

 あれ?今住んでるアパートは仲介業者と関わり続けているけど?

 はい。それは、その物件の管理会社が直接仲介したケースか、貸主側の不動産業者が直接仲介したケースか、あるいは不動産業者が所有する物件を、その不動産業者と直接、賃貸借契約を結んだケース等になるかと思われます。


元付と客付


 元付・客付という言葉は、不動産業界に従事していた方や不動産に詳しい方などでないと、そこまで馴染みのない言葉かもしれません。
 しかし、この元付・客付というのは、賃貸でも売買でも、不動産について考えるときには避けて通れない基本中の基本になりますので、ここで簡単に解説しておきます。


仲介する不動産業者には元付業者と客付業者がいる

家くん
 まず初めに結論だけ申し上げておきます。

 元付業者とは、貸主(オーナー)側の不動産業者のことです。
 客付業者とは、借主側の不動産業者のことです。

 これだけでもお分かりになる方はお分かりになると思いますが、事例とともにもう少し詳しく、具体的に解説します。

事例
Aは賃貸物件を借りたいと考え、ネットで賃貸物件を調べて内見を申し込み、a不動産業者の案内のもと、B所有の甲アパートを内見した。甲アパートを気に入ったAは、a不動産業者から貰った申し込み用紙に必要事項を記入し、申し込みを入れた。数日後、申し込みが通ったAは「契約はこちらのb不動産業者の事務所でお願いします」との連絡と通知をa不動産業者から受けた。後日、Aはb不動産業者の事務所にて、B所有の甲アパートの賃貸借契約を結んだ。


 これは実際に私自身が客として経験し、かつ過去に仕事で賃貸物件の仲介をしたときにも経験した実例です。
 この事例で言うと、a不動産業者客付業者で、b不動産業者元付業者(である場合が多い)です。
 そして、甲アパートの賃貸借契約を結んでいるのはとBになります。

 借主(客)  契約  貸主(オーナー)
   A     ー     B
客付業者     仲介     元付業者
   a            b

 ちなみに、b不動産業者は甲アパートの管理会社という場合も多いでしょう。
 その場合、甲アパートの引渡しを受け、使用を開始した後に、甲アパートで起きた問題の問い合わせ先はb不動産業者になっていたりします。

 また、管理会社は管理会社でまた別の業者の場合もあります。
 分譲マンションなんかの場合は、管理組合があって、そこでお願いしている管理会社があったりします。
 さらに、管理会社は管理会社で、管理業務を他社に委託している場合もあります。
 ややこしいですよね(笑)。

 このように、複数の業者がひとつの物件に様々に関係しているという構造が、不動産というものを一般に分かりづらくしている原因なのかもしれません。
 もちろん、大家と管理会社だけ、という極めてシンプルなケースもありますが。

 また、内見に行ったら2社の不動産業者の人間が来た、という経験がある方もいらっしゃるかと思いますが、それは客付業者と元付業者の両方の人間が来たケースです。
 その場合、名刺をくれた方が客付業者でしょう。

 また、さらに別に管理会社がいて、客付と元付と管理会社の三社の人間がわらわらと来る場合もあります(笑)。


 という訳で、今回は元付と客付について解説して参りました。
 後半、管理会社の話も出てきて訳が分からなくなってしまった方もいらっしゃるかもしれません。
 とりあえず、ここで覚えておいていただきたいのは、客付借主側元付貸主側の不動産業者ということです。
 ごくごく当たり前の部分ではありますが、まずはここをしっかり押さえてください。(ちなみに売買だと、買主側が客付、売主側が元付となります)

 最後までお読みいただきありがとうございます。
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