【共同不法行為】複数人で不法行為を行った場合の連帯責任と客観的共同関係とは

▼この記事でわかること
共同不法行為
共同不法行為の連帯責任は被害者を救済されやすくしている
客観的共同関係
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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共同不法行為

事例1
AとBは二人がかりでCをボコボコにし、AはCの左手を骨折させ、BはCの右足を骨折させた。

 いきなり往年のヤンキー漫画を彷彿とさせるようなガラの悪い事例で申し訳ございません(笑)。
 さて、この事例1でのAとBの暴行は不法行為です。よって、被害者のCは、加害者のAとBに損害賠償の請求ができます。
 では、被害者Cはどのように損害賠償の請求をすればよいのでしょうか?
 左手の骨折に関してはA、右足の骨折に関してはB、といった形になるのでしょうか?
 結論。被害者Cは、加害者のAとB、どちらに対しても損害の全部について損害賠償の請求ができます。
 根拠となる条文がこちらです。

(共同不法行為者の責任)
民法719条
数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。

 AとBの二人がかりのCへの暴行は、民法719条の共同不法行為になります。
 よって、共同不法行為の加害者(事例1のAとB)は連帯責任を負います。
 そして、この共同不法行為の加害者が連帯責任によって負う債務は、不真正連帯債務です。(不真正連帯債務については、別途、連帯債務についての解説の中で詳しく解説しています)
 これはどういう意味かと言いますと、損害の全てを全額賠償しないかぎりは、共同不法行為を働いたいずれの加害者の損害賠償債務も消えないという意味です。
 つまり、加害者Aが左手の骨折に関しての損害を被害者Cに賠償したからといって、加害者Aの損害賠償の債務がなくなる訳ではない、ということです。被害者Cが受けた損害の全てをきっちり賠償しないかぎり、加害者のAとBの損害賠償債務はなくならないのです。

共同不法行為の連帯責任は被害者を救済されやすくしている
OKナース
 事例1の被害者Cは、加害者AとBどちらに対しても損害の全部の賠償請求ができます。
 なぜそのようになっているのか?それは、被害者を救済しやすくしているためです。
 事例1の被害者Cは左手と右足を骨折していますが、これが例えば、加害者Aと加害者Bのどちらがどうやってそうなったのかわからない場合もありますよね?さらには、暴行時にもみくちゃになって、加害者自身も誰がどうやってそうなったのかわかっていないことだってあり得ます。そのような場合に「この怪我はこの加害者」という具合に、被害者が損害のひとつひとつをそれぞれ立証しなければならないとなると、それはあまりに被害者にとって酷ですよね。
 したがって、共同不法行為においては、被害者は加害者ひとりひとりに全部の損害の賠償請求ができるのです。
 さらに、次のような場合にも、被害者Cは加害者AとBどちらに対しても損害賠償の請求ができます。

事例2
AとBは二人がかりでCをボコボコにし、Cは左手を骨折した。なお、AとBどちらがどうやってCの左手を骨折させたかは不明である。


 普通に考えれば、Cの左手の骨折という損害の賠償は、Aが骨折させたならA、Bが骨折させたならB、という具合に、実際にそこを骨折させた加害者が賠償するべきです。しかし、それだと、その細かい事実を立証しなければならなくなる被害者が酷になってしまいます。
 したがって、このような場合でも、被害者Cは、加害者AとBどちらに対しても損害賠償の請求ができます。

客観的共同関係

 そもそも、一体どこからどこまでを共同不法行為とするのでしょうか?
 判例では「A工場とB工場の両工場の廃液で被害者が公害病を引き起こした」というようなケースも、共同不法行為が成立し得るとしています。
 つまり、その不法行為を客観的に見て共同関係があれば、共同不法行為として認められる、ということです。
(不法行為についての詳しい解説は「不法行為~その基本と過失相殺と権利行使期間について」をご覧ください)


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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