不法行為~加害者が責任能力のある未成年なら損害賠償請求できる?

事例4
Aは中学三年生のBの過失により大怪我を負った。


 さて、この事例4で、AはBに不法行為責任を追及して、損害賠償の請求ができるでしょうか?
 結論。AはBに不法行為責任を追及して損害賠償の請求ができます。なぜなら、中学三年生のBには責任能力があるからです(責任能力についてはこちらの記事をご参照下さい)。責任能力のある中学三年生のBは、損害の賠償義務を負います。

中学生に損害を賠償できる資力(お金)があるのか?

 ここでひとつ問題があります。果たして、まだ中学三年生のBに損害を賠償できるだけの資力、つまりそれだけのお金があるのか?という問題です。もし、Bがお金持ちのお坊ちゃんで毎年お年玉で100万はもらっている、みたいな感じなら、たとえBが中学三年生でも損害を賠償できるだけの資力があるかもしれませんが、そんなの極めてマレですよね。すると、そんなマレなケース以外の場合、つまり通常のケースにおいては、被害者は困ってしまいます。そこで判例では
「被害者が親権者の監督義務違反とそれにより損害が生じたという一連の因果関係を立証すれば、被害者は親権者に対して損害賠償の請求ができる」
としています。
 親権者とは、通常は親のことです。監督義務とは、簡単に言うと「ちゃんと面倒みる義務」ということです。
 従いまして、事例4でAは、中学三年生のBの不法行為は、Bの親権者(通常は親)の監督義務違反(ちゃんと面倒みなかったこと)によって起こり、それが原因となってAは損害を被ったということを立証できれば、AはBの親権者に対しても損害賠償の請求ができます。

補足
 民法において、未成年は特別扱いされます。それは、未成年を保護するためです。ですので、一連の事案に未成年が絡んでくると厄介なのです。例えば、大人同士であればフツーに有効な契約も、未成年が相手だと無効になったりあるいは違法になったり。(未成年に関する問題は民法の学習においても重要で、それについてはこちらで詳しく解説しています)

 尚、事例4でAにも過失があれば、それは過失相殺として考慮され、損害賠償の金額に影響する可能性があります。
 ところで、成人である大人が未成年の子供に不法行為をしてしまった場合、被害者側の、つまり、未成年側の過失は考慮されるのでしょうか?この問題については「過失相殺と被害者の弁識能力」で解説しています。
関連記事

コメント

非公開コメント

カテゴリ

サイト運営者

根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
東京都行政書士会所属
根本総合行政書士です。
宜しくお願いします。

保有資格:
行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

スポンサーリンク

QRコード

QR

お問い合わせ

名前:
メール:
件名:
本文: