【根抵当権の減額請求&消滅請求】根抵当権減額請求の要件/根抵当権消滅請求できる一定の者とは?

▼この記事でわかること
根抵当権減額請求の超基本
減額請求するための要件
根抵当権消滅請求の超基本
根抵当権消滅請求ができる「一定の者」とは
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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根抵当権減額請求

 根抵当権減額請求は、根抵当権設定者の負担を軽減するための制度です。
 例えば、極度額が金3000万円の根抵当権が、金2000万円で確定した場合、もう新たな被担保債権が発生することはないですよね。そこで、この極度額の減額の請求を可能とし、設定者の負担を軽くするための制度を設けたという訳です。
 なお、共同根抵当権については、その複数の抵当不動産のうちの1個の不動産について請求すれば足りるとしています。(民法398条の21第2項)

根抵当権減額請求するための要件

・元本確定後に限る
 これは当然ですよね。取引継続中にできる話ではありません。

・根抵当権設定者が請求する
 債務者からの請求は認められません。債務者は担保負担者ではないからです。
 減額請求できるのは、あくまで担保負担者である設定者です。
 ただし、設定者と債務者が同じであれば可能です。
 この点はご注意ください。

根抵当権消滅請求

 元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときに、一定の者が、その極度額に相当する金額を払い渡しまたは供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができます。(民法398条の22第1項)
 これを、根抵当権消滅請求と言います。
 この場合、その払い渡しまたは供託は、弁済の効力を生じます。

 ところで、この根抵当権消滅請求という制度は、実は根抵当権者にとっては非常にありがたい制度です。
 というのも、我が日本国の競売制度は、時間と金がかかります。そして、手続が順調に進んだとしても、根抵当権者が優先弁済を受けられる範囲は極度額に限定されます。
 くわえて、競売手続の進行により、根抵当権は例外なく、裁判所書記官の嘱託により抹消されてしまいます。
 つまり、苦労して競売しても、いずれ根抵当権は消滅するのです。
 それを、一定の者の側から「極度額を今すぐ支払います」と言ってくれれば、たいがいそれは根抵当権者にはありがたい話と言えるのです。

「一定の者」とは

 根抵当権消滅請求ができる一定の者とは、以下になります。 

・物上保証人
・第三者得者
・地上権、永小作権、対抗力ある賃借権を取得した者

 対象となる抵当不動産についての上記の者が、根抵当権消滅請求をすることができます。
 また、上記の「対抗力ある賃借権」には、借地借家法の対抗要件を取得した賃借権者も含みます。(登記ある賃借権に限らないということ)
 なお、共同根抵当権については、1個の抵当不動産について消滅請求があったときに、根抵当権が消滅します。

補足:誰が根抵当権消滅請求できないか

 まず、債務者は根抵当権消滅請求することができません。
 債務者は、極度額を超える債務を負担している張本人です。なので、その全額を支払わなければ本旨弁済をしたとはいえません。
 債務者が根抵当権消滅請求をするためには、その全額を支払わなければならないのです。極度額だけで消せというのは何とも厚かましいというもんです。
 したがいまして、債務者兼設定者も、根抵当権消滅請求をすることはできません。
 次に、保証人も根抵当権消滅請求することができません。
 その理由は債務者と同じです。くわえて、保証債務は無限責任でもあります。
 その他、停止条件付第三取得者は、その停止条件の成否が未定である間は、根抵当権消滅請求することができません。


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
関連記事

【根抵当権の元本確定】考え方の基本/確定期日と確定請求/ 1・2・3・4号確定ってなに?

▼この記事でわかること
根抵当権の元本確定についての考え方
確定期日を定めた場合
確定請求の場合
1・2・3・4号確定
3号確定と4号確定の問題
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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根抵当権の元本確定

 ますはじめに、根抵当権の元本確定についての基本的な考え方は、根抵当権者の利益の保護ということにあります。
 どういうことかといいますと、例えば、銀行取引が債権の範囲である場合、銀行が、根抵当権により担保されるものと思って債務者に融資したところ実はすでに元本の確定事由が発生していた、というような場合には、この貸付金が無担保債権になってしまうからです。
 つまり、銀行に不測の損害を与える可能性があるからです。
 そこで、この可能性をいかに防止するかという点を考慮されます。
 それでは、元本確定について、わかりやすくパターン毎に解説して参ります。

元本確定期日を定めた場合

 この場合、その期日をもって元本確定します。
 そして、元本確定期日の登記をしていなくても合意の効力は生じます。
 また、元本確定期日の変更は可能です。(民法398条の6 1項)
 なお、元本確定期日は、その設定または変更の時から5年以内の範囲で定めなければなりません。(民法398条の6 3項)
 ちなみに、元本確定期日の変更は、その変更前の期日より前に登記しなければ、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定します。(民法398条の6 4項)
 つまり、令和3年12月22日が確定期日として登記されている場合、同年同月21日までにその変更の登記をしない限りは、たとえ当事者間で期日を延長する合意をしていたとしても、根抵当権は令和3年12月22日をもって確定します。

元本確定請求の場合

・設定者の元本確定請求
 確定期日の定めのない場合、設定から3年を経過すると、設定者は元本確定請求をすることができます。(民法398条の19 1項)
 これは、長期にわたる設定者の担保負担を防止する仕組みです。
 請求すると「その請求から2週間の経過」をもって確定します。(民法398条の19 1項)
 2週間の期間を置いてから確定する理由ですが、根抵当権者の不測の損害を防ぐためです。

・根抵当権者の元本確定請求
 確定期日の期日の定めのない場合、根抵当権者は、いつでも元本確定請求をすることができます。(民法398条の19 2項)
 これは、銀行が取引先を見放したケースです。根抵当権者の「請求の時」に確定します。(民法398条の19 2項)
 なぜ、この場合は「2週間の経過」という期間がないのかというと、銀行(根抵当権者側)が確定請求したので、銀行に不測の損害があるわけないですよね。なので、2週間の経過を待たず「請求の時」に確定するのです。
 なお、このケースでは、根抵当権者は元本確定登記を単独申請できます。
 通常は、根抵当権の元本確定登記は、根抵当権者を義務者、設定者を権利者として登記します。しかし、根抵当権者による確定請求の場合は、そもそも設定者は夜逃げしているかもしれません。
 したがって、このケースでは、例外的に根抵当権者は元本確定登記を単独申請できるとしているのです。

民法398条の20の確定事由

【1号確定】
 これは、根抵当権者が抵当権不動産につき、競売もしくは担保不動産収益執行または物上代位による差押えを申し立てたケースです。
 この場合、申立て時に確定します。
 ただし、これは、競売手続、担保不動産収益執行が開始しまたは差押えがあったときに限ります。
 なお、このパターンは根抵当権者が自ら競売等を申し立てた事例です。つまり、根抵当権に不測の損害はありません。
 したがって、申立て時に即座に確定します。

【2号確定】
 これは、根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押えをしたケースです。
 この場合、差押えの時に確定します。
 ちなみに、このケースでの滞納処分とは、相続税や固定資産税の滞納のことです。
 そして、このケースも1号確定と同様根抵当権者自らの差押えですが、2号確定では、債権者が国または地方公共団体になります。

【3号確定】
 これは、根抵当権者が、抵当不動産に対する競売手続の開始または滞納処分による差押えがあったことを知ったときの確定です。
 この場合、根抵当権者がその事実を知ってから2週間の経過で確定します。
 この3号確定パターンは、例えば、1番抵当権者が競売の申立てをして、その手続の開始を2番根抵当権者が知ったケースです。
 この場合、2番根抵当権は、根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始等を知った時から2週間を経過した時に確定します。
 この2週間という期間も、いきなり確定すると根抵当権者に不測の損害が生じる可能性があるためです。

【4号確定】
 これは、債務者または根抵当権設定者が、破産手続開始の決定を受けたときの確定です。
 この場合、開始決定の時に確定します。
 このケースは破産事件に進行するので、破産債権を打ち止めにする趣旨です。

3号確定と4号確定の問題
女性講師
 この2つの確定の場合、根抵当権者の関与がないままに根抵当権が元本確定してしまいます。
 そのため、これらの手続が滞ったときに、逆転ホームランで、根抵当権が元本確定しなかったものとみなされるケースが生じます。

・3号確定の場合
 競売手続開始または差押えの効力が消滅したときです。
 例えば、先の例(1番抵当権者が競売の申立てをして、その手続の開始を2番根抵当権者が知ったケース)で、1番抵当権者が申立てを取り下げた場合です。

・4号確定
 破産手続開始の効力が消滅したときです。
 ただし、ここで、さらに逆転ホームランを打たれる可能性もあります。
 というのは、根抵当権が確定したものとして、これを取得した第三者が現れた場合、その第三者の利益のために、やはり根抵当権の元本は確定となります。
 ちなみに、このケースでの「第三者」とは、整理回収機構のようなものと考えてください。もっとわかりやすく言えば、銀行の根抵当権の被担保債権を、不良債権処理のために買った人です。
 なお、この場合、根抵当権の元本が確定していれば、根抵当権は抵当権と化して、債権とともに第三者(整理回収機構)に移転します。
 しかし、元本が確定していないとみなされてしまえば、枠(確定前根抵当権)はピクリとも動かず銀行のものです。それでは困るので、再度の逆転ホームランがあるのです。
 なお、そのケースで、銀行(根抵当権者)は根抵当権の元本確定の登記を単独申請することができます。

【補足】
 1号確定か3号確定かがわかづらいものもあります。
 以下に2つのケースを挙げます。

・根抵当権についての転抵当権者が競売等を申し立てたケース
 この場合、根抵当権者は競売等を申し立てていません。
 申立てをしたのは、根抵当権の転抵当権者であり根抵当権者自身ではありません。 
 したがいまして、これは3号確定のケースとなります。

・共有根抵当権について共有者の一方が競売等を申し立てたケース
 この場合は、根抵当権者が競売等を申し立てています。
 したがいまして、これは1号確定のケースです。
 そして、申立てをした者以外の根抵当権の共有者がこれを知らなくても、根抵当権の元本は確定します。(共有根抵当について詳しい解説は「共同根抵当権と共有根抵当権~」をご覧ください)


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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2021年12月期(令和3年12月)宅建試験解答速報

2021年度12月期(令和3年12月)宅地建物取引士試験の解答速報です。※

【必須受験問題】
問01 4
問02 3
問03 2
問04 4
問05 3
問06 1
問07 4
問08 2
問09 3
問10 1
問11 3
問12 2
問13 2
問14 2
問15 4
問16 3
問17 3
問18 2
問19 1
問20 1
問21 4
問22 1
問23 2
問24 1
問25 2
問26 3
問27 4
問28 1
問29 3
問30 3
問31 2
問32 1
問33 2
問34 1
問35 4
問36 4
問37 2
問38 3
問39 3
問40 2
問41 1
問42 3
問43 1
問44 3
問45 4

【5問免除問題】
問46 1
問47 4
問48 4
問49 2
問50 4

※試験機関が提供しているものではないので、合格基準点・合否について保証するものではありません。あくまで自己採点の目安としてご覧くださいませ。
ご質問等も受けかねますので、あらかじめご了承ください。
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【宅建試験本番の心得】時間配分の重要性と消しゴムの注意点?勘の働かせ方?勘と当てずっぽうは違う!

試験応援
 いよいよ宅建試験開始!
 時間は2時間。問題数は50問。
 泣いても笑っても、今までの努力の成果と、それに伴う結果が出る時です。
 さて、宅建試験本番、気をつけないといけないことは、どんなことがあるでしょうか?
 私自身の経験も踏まえ、他ではあまり聞かれない事も記して参ります。

時間配分の重要性

 これは本当に気をつけてください!
 ここで失敗してしまうと、そもそも全問解答できずに終わってしまいます!
 宅建試験は2時間50問なので、単純計算して、1問平均解答時間2分24秒といったところ。
 もちろん、実際は問題によって結構ブレます。
 民法では3分以上かかってしまうこともありますし、正解肢は何個あるかを問われる「個数問題」は、イヤでも時間を割かれます。
 逆に、業法などでは、ほんの数秒で解けてしまう問題もあります。
 ですので、1問の解答時間は何分以下、というのは一概には言えません。
 ただ、目安としてはざっくり

民法&個数問題→3〜3分30秒
上記以外→2分以内


といった感じでしょうか。
 もちろん、これも実際にはブレます。
 大事なのは、解ける問題を確実に解き解けない問題はバシッと捨てることです。
 逆に、やってはいけないのが、解けない問題に時間を割かれ、時間がなくなり、解ける問題を焦って取りこぼすことです。
 これは絶対に避けねばなりません。
 そういった事態を避けるために、模試を受けたり、本番形式で予想問題を解いたりするなどによって「体で」身に付けてください。
 繰り返しますが、頭ではなく「体で」です。
 私は、試験日本番一週間前あたりからは、知識を入れたり覚えたりすることよりも、そういったこと、すなわち本番形式のトレーニングを中心にやりました。
 これは「実力の向上よりも持っている実力を本番で確実に発揮するための努力」です。
 野球のピッチャーで例えるなら、どんなに球速が上がろうが新しい変化球を覚えようが、試合でコントロールが効かなければ意味がないのです。
 大事なのは、試合でしっかりバッターを打ち取る事です。
 繰り返しますが、解ける問題を確実に解き解けない問題はバシッと捨てる!です。
 そこはしっかり割り切って行ってください。
 その加減や判断力は、模試や本番形式で予想問題集を解くといったトレーニングで身に付けます。
 なお、本番形式のトレーニングは、本番と同じように行ってください。でないと意味がありません。
 ただなんとなくやるのではなく、やみくもにやるのでもなく、全ての努力「合格するための手段」でなくてはなりません。
 全ての勉強に意味を持って行ってください。
 なぜなら、時間は限られているからです!

できるだけ消しゴムを使わず一発でスパッと解答する
消しゴム
 これは、他ではあまり聞かれない助言ではないでしょうか。
 私はこのことを、試験前から考え気をつけていました。
 なぜ、こんなことに気をつけていたかといいますと、本番で時間が限られている中、焦って消しゴムで消そうとしてしまい、逆に黒い部分が広がってしまったり他の問題の回答まで消してしまったり...といった事態を懸念したからです。
 そして、実は私の知人でまさしくこれをやらかして、本来は十分合格点が取れていたはずなのに見事に失敗してしまった、という事例があります。
 あまり受験生の不安を煽るような事を申し上げたくはありませんが、実際に起こった事例でもありますので、是非これから受験される方々も、十分にお気をつけください。

【補足】

 先述の時間配分についてですが、本番形式のトレーニングの中で、色々試してみてもいいと思います。
 例えば、業法から解いてみるとか。宅建試験の設問自体は民法から始まりますが、宅建試験は業法でどれだけ点数が稼げるかが、合格するための重要なポイントになります。
 逆に、業法で大きく取りこぼしてしまうと、合格はかなり厳しくなります。
 また、いわゆる「捨て問」についてですが、特に民法では、この判断がかなり重要になります。
 私は現在、行政書士ですが、行政書士試験を受けるにあたっては、司法書士試験と公務員試験の民法のテキストを使用しました。
 あ?それがどうした?
 すいません(笑)。
 何が言いたいかというと、そんな私でも、宅建試験の民法の中で解けない問題というのは確実に存在する、ということです。
 したがって、こりゃ難問だ、と思ったら早々に捨ててしまってください。
 何なら、難問が来た際は選択肢は全部3を選ぶ!と、あらかじめ決めておいてもイイかもしれません(笑)。

宅建試験の勘の働かせ方

 さて、いよいよ宅建試験本番。
 あとは、ただひたすら問題を解くだけ。
 しかし、わからない問題が出てきたとき、一体どうすればいいのか?
 四択から二択まで絞れたが、そこからがわからない!
 どうすればいい?
試験中悩む女子高生
 というわけで、ここからは、私の持論「迷ったときの勘の働かせ方」について記します。

 まず、最初に申し上げたいことがございます。
 それは、勘と当てずっぽうは違うということです。
 はぁ?てなりますよね(笑)。
 はい。今から詳しくご説明いたします。

より合理的な勘の働かせ方
勘で解くにも少しでも正解率上げた方がよくね?


 これは、ある程度勉強してきた方々は、皆さんご存知なところだと思いますが、選択肢の正誤の判断をするとき、曖昧な表現の肢ほど正しいことが多く断定的な表現の肢ほど誤っていることが多い傾向があります。
 実は、これには、法律というものの性質から来る合理的な根拠があります。
 どういう事かといいますと、現実に実際に法律を運用していくと、世の中には様々な人がいて様々な事が起こり、その結果、様々な事例が存在することがわかります。
 つまり、似たような事例でも、必ずしも同じ法律で一概にこれだと言えないような事も起こってしまうのです。
 その結果、何が起こるかというと、同じ法律を当てはめても事案毎に結論が変わってしまうのです。
 ですので、法律を説明するとき「〇〇の場合、AはBに請求できるときがある。ただし、〇〇の場合この限りでない」みたいな言い回しになりがちなのです。
 各選択肢の正誤の判断に迷ったとき、「曖昧な表現の肢ほど正しいことが多く断定的な表現の肢ほど誤っていることが多い」という基準で判断するのは、一定の合理的な根拠があるのです。
 ですので、この基準に従って勘で解くのも、一応の合理性があります。
 屁理屈ではないですよ(笑)。
 何となくこっち?にも、根拠があるのとないのとでは訳が違います。
 とにかく、私が一番申し上げたいのは、たとえ勘で解くにも少しでも正解率を上げた方がよくね?ということです。
 ちなみに、自慢じゃないですが、私はこの辺の勘の働かせ方は鋭いです(笑)。

 かつて、ID野球という言葉を生んだ、ノムさんこと野村克也氏もこう仰ってました。
「(理屈のある)山を張れ」

迷ったら原則に立ち返る
必勝女子
 宅建試験には、イヤラシイひっかけ問題が数多く存在しやがります。
 問題自体の意味さえよくわからないこともあります。
 そんな宅建試験ですが、どうしても解答に迷ったときは、原則に立ち返ってみてください。
 これは、民法なんかには特に言えるのですが、これはひっかけでこれはこうでこれはこうで...と考え込んでいくうちに訳が分からなくなることがあります。
 そういったときは、原則に立ち返ってシンプルに考えることをおススメします。
 つまり、応用ではなく基礎に立ち返るということです。
(かの坂本竜馬の非凡さのひとつに物事をシンプルに考える能力が優れていたことが挙げられています)
 そうして、原則・基礎に立ち返って解答してみてください。
 それでも分からなければ、原則・基礎に基づいて勘で解いてください。
 先述にもあるように、たとえ勘で解くにも少しでも正解率上げた方がよくね?です。
 そして、とっとと次の問題に進んでください。
 宅建試験は時間が限られていますから。
 それで間違えてしまったなら、それは、そんなイヤラシイ問題を作ったヤツの性格が悪いんだ!と割り切っちゃってください(笑)。
 繰り返しますが、時間は限られているのです。

 勘と当てずっぽうが違うこと、お分かりいただけましたでしょうか。
 当てずっぽうは完全に運任せですが、勘は違います。
 たとえ分からない問題でも、どうせなら、少しでも正解の可能性が高い解答の選択をしたいですよね。
 さて、今まで私がご説明申し上げてきたことは、私自身が過去に実践し、実際に結果を出してきた経験から導き出されたものです。
 ですが、全ての人に相応しいやり方かどうかは分かりません。全く別の意見を言う方もいるでしょう。
 ですので、あくまで、ひとつの参考としてお聞きいただければと存じます。


 という訳で、私なりの試験対策を、自身の過去の実践から具体的に申し上げました。
 これから受験される方にとって、私のアイディアや実例が、少しでもお役に立てるものであれば幸いです。
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【宅建試験対策】集中力を鍛える!試験当日前の準備とオモシロい集中力の鍛え方

素材107悩む
 私は、かつて宅建試験を迎えるにあたって、非常に気にしていた事がございます。
 それは、本番でしっかり集中できるか?です。
 今回は、集中力というものについて、私なりの考えを記して参ります。
 宅建試験を控えている方に、少しでもご参考いただければ幸いです。 

当たり前だけど難しい。
集中するということ


 宅建試験を受けるにあたり、テキストを読み込んで覚え、問題集を解いて理解を深め、いわゆるインプットとアウトプットを繰り返して学習を進めていきますよね。
 もちろん、私もそのようにやっておりました。
 しかし、私にはこんな疑問・懸念がございました。

そもそも必ずしも万全な状態で試験に臨めるのか?

 自信を持つこと、ポジティブな気持ちで臨むことはとても良いことです。
 しかし、危機管理・リスクマネジメントの観点から見ると、それだけでは物足りないと私は考えます。
 宅建試験を受けるにあたり、どんな脅威(リスク)があるのか?
 それを洗い出し、様々な状況を想定し、それらに対してしっかりと準備し、対策を講じた上で自信を持って臨む、これが本当の意味でのポジティブだと私は考えます。
 かつて、京セラの創業者もこんな事を言っていました。
「悲観的に計画し楽観的に実行する」
指差し男性
 なるほど。
 潜むリスク等をしっかり考えて準備した上で、いざ行動するときには自信を持って臨む、ということだね。

 あれ?集中力についての話は?
 はい。もう少々お待ちください(笑)。
 それでは、試験を受けるにあたり、潜在する脅威とは、一体どんなものがあるでしょう?

・寝坊する
・体調を崩す
・電車に乗り遅れる
・電車遅延
・筆記用具、時計などを忘れる
・試験中筆記用具を落っことす
・試験会場内がやたら暑いor寒い
・前後or左右の人がやたら落ち着きがない
・前後or左右の人の体臭がキツイ(笑)
...etc


 他にも「受験票を忘れる」「会場を間違える」といった、そもそも受験できないようなミスもあります。
 が、そこまでのものはさておいて、上記に挙げたものは、それぞれに対策はあります。
 ただ、実は私が今回申し上げたいのは、そういう細かい対策の話ではございません。
 ということで、ここでやっと、今回のテーマである集中力の話に戻ります。
 回りくどくて申し訳ございません(笑)。
 回りくどい男はキライよ!と女性陣にお叱りを受けそうです(笑)。

 話を戻すと、先述の潜在する様々な脅威のいずれにしても、共通して言えるのは、集中をそがれるということです。
 そして、集中をそがれ本来の実力が発揮できずあえなく惨敗、なんてマジで笑えません。
 そもそも、人間は意外なほど簡単に集中をそがれるものです。
「しっかり集中する」というのは、当たり前のことのように思えて、実は中々難しいことなんですよね。
 そこで、私はどんな状況でもしっかりと集中できるようになれるためのトレーニングを行いました。
 といっても、そこまで大層なものでもないのですが(笑)。
 
集中する癖をつける
集中
 私が行ったことは、様々な状況で勉強することです。
 具体的にご説明申し上げると、以下です。

・マックなどに行って席が狭かったり周りがうるさい中でもしっかり集中して勉強する
・混んでいる電車内で立っている状況でもしっかり集中して勉強する
・朝のホームで眠たい目をこすりながら電車を待っている状況で民法の問題を解く

※周りに迷惑をかけず安全に行うことが前提

 こんな感じです。
 マジで大層なことではないですね(笑)。
 しかし、今回ご説明申し上げた内容の意味を持って行うと、その効果は中々のもんです。
 実際、私はこの訓練によって集中力を鍛えられましたし、集中しようと思ったときに集中する癖がつきました。
 これは後々に、より難易度の高い行政書士試験を受ける時、さらには仕事にも日常にも、非常にプラス効果がありました。
 また、日常で、より時間を有効的に使えるようにもなりました。
 ですので、カフェや電車で勉強しようとするときに、周りがうるさかったり近くにウザイ人がいるような場合は
「いかなる状況にも負けない集中力を鍛えるチャンスだ!」
と思って、ありがたく受け止めてください(笑)。
 他の記事で、私は、全ての勉強を意味を持って行ってください、と申し上げました。
 その意味が、今回の内容からもおわかりになるのではないでしょうか。

 時間は有限です。
 少年老いやすく学成り難し。
 限られた時間を、意味を持って、有効に使いましょう。 

 以上になります。
 宅建受験者の方の、良き結果を、心よりお祈り申し上げます。
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【根抵当権者または債務者の死亡・合併・分割】そのとき根抵当権はどうなる?

▼この記事でわかること
債務者が死亡した場合
債務者(法人)の合併
根抵当権者(法人)の合併
会社分割の場合
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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根抵当権者、債務者の死亡・合併・分割
債務者の死亡

 根抵当権者の債務者が死亡すると、その根抵当権はどうなるのでしょうか?

事例1
ZはAのために根抵当権を設定した(根抵当権はA、設定者はZ)。この根抵当権の債務者はBである。その後、Bは死亡した。


 この場合、原則として、根抵当権は確定します。
 その理由は、個人が死亡した場合、根抵当権者がその相続人と継続して取引を行うとは限らないからです。
 これは当然ですよね。
 八百屋の親父さんが死んで、跡を継ぐ気のないサラリーマンの息子が、相続人として親父さんの取引を継続することは考えにくいです。
 しかし、場合によっては、関係当事者が取引の継続を願い、根抵当権の確定を好まないケースもあります。
 これも当然ありますよね。
 亡くなった八百屋の親父さんの跡を息子が脱サラして継ぐケースもありましょう。
 そのため、民法は、根抵当権者と設定者の間で合意により定めた相続人が、相続の開始後に負担する債務を担保するという仕組みを用意しました。
 つまり、事例1で、債務者Bの相続人である跡取り息子を、根抵当権者Aと設定者Zの間で、合意により定めていれば、債務者Bが死亡しても、根抵当権の継続使用が可能となります。
 なお、この合意は、相続開始から6か月以内に登記をしなければなりません。合意だけではダメです。
 もし、登記をしなかった場合は、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなされます。(民法398条の8第4項)
 なので、仮に6か月経過後に合意の登記をしても却下になります。なぜなら、相続開始の時に根抵当権はすでに確定しているからです。いったん確定してしまった根抵当権を、確定前の状態に戻すことはできません。

合意の登記をして取引を継続した場合に担保する債権

 合意の登記をすれば、債務者Bの死亡後も、根抵当権の取引を継続できることはわかりました。
 そして、合意の登記をした場合、根抵当権は以下の債権を担保します。

・相続開始の時に存する債務(被相続人=死亡した債務者Bの債務)
・合意による債務者(Bの跡取り息子)が、相続開始後に負担する債務

死亡した債務者Bの債務についての債権=x
跡取り息子の相続開始後の債務=y
x + y =合意の登記した根抵当権が担保する債権

債務者が法人の場合
ビル 会社
事例2
ZはAのために根抵当権を設定した(根抵当権はA、設定者はZ)。この根抵当権の債務者は(株)Bである。その後、(株)Bが(株)Cに吸収合併された。


 さて、この事例2の場合、根抵当権はどうなるでしょうか?
 結論。この場合、根抵当権は原則として確定しません。
 その理由は、会社が合併した場合、合併による存続会社と継続して取引を行うことが普通だからです。
 このケースでは、根抵当権は、つぎの債務を担保します。(民法398条の9第2項)

・合併の時に存する債務(株式会社Bの債務)
・合併後存続する債務者(株式会社C)が合併後に負担する債務

合併の時に存する債務(株式会社Bの債務)=x
合併後存続する債務者(株式会社C)が合併後に負担する債務=y
x+ y =根抵当権が担保する債務

 しかし、場合によっては、設定者Zが、取引の継続を嫌い、根抵当権の確定を望むケースもあります。(株)Bには義理があったが(株)Cの経営陣には義理がない、というようなケースです。
 そのため、民法は、設定者からの「元本確定の請求」という制度を用意しました。
 つまり、元本を確定させ「合併後存続する債務者=(株)Cが合併後に負担する債務」についての負担を免れさせる道もある、ということです。
 ただ、これはあくまでも、担保の負担をする設定者の利益のための制度です。なので、債務者からの確定請求という仕組みは存在しません。
 なお、元本確定の請求は、設定者が以下の期間内にすれば、根抵当権の元本は「合併の時」に確定したものとみなされます。
・根抵当権設定者が合併のあったことを知った日から週間以内
合併の日から1か月以内
 上記のうち、どちらかの期間を過ぎてしまうと、設定者は、債務者の合併を理由とする「元本確定の請求」ができなくなってしまいます。

根抵当権者の合併

 こちらも、基本的は考え方は債務者合併のケースと同様です。(民法398の9第1項・4項・5項)
 以下に、簡潔に解説をまとめます。

・原則として元本は確定しない。
・しかし、設定者が合併後の根抵当権者に義理がないことがある。
・なので、設定者が元本確定の請求をすることができる。
・設定者が、次の期間内に確定請求をすれば、元本は「合併の時」に確定する。
・根抵当権設定者が合併のあったことを知った日から2週間以内
・かつ、合併の日から1か月以内

 上記請求期間ですが、合併のあったことを知った日から2週間以内かつ合併後の日から1か月以内です。債務者死亡のケースよりも厳しくなっています。
 なお、この根抵当権者合併のケースでの考え方は、設定者が債務者を兼ねるケースでも該当します。合併したのは根抵当権者なので、設定者が合併による存続会社には義理がないケースはありうるからです。

会社分割の場合

 会社分割とは、1つの会社を2つに割るケースです。
 この場合、
分割前→(株)B
分割後→(株)B・(株)C
となります。
 (株)Bが自社を2つに割り、これを設立した新会社または承継会社である(株)Cに包括承継する(まるまる受け継がせる)仕組みです。
 このケースは、民法398条の10に規定されてます。
 そして、基本的な流れは、合併のケースとまったく同様です。
 ただし、会社分割の場合、元本確定請求がない場合の根抵当権の担保する範囲が合併のケースと異なりますので、この点のみ簡単に解説します。

1、根抵当権者の(株)Aが(株)Dに分割するケースでの根抵当権の担保する範囲
・分割の時に存する債権(株式会社Aの債権)
・分割後に株式会社A・Dが取得する債権

2、債務者の(株)Bが(株)Cに分割するケースでの根抵当権の担保する範囲
・分割の時に存する債務(株式会社Bの債務)
・分割後に株式会社B・Cが負担する債務


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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【共同根抵当権と共有根抵当権】その特徴と違い/累積根抵当とは?わかりやすく解説

▼この記事でわかること
共同根抵当権の基本
共同根抵当権の設定後
累積根抵当とは
共有根抵当権の基本
共有根抵当権の元本確定前の譲渡
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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共同根抵当権

 根抵当権は、「どういう取引をした場合にいくらまで担保するか」という「」を設定します。
 つまり、根抵当権は、債権者債務者の間の一定の取引を前提にして担保の枠だけを決めておく抵当権です。
 その「枠」こそが、根抵当権のボスであり、その「枠」に出入りする不特定債権(枠の中で都度発生する債権)が部下です。
(こちら根抵当権の基本についての詳しい解説は「「【根抵当権】極度額の限度と債権の範囲」」をご覧ください)
 なので、根抵当権の場合、複数の不動産を共同担保にするという概念になじみません。
 抵当権であれば、特定の被担保債権を担保するための共同担保、と法律上当然に考えられます。
 しかし、根抵当権の場合には、基本的にはそれぞれの不動産に「別の枠」がのっているだけなのです。
 そこで、これらの根抵当権を「共同根抵当」として取り扱うためには、その設定と同時に「共同担保たる旨の登記」をしなければなりません。

(共同根抵当)
民法398条の16
第392条及び第393条の規定は、根抵当権については、その設定と同時に同一の債権の担保として数個の不動産につき根抵当権が設定された旨の登記をした場合に限り、適用する。
※民法392条→(共同抵当における代価の配当)
※民法393条→(共同抵当における代位の付記登記)

 したがいまして、その旨の登記をすれば、1つの「枠」が、共同で各不動産にのることになります。
 また、条文では「その設定と同時に」とあります。その意味は「根抵当権の設定と同時に」ということです。
 したがって、設定後の2つの根抵当権を「共同根抵当権」にすることはできません。同じ理屈で、いったん「共同根抵当権」と登記したものを、別個の根抵当権に分割することもできません。

 ちなみに、共同根抵当権を追加設定する場合、「根抵当権者」「極度額」「債務者」「債権の範囲」については、既存の根抵当権一字一句違ってはならないという厳格さが要求されます。
 一方、通常の抵当権の追加設定の場合、債務者の住所が既存の登記は引越し前、追加設定後は引越し後なんてことは実務上よくあり、不問に付されています。

共同根抵当権の設定後

 共同根抵当権は、「債務者」「債権の範囲」「極度額」の変更、そして、譲渡(分割譲渡を含む)もしくは一部譲渡は、その根抵当権が設定されているすべての不動産について登記をしなければ、その効力が生じません。(民法398条の17第1項)

 例えば、甲土地と乙土地に共同根抵当権が登記されていて、根抵当権者はA(楽器メーカー)、債務者はどちらもB(楽器店)だとします。
 このケースで、根抵当権者と設定者の間で債務者変更の合意がされて、甲土地についてのみ債務者をC(別の楽器店)とする変更登記をしたとします。
 その後、失念した乙土地の登記ををしない間に、元本が確定したらどうなるでしょう?
 この場合、民法398条の17第1項により、乙土地の債務者はBであるとみなされます。その結果、この共同根抵当権は、AB間に発生した債権において「確定」してしまいます。
 つまり、乙土地の債務者変更の登記をし忘れたことによって、AもBもCも設定者も意図しない事態が起こり、困ってしまうことがあり得るのです。
 このように、根抵当権の場合は、こまめに登記をしなければ、当時者の意図に反する結果となってしまうことがあるのです。
 あれ?そもそも根抵当権者と設定者の関知しないところで元本確定事由が発生することはありえるの?
 十分ありえます。その理由は、共同根抵当権の元本は、一個の不動産についてのみ発生すれば、民法398条の17第2項の規定によりすべての不動産について確定するからです。

ちょこっとコラム
女性講師
累積根抵当

 これは、共同根抵当と同様に、複数の不動産に同一の根抵当権者が根抵当権を有するケースです。
 しかし、累積根抵当は、共同根抵当とは異なる仕組みのものです。
 累積根抵当のケースでは、民法392条1項(共同抵当における代価の配当)の割り付けは行いません。
 
(累積根抵当)
民法398条の18
 数個の不動産につき根抵当権を有する者は、第三百九十八条の十六の場合を除き、各不動産の代価について、各極度額に至るまで優先権を行使することができる。


 つまり、累積根抵当のケースでは、各不動産に設定された根抵当権は「相互に別物」ということです。 
 したがって、各根抵当権の債務者が一緒で同時に競売となった場合でも、民法392条1項(共同抵当における代価の配当)の割付は行われません。それぞれ別個の競売案件ということです。
 また、債権の範囲、極度額なども同一である必要はまったくありません。1個の不動産に確定事由が生じても他には影響しません。これも「相互に別物」だからです。
 なお、A不動産(価格金3000万円)、B不動産(価格金3000万円)で、Zが根抵当権者という場合に、累積根抵当設定のケースと、共同根抵当のケースの違いは以下のようになります。

[累積根抵当]

 極度額  Z   極度額
 2000万円↙︎   ↘︎2000万円
    A   B
  2つの根抵当権は別物

[共同根抵当]

     Z
 極度額4000万円
   /\
  A  B
 1つの根抵当権

共有根抵当権

 こちらは[共同]ではなく共有根抵当権です。(共有についての詳しい解説は「【共有】持分権とは」をご覧ください)
 確定前の根抵当権の共有の性質は、含有であるとされています。
 含有と言われてもピンと来ないと思いますが、その意味は「持分が潜在化している(隠れている)」ということです。
 どういうことかと言いますと、確定前の共有根抵当権は、登記手続としては共有であるのに、持分の登記をしません。
 不動産登記法では、登記名義人が複数いる場合、原則として持分が登記事項になっていますので、これは共有根抵当権の大きな特徴と言えます。

 さて、では、その配当はどのように行われるのでしょうか?
 例えば、ABの2名による共有根抵当権の場合、その配当金の取り分はどうなるのか?
 この場合、ABはそれぞれの債権額に応じて弁済を受けることになります。(民法398条の14第1項本文)
 つまり、ABは「同順位」で弁済を受けます。
 ただし、元本の確定前に、これと異なる割合を定め、またはある者が他の者に先立って弁済を受けるべきことを定めたときは、その定めに従います。(民法398条の14第1項ただし書)
 この定めを「優先の定め」といい、これは登記事項となります。

【補足】優先の定め
「AはBに優先する」「A7、B3の割合」といった具合に登記をします。
 なお、優先の定めは「元本確定前に定めろ」との規定がありますが「元本確定前に登記しろ」とは定められておりません。

共有根抵当権の元本確定前の譲渡

 ABの2名の共有根抵当権で、Aがその権利を譲渡することは可能です。(民法398条の14第2項)
 この場合、設定者の承諾のほか、Bの同意も必要です。
 ただし、譲渡できるのは、全部譲渡のみです。
 一部譲渡、分割譲渡は、その後の法律関係がややこしくなるため認められていません。(法律関係がややこしくなるのは基本的に民法も裁判所も嫌う)
 一方、ABが共同根抵当の場合は、全部譲渡、一部譲渡、分割譲渡のすべてが可能です。


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。
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