賃貸借の基本~借地借家法は民法に優先する~特別法と一般法とは

 賃貸借とは、簡単に言うと利用料金が発生する物(動産・不動産)の貸し借りです。レンタルショップでCDを借りるのも賃貸借ですし、レンタカーを借りるのも賃貸借です。そして、不動産の貸し借りも賃貸借です。不動産の場合は特に不動産賃貸借と言います。
 ここで気をつけて頂きたいことがあります。お金の貸し借りは賃貸借にはなりません。お金の貸し借りは消費貸借(金銭消費貸借)になります。そして、利用料金が発生しない物の貸し借りも、賃貸借ではありません。不動産でも、タダで貸し借りをしていれば、それは賃貸借にはなりません。そのようなタダの物(動産・不動産)の貸し借りは使用貸借になります。この点はまずご注意下さい。

不動産賃貸借について考えるときは民法だけでは不十分

 それでは、ここから本格的に不動産賃貸借というものについて考えて参りたいと思いますが、まず最初に申し上げておきたいことがございます。民法における賃貸借についての規定は、それだけでは、不動産賃貸借の問題について考えるときにはあまり役に立ちません。なぜなら、不動産賃貸借については借地借家法という特別法が存在するからです。

借地借家法は民法に優先する

 民法は、私法(民間人(民間企業)同士についてのことを定めた法律の総称)における一般法(ベーシックな法律)です。つまり、民法は私人間(民間人・民間企業同士)のことを定めた法律の中のもっともベーシックな法律(すなわち一般法)ということです。しかし、特別法は一般法に優先します。ですので、同じ事柄について定めた規定で借地借家法と民法が異なる場合は、借地借家法が優先して適用されます。なので、不動産賃貸借について考えるときに、民法だけでは不十分なのです。
 従いまして、不動産賃貸借の問題につきましては、借地借家法を織り交ぜた実践的な解説をして参りたいと存じます。

補足・特別法と一般法

「特別法>一般法」という関係性は、何も不動産賃貸借における借地借家法に限ったことではありません。不動産売買において売主が宅建業者の場合は宅地建物取引業法(自ら売主制限など)が優先して適用されますし、建物の建築においては建築基準法が優先して適用されます。他にも、商行為(商売行為)に関しては商法が優先して適用されたり、より消費者保護に厚い消費者保護法があったり等々、色々ございます。この辺りの法律関係は、機会があれば、民法とはまた別に改めてご説明して参りたいと存じます。
 尚、特別法と一般法の規定が重なる場合は特別法が優先して適用されることはすでにご説明申し上げましたが、一般法の規定が特別法と重ならない場合は、一般法の規定が直接適用されます(民法の規定が借地借家法と重ならない場合は、民法の規定が直接適用されるということ)。念のため申し上げておきます。
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不動産賃貸借の基本 元付業者と客付業者

 住宅用にアパートやマンションや一軒家、あるいは事業用に事務所や店舗として賃貸物件を借りる場合、不動産業者の仲介のもと、貸主と賃貸借契約を結ぶことがほとんどだと思います。
 さて、ここでまずひとつご注意して頂きたいのが、賃貸借契約を結ぶのは基本的に借主と貸主です。仲介した不動産業者は、借主と貸主の賃貸借契約を仲介するだけです。言ってみれば結婚する夫婦の仲人みたいなものです(笑)。賃貸借契約そのものは、あくまで借主と貸主が直接結ぶものです(まれに代理人・代理業者が入る場合もある)。皆さまが賃貸物件を借りるとき、皆さまと賃貸借契約を結ぶのは仲介する不動産業者ではなく、貸主(家主・大家・オーナー)です。ですので、賃貸借契約を結んで仲介手数料等の決済をし、物件の引渡しを受けて使用を開始した後は、仲介業者とは基本的に関わることはありません。関わるのは、その物件の管理会社や貸主・貸主側の不動産業者です。
 あれ?今住んでるアパートは仲介業者と関わり続けているけど?
 はい。それは、その物件の管理会社が直接仲介したケースか、貸主側の不動産業者が直接仲介したケースか、あるいは不動産業者が所有する物件を、その不動産業者と直接、賃貸借契約を結んだケース等になるかと思われます。

元付と客付

 元付・客付という言葉は、不動産関係に従事していた方や不動産に詳しい方などでないと、そこまで馴染みのない言葉かもしれません。しかし、この元付・客付というのは、賃貸でも売買でも、不動産について考えるときには避けて通れない基本になると思いますので、ここで簡単にご説明しておきたいと存じます。

仲介する不動産業者には元付業者と客付業者がいる

 まず初めに結論だけ申し上げておきます。
 元付業者とは、貸主側の不動産業者のことです。
 客付業者とは、借主側の不動産業者のことです。
 これだけでもお分かりになる方はお分かりになると思いますが、事例とともにもう少し詳しく、具体的にご説明いたします。

事例
Aは賃貸物件を借りたいと考え、ネットで賃貸物件を調べて内見を申し込み、a不動産業者の案内のもと、B所有の甲アパートを内見した。甲アパートを気に入ったAは、a不動産業者から貰った申し込み用紙に必要事項を記入し、申し込みを入れた。数日後、申し込みが通ったAは「契約はこちらのb不動産業者の事務所でお願いします」との連絡と通知をa不動産業者から受けた。後日、Aはb不動産業者の事務所にて、B所有の甲アパートの賃貸借契約を結んだ。


 これは実際に私自身が客として経験し、かつ過去に仕事で賃貸物件の仲介をしたときにも経験した実例です。
 この事例で申しますと、a不動産業者客付業者です。そしてb不動産業者元付業者(である場合が多い)です。そして、甲アパートの賃貸借契約を結んでいるのはAとBになります。
 ちなみに、b不動産業者は甲アパートの管理会社という場合も多いでしょう。その場合、甲アパートの引渡しを受け、使用を開始した後に、甲アパートで起きた問題の問い合わせ先はb不動産業者になっていたりします。また、管理会社は管理会社でまた別の業者の場合もあります。分譲マンションなんかの場合は、管理組合があって、そこでお願いしている管理会社があったりします。さらに、管理会社は管理会社で、管理業務を他社に委託している場合もあります。ややこしいですよね(笑)。
 このように、複数の業者がひとつの物件に様々に関係しているという構造が、不動産というものを一般に分かりづらくしている原因なのかな、と私は思います。もちろん、大家と管理会社だけ、という極めてシンプルなケースもありますが。
 また、内見に行ったら2社の不動産業者の人間が来た、という経験がある方もいらっしゃるかと思います。それは客付業者と元付業者の両方の人間が来たケースです。その場合、名刺をくれた方が客付業者でしょう。また、さらに別に管理会社がいて、客付と元付と管理会社の三社の人間がわらわらと来る場合もあります(笑)。

 という訳で、今回は元付と客付についてご説明して参りました。後半、管理会社の話も出てきて訳が分からなくなってしまった方もいらっしゃるかもしれません。とりあえずここで覚えておいて頂きたいのは、客付借主側元付貸主側の不動産業者ということです。まずはここをおさえておいて下さい(ちなみに売買だと、買主側が客付、売主側が元付となります)。
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敷金・礼金・保証金・敷引き・償却の超基本

 敷金・礼金(保証金・敷引き)は、賃貸物件を借りるときに必要になる費用です(不動産だけでなく、駐車場を借りるときに必要になるケースもあります)。よって、不動産賃貸借について考える上で、敷金・礼金は避けて通れません。
 従いまして、まずは、そもそも敷金・礼金とは何なのか?という基本の基本からご説明して参ります。※
「住宅用の不動産賃貸借」という前提でご説明して参りますので、その点あらかじめご了承下さい。

敷金とは
 敷金とは、アパートでもマンションでも一軒家でも、賃貸物件(特に家屋)を借りるときに、借主である賃借人(借りる人のこと)が、賃料その他の債務を担保するために、貸主である賃貸人(または管理会社)に、あらかじめ差し入れるお金のことです。そして、敷金は退去時に、滞納分の家賃、通常損耗・経年劣化以外の原状回復費用などを差し引いて、賃貸人から賃借人に返還されます。
 なんか説明が小難しい.....
 すみません(笑)。それではめちゃめちゃ噛み砕いて簡単に申します。敷金とは、借りる人が「この家を借りる担保(保証)として、このお金を一旦、家主に預けます」というものです。そして退去時に、差し引かれる分は差し引かれた上で返還されるのです。
 尚、念のため申し上げておきますが、敷金の返還は、家を明け渡した後になります。家の明け渡しと敷金の返還は同時履行の関係ではありません。これは慣習であると同時に、判例においても「明渡しは先履行」と結論づけられています。では、実際の敷金の返還時期はいつになるのかというと、これはケースによってまちまちです。2週間ぐらいのときもあれば、1ヶ月以上かかるときもあります。

礼金とは
 これは敷金とは違い、一旦預けて退去時に返還されるものではなく、払いっぱなし返還されない金銭です。つまり、借りる側からすれば、仲介手数料と同じようなものです。ただ、仲介手数料は仲介業者に払うものですが、礼金は貸主に払う金銭になります。

保証金・敷引きとは
 実は、関西(といっても京都・滋賀は除かれるとのこと)や九州の一部ではルールが異なっていて、敷金・礼金にあたるものが「保証金・敷引き」と呼ばれていたりします。
 保証金は、敷金とほとんど変わりません。借りる人が家主(または管理会社)に一旦預け、退去時に差し引かれる分は差し引かれた上で返還される金銭です。ただ、敷金と違うのは、保証金の場合、あらかじめ決められた敷引きされる分のお金は100%返還されません。
 敷引きとは、一旦預けた保証金の中から、確実に差し引かれる分をあらかじめ決めたものです。例えば、家賃10万円で「保証金2ヶ月・敷引き1ヶ月」となっていたら、敷引き1ヶ月分の10万円は100%返還されることはありません。仮に退去時に、他にいっさい差し引かれる分がなかったとしても、返還される保証金は最大でも10万円になります。敷引き1ヶ月分の10万円は100%返ってきません。

補足・償却とは
 実は関東などでも、敷引きと同じ意味合いで「償却」という形で、確実に差し引かれる分をあらかじめ決めているケースもあります。例えば、「敷金2ヶ月・償却1ヶ月」のようにです。これは、先述の「保証金2ヶ月・敷引き1ヶ月」と意味は一緒です。つまり、敷金として預けた家賃2ヶ月分は、仮に退去時に、他にいっさい差し引かれるものがなくても、1ヶ月分は償却金として確実に差し引かれるということです。ですので、「敷金2ヶ月・償却2ヶ月」となっていたら、その敷金は全額返ってきませんので、ご注意下さい。
 ちなみに「礼金ゼロ!」とうたっておきながら、償却という形で、敷金から確実に差し引かれる分をあらかじめ決めている場合もあります。要するに、礼金ゼロ!で客を集めておいて、償却で確実に回収できる金額を定めておく、という寸法です。これは別に詐欺でもなんでもなく、貸主側からすると極めて合理的な方法なんです。ただし、償却は、あくまで敷金から差し引くものです。礼金とは違いますので、この点はお間違いないようお気をつけ下さい。
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原状回復義務 経年劣化と通常損耗と特約

 敷金とは、賃貸物件を借りるとき、借主が貸主に対し、担保として一旦預ける金銭です。そして退去・明渡しの際に、滞納家賃や原状回復費用など、差し引く分があれば差し引いた上で、借主に返還されます(敷金について詳しくは前回の記事をご参照下さい)。つまり、わかりやすく住宅用の賃貸物件で噛み砕いて申しますと「この家を借りる担保(保証)として、このお金を一旦、家主に預けます」というものです(現実においては、敷金という担保だけでは足らず、連帯保証人家賃保証会社も必要になったりします)。
 さて、それではここから、本題の不動産賃貸借における原状回復義務についてご説明して参りますが、わかりやすく「住宅用の不動産賃貸借」という前提でご説明をして参りますので、その点あらかじめご了承下さい。

不動産賃貸借における原状回復義務とは

 不動産賃貸借における原状回復義務とは、借りた家を返す時(退去時)、つまり、引越し等で賃貸借契約を終わらせてその家を出る際に、その家を元の状態(原状)に戻す義務のことです。ちなみに「現状」ではなく「原状」です。現状とは、現在の状態のことです。原状とは、元の状態のことです。したがって、元の状態に戻す義務「原状回復義務」なのです。

原状回復義務といっても何もかも元に戻さなければならない訳ではない

 借主は、原状回復義務を負います。しかし!原状回復といっても、何もかも元の状態に戻さなければならない訳ではありません。というのも、経年劣化通常損耗については、原状回復義務には含まれないからです。

経年劣化
 物には経年劣化というものがあります。経年劣化とは、時間の経過による自然な劣化です。つまり、人が時とともに年老いていくのと同じように、物も時とともに年老いていきます。無論、家も一緒です。この経年劣化については、借主は修繕義務を負いません。つまり、経年劣化については原状回復義務には含まれないのです。

通常損耗
 通常の使用の仕方による損耗を通常損耗といいます。要するに、通常損耗とは、常識的な普通の使い方で不可抗力的にできる傷や汚れのことです。この通常損耗による負担は「家賃に含まれている」と考え、通常損耗については、借主の原状回復義務には含まれません。つまり、常識的な普通の使い方で不可抗力的にできる傷や汚れは、毎月払っている家賃ですでにカバーしているので、退去・明渡しの際の原状回復義務には含まないということです。

 以上のように、原状回復義務といっても、経年劣化と通常損耗を除いた上での原状回復になります。原則として、原状回復費用には、経年劣化と通常損耗による修繕費用は含まれませんので、ご注意頂きたいと存じます。

補足・特約の存在
 ただ、ここでひとつ、やっかいな問題がございます。それは特約の存在です。どういうことかと申しますと、賃貸借契約書を交わす際に、契約書に特約事項という形で、本来なら経年劣化や通常損耗として原状回復義務には含まれないものも、退去時の借主負担として定めてしまっていることがあるのです。そしてその特約事項の定めが、特段不当なものでなく、賃貸借契約を結ぶ際に、借主も理解し納得した上で定められていたのならば、その特約事項は借主の負担義務として有効なものとなります。これは退去時に非常にトラブルになりやすい原因のひとつです。そして、このようなトラブルに関しましては、様々なケースがあり、ケースごとに考えなければなりません。したがって、ここではこの問題に関しまして、これ以上の深入りはいたしません。詳しいことは「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などをご覧になって頂ければと存じます。
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賃貸人たる地位の移転(オーナーチェンジ) 家賃の二重払いの危険性

事例
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し、引き渡した。その後、Aは甲建物をCに売却し、AからCへ登記を移転した。


 これは賃借人(借主)が居住中に家主が代わったというケースです。このようなオーナーチェンジのケースは、住宅用でも事業用でも、賃借人として経験された方はいらっしゃると思います。ケースにもよりますが、ある日、いきなり管理会社からオーナーチェンジの知らせを受け、面食らってしまった方もいらっしゃるかと思います。
 さて、このときに、甲建物を賃借しているBにとって、ある問題が生じます。それは「本当にAからCへオーナーチェンジしたのか?」という問題です。なぜそれが問題になるのかといいますと、それは「家賃を払うべき相手は本当にCでいいのか?」ということに繋がるからです。

家賃二重払いの危険性
 
 もしオーナーチェンジの知らせがウソで、新オーナーと名乗る人物がニセモノで、その自称新オーナーに家賃を払ってしまったらどうなるでしょう?家賃を払った賃借人は、ある日、こんな連絡を受けてビックリするはずです。
〇〇さん!家賃が振り込まれていませんよ!?
 そして、次のようなやり取りが展開されるでしょう。
え?確かに振り込みましたよ?
入金の確認ができていません。振込先を間違えたのではないですか?
え?確かに〇〇口座に振り込みましたが...
〇〇さん!それ、振込口座間違っていますよ!とにかく、指定の〇〇口座にいち早く振り込んで下さい!
 そして賃借人は、家賃の二重払いという事態に陥ってしまうのです。

新オーナーであることを賃借人に法律的に正当に主張するには登記が必要

 さて、ここから再び、事例に戻ってご説明して参ります。
 賃借人Bは、家賃の二重払いの危険性があるので、本当に賃貸人(家主・オーナー)がAからCに代わったのか?ということをきちんと確かめたいところです。そこで、判例では、この賃借人Bのような者を保護するために、Cが新賃貸人(新オーナー)として、賃借人Bに対し正当に家賃などを請求するには登記が必要としています。つまり、CがBに家賃などを請求するには、Cが甲建物の所有権を取得した旨の登記(AからCへの所有権移転登記)が必要ということです。
 従いまして、事例のCは登記を備えていますので、Bに対し正当に家賃を請求できます。逆に、もしCが登記をしていなかった場合は、Bは家賃の請求を正当に拒めます。もし今現在、事例のBのような状況にいらっしゃる方は、管理会社(貸主側の不動産会社)や新オーナーに「登記簿(登記事項証明書)を見せて下さい」と要求するか、自分自身で登記所(法務局)に行って登記簿の交付申請をするか、もしくはオンライン手続きで取り寄せることも可能です。そして登記簿(登記事項証明書)を確認して問題なければ、安心して新オーナーに家賃を振り込めますし、もし登記簿上の所有者が旧オーナーのままなのであれば、旧オーナーの方に家賃を振り込めば、法律上問題なく弁済したことになります(法律的に家賃を払う責任を果たしたことになる)。

補足
 尚、動産の物権変動(所有権の得喪)につきましては引渡しが基準になり、これを公信の原則といいます。一方、不動産については、全国一律に登記というルールが敷かれ、これを公示の原則といいます。この「不動産登記」というものに関しては、こちらの記事をご参照下さい。
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賃貸人たる地位の移転 オーナーチェンジで敷金はどうなる?

事例
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し、引き渡した。その後、Aは甲建物をCに売却し、AからCへ登記を移転した。


 これは、借主Bが甲建物を賃借中に貸主がAからCへ代わった、いわゆるオーナーチェンジの事例です。
 さて、この場合、BからAに預けられている敷金は一体どうなるのでしょうか?

 最初に結論を申し上げておきますと、Bから旧オーナーAに預けられた敷金は、新オーナーCに引き継がれます。よって、Bは改めて新オーナーCに敷金を預ける必要はなく、旧オーナーAがBに敷金を返還する必要もありません。
 Aに預けられた敷金は、AC間の甲建物の売買契約の手続きの中で、AからCへと引き継がれます(実務上は売買代金から差し引いたりする)。従いまして、賃借人Bは、何もする必要はありません。Bがやることがあるとすれば、前回の記事でも記しました「登記簿(登記事項証明書)による所有者の確認」です。つまり、本当にオーナーがAからCへ移ったのか?の確認です。

敷金は不動産賃貸借契約における担保

 敷金は、不動産賃貸借契約における賃貸人の債権(家主の賃料債権など)についての担保になります。そして担保※には随伴性がありますので、旧オーナーの持つ債権(賃料債権など)が、オーナーチェンジによって新オーナーに移ることにより、担保である敷金も、それにともなって新オーナーに移っていくのです。
※担保については、抵当権などの担保物権についての解説の際に詳しく触れます。 (抵当権の超基本はこちらへ

随伴性とは親ガモ子ガモの関係性

「随伴性がある」とは、どういうことかと申しますと「子ガモは親ガモにくっついていく」という意味です。今回の事例のような不動産賃貸借の場合、親ガモは「オーナーの持つ賃貸人としての債権」です。賃貸人としての債権とは、賃借人Bに対し家賃を請求したりなどする債権です。そして子ガモは、担保である敷金です。従いまして、オーナーチェンジにより親ガモがAからCに移り、敷金という子ガモは、それにともなって親ガモにくっついていくという訳です。

債権だけでなく義務も引き継がれる

 尚、オーナーチェンジでCが新オーナーとなった後の、Bの敷金返還請求相手が誰になるかといいますと、当然、それは新オーナーのCになります。なぜなら、オーナーチェンジにより引き継がれるのは「賃貸人としての債権」だけではなく「賃貸人としての権利・義務」の全てが引き継がれるからです。つまり、旧オーナーAの敷金返還義務新オーナーCへと引き継がれるのです。
 また、賃貸人は賃借人に目的物を使用収益させる義務を負います。簡単に言うと、家主(オーナー)は借主に貸した賃貸物件を使わせてあげる義務を負うということです。加えて、賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務も負います。簡単に言うと、家主(オーナー)は借主に貸した賃貸物件を、借主が使用するために必要な修繕を行わなければならないということです。このような義務は「賃貸人としての権利・義務」の中に当然含まれるものです。
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賃貸中のオーナーチェンジ 滞納家賃は?退去から敷金返還までの間にオーナーチェンジしたら?など

事例1
BはA所有の甲建物を借りて住んでいる。しかし、Bは家賃を滞納していた。その後、Bから滞納家賃が払われないまま、Aは甲建物をCに売却し、その旨の登記をした。


 これは、賃貸中の物件の滞納家賃が払われないままオーナーチェンジしたケースです。
 敷金賃貸人としての権利・義務は、オーナーチェンジにともなって新オーナーへと移っていくことは前回の記事で記したとおりです。さて、では今回の事例の、賃借人Bの滞納家賃は一体どうなるのでしょうか?賃貸人としての権利・義務の全てが新オーナーへと移っていくのなら、それにともなって、滞納家賃についても新オーナーへと移っていきそうなものですが...。
 結論。賃借人Bの滞納家賃については、旧オーナーAの元に残ります。つまり、Bの滞納家賃についての賃料債権旧オーナーAの元に残るので、Bに対し「滞納している家賃を払え!」と請求できるのはAになります。新オーナーCではありません。もし、Bの滞納家賃についての債権をAからCに移す場合は、別途、債権譲渡の手続きが必要になります。(債権譲渡の超基本はこちらへ)
 このように「オーナーチェンジ前に発生していた滞納家賃」については、オーナーチェンジにともなって自動的に新オーナーへと移っていくということはありません。オーナーチェンジ前の滞納家賃の賃料債権は、旧オーナーの元に残ったままになります。敷金などとは違い、滞納家賃についてはこのような扱いになりますので、ご注意下さい。

事例2
A所有の甲建物を借りて住んでいたBは、賃貸借契約の終了に伴い、甲建物を退去・明け渡した。その後、Bに敷金が返還される前に、Aは甲建物をCに売却し、その旨の登記をした。


 これもオーナーチェンジのケースですが、少し状況が複雑になってきました。この事例2は「賃借人が退去してから敷金が返還されるまでの間」というタイミングで、オーナーチェンジが行われたケースです。
 さて、この事例2で、Bが旧オーナーAに預けていた敷金は一体どうなるのでしょうか? 敷金には随伴性があります(随伴性については前回の記事をご参照下さい)。ですので、通常どおりに考えれば、オーナーチェンジにともなって、敷金についてもAからCへと移っていきそうですが...。
 結論。この事例2のような場合、敷金については、Aの元に残ったままになります。つまり、Bが敷金返還請求する相手旧オーナーAで、Bに対して敷金返還義務を負うのも旧オーナーAになります。これは法律的な理屈ではなく、実務上の要請と賃借人の保護という2点から、このような結論になるのだと考えられます。
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賃借人の対抗要件~新オーナーから出てけと言われたら?

 不動産における物権の対抗要件は登記です。対抗要件とは「法律的な保護のもとに主張するための要件」です。不動産の物権の対抗要件とは、他人に対して「この不動産の所有権はワタシのモノだ!」と、法律の保護のもとに主張するための要件です。つまり、不動産は登記して初めて、その所有権が法律的に保護されます(不動産登記についてはこちらの記事もご参照下さい)。となると、その不動産を借りている者(賃借人)の権利は、どうなっているのでしょうか?
 例えば、A所有の甲アパートを借りて住んでいるBがいて、Bの居住中に甲アパートがAからCへと売却され、その旨の登記もされてから、いきなりCから賃借人Bが「オマエは甲アパートから出てけ!」と迫られたらどうなるのか?つまり、賃貸中の物件がオーナーチェンジしたとき、その物件の賃借人は、新オーナーに対抗できるのか?というハナシです。
 最初に申し上げたとおり、不動産の対抗要件は登記です。新オーナーCには登記があります。そして、民法には次のような規定があります。

(不動産賃貸借の対抗力)
民法605条
不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。


※民法改正後(2020年4月から施行)
(不動産賃貸借の対抗力)
民法605条
不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。

 この条文を読むと、どうやら賃借人は、賃貸借の登記(賃借権の登記)をすれば、後から物権を取得した者、すなわち新オーナーに対抗できるようです。しかし!この条文はハッキリ言ってあまり意味がありません。なぜなら、借地借家法でほとんど骨抜きにされてしまっているからです。

賃借人の対抗要件は引渡し

 先に結論を申し上げておきますと、先ほど挙げた例の賃借人Bは、新オーナーCに対し、甲アパートの賃貸借を対抗できます。つまり、新オーナーCから「甲アパートから出てけ!」と言われても、Bは「甲アパートは私が借りて住んでいるのだ!」と主張できます。その根拠となる条文はこちらです。

(建物賃貸借の対抗力等)
借地借家法31条
建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。


 この借地借家法31条によって、前述の民法605条の規定が骨抜きにされているのです。借地借家法は不動産賃貸借における特別法です。一方で民法は一般法です。そして、特別法は一般法に優先して適用されます(これについて詳しくはこちらの記事をご参照下さい)。従いまして、借地借家法31条の規定により、賃借人Bはその旨の登記をしていなくても、すでに甲アパートの引渡しを受けて住んでいるので、新オーナーCに対して甲アパートの賃貸借を対抗できるのです。

なぜわざわざ借地借家法(特別法)でそのような規定を置いたのか

 もちろん、民法605条の規定に従って賃貸借の登記をして、新オーナーCに対抗することも可能です。しかし、それを行うためには、Cに協力してもらわなければ、することができません。しかも、Bの賃貸借の登記について、Cに協力義務はありません。そしておそらく、賃借人の賃貸借の登記に協力する賃貸人(オーナー)はほぼいないでしょう。なぜなら、そんなことをしても、賃貸人にとっては何のメリットもないからです。ましてや法的な協力義務すらないのですから。私がオーナーでも、賃借人の賃貸借の登記に協力することはないでしょう(笑)。つまり、民法605条の規定はハッキリ言ってザルなんです。そこで、賃借人Bのような者を保護するために、特別法として借地借家法31条の規定を設けたという訳です。
 もし、今現在、賃貸物件に住んでいて、その物件の家主がオーナーチェンジにより変わった、という状況にある方も、賃借人としての地位借地借家法により保護されておりますのでご安心下さい。まあ、実際はオーナーによって色々と対応が変わったりするので、法律以外での問題もあるんですけどね...。
 いずれにしても、オーナーと賃借人、管理会社も含め、良好な関係でいたいものです。
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借地権~賃借権と地上権、土地を借りる権利には2種類ある。その特徴と違い

 不動産賃貸借は、何も建物・家屋に限ったものではありません。土地の賃貸借もあります。土地を目的とする賃貸借の権利を借地権といいます。

借地権には2種類ある

 借地権とは、簡単に言うと「土地を借りて使用する権利」ですが、この借地権には2つの種類があります。それは賃借権地上権です。

賃借権とは

 土地の所有者(賃貸人)の承諾を得て、土地を間接的に支配し利用できる借地権を、賃借権といいます。「間接的に支配」というのは、土地の所有者の承諾を必要とするからです。土地の所有者の承諾が必要とは、自由に借地権(賃借権)を譲渡したりすることができないということです。これは土地に限ったことではありませんが、例えば、アパートを借りて住んでいる人が、勝手に他人にそのアパートを譲渡したり又貸ししたりすることはできません。もし譲ったり又貸ししたりするのであれば、大家(賃貸人)の承諾が必要です。それと一緒で、土地の賃借権を持っていても、土地の所有者の承諾なしで、勝手に借地権(賃借権)を譲渡したりすることはできません。従いまして、賃借権とは「間接的に」土地を支配し利用する権利なのです。

地上権とは

 土地の所有者の承諾なしに、土地を直接的に支配し利用できる借地権を、地上権といいます。「直接的に支配」というのは、土地の所有者の承諾を必要としないからです。つまり地上権の場合、賃貸人(土地の所有者)の承諾なしに自由に地上権を譲渡したりすることができるのです。従いまして、地上権は賃借権よりも強い権利になっています。

賃借権は債権的権利、地上権は物件的権利

 賃借権も地上権も同じ借地権ですが、その権利の強さが全然違うのは、ここまでのご説明でもおわかり頂けたと思います。その違いを民法的に表現しますと、賃借権は債権的権利なのに対し、地上権は物権的権利です。といっても、これだけではわかりづらいと思いますので、もう少し詳しくご説明いたします。
 債権とは、人に対する権利です。特定の人に対して「金払え」「それをよこせ」「使わせろ」などと主張できる権利です。そして賃借権は、土地の所有者に対し「使わせろ」という債権です。従いまして、賃借権は債権的権利になります。
 一方、物権とは物に対する権利で、物の排他的支配権です。物の排他的支配権とは全ての他人に対して「これはワタシのモノだ!」と主張できる権利です。全ての他人に対して主張できるということは、土地の所有者に対してだけでなく、隣人に対しても、土地を購入しようとしている人に対してでも、その権利を主張できるということです。したがって、地上権は「ワタシのモノ」として、土地の所有者の承諾なしに自由に譲渡したりすることができるのです。地上権の権利の強さは、借地権というよりも「準所有権」といった方が良いかもしれません。それぐらいに強い力を地上権は持っています。

 2種類の借地権、賃借権と地上権、それぞれの特徴と違い、おわかりになって頂けましたでしょうか。尚、現実に利用されている借地権のほとんどは賃借権です。というのも、地上権は権利が強すぎるからです。権利が強すぎるということは、それだけ土地の所有者に不利になるということです。不利になる地上権の設定を、土地の所有者が望まないのは言うまでもありませんね。
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借地人の対抗要件~地主(土地オーナー)が代わって出てけと言われたら?

事例
BはA所有の甲土地を借りて、甲土地上にある自己所有の建物に住んでいる。その後、Aは甲土地をCに売却し、その旨の登記をした。


 これは、借地人が土地を利用中に、土地の所有者(地主)が代わったというケースです。
 さて、この事例で、借地人Bがいきなり新地主Cから「甲土地から出てけ!」と言われた場合、Bはどうすればいいでしょうか?

(不動産賃貸借の対抗力)
民法605条
不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。

※民法改正後(2020年4月から施行)
(不動産賃貸借の対抗力)
民法605条
不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。

 この民法605条の条文によれば、賃貸借はその旨の登記をすることで、新たな所有者にも対抗できる(法律の保護のもと権利を主張できる)ようです。すると事例の借地人Bは、土地の賃貸借の登記をしている訳ではありませんので、このままだと新地主Cの言われるがままに、甲土地を出ていかなければならなくなりそうですが...。
 結論。借地人Bは、甲土地の賃貸借の登記をしていなくても、甲土地の上にある建物の登記があれば、甲土地の賃貸借を新地主Cに対抗できます(法律の保護のもと権利を主張できる)。つまり借地人Bは、甲土地に建てた建物の登記をしていれば、新地主Cから「甲土地から出てけ」と言われても「ワタシが借りて使っているのだ!」と主張・対抗できます。そしてその根拠となる条文はこちらになります。

(借地権の対抗力等)
借地借家法10条
借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。


 借地借家法は不動産賃貸借における特別法です。一方、民法は一般法です。そして特別法は一般法に優先します。ですので、借地借家法は民法に優先して適用されます。(これについて詳しくはこちらの記事をご参照下さい)
 従いまして、前述の民法605条の規定ではなく、上記の借地借家法10条の規定が適用され、借地人はその土地の賃貸借の登記がなくても、借地上にある建物の登記があれば、地主が代わっても、その土地の賃貸借を対抗できる(法律の保護のもと権利を主張できる)という訳です。
 これは建物の賃貸借の場合と一緒なのですが、借地借家法の規定に関わらず、前述の民法605条の規定に従って、借地人は、土地の賃貸借の登記をして、新地主に対抗することも可能です。しかし、土地の賃貸借の登記をするには、土地所有者(地主)の協力が必要になります。そして土地所有者に、借地人の賃貸借の登記に協力する義務はありません。つまり、土地所有者は、借地人の賃貸借の登記を拒否しても何も問題ありません。ですので、ハッキリ言って民法605条役立たずのザル規定なんです。そこで、借地人をもっとしっかり保護するために、借地借家法10条の規定が設けられたということです。
→続いての記事はこちら

借地人の対抗要件~建物滅失や親族名義など様々なケース

 借地人は、その土地の賃貸借についての登記をしていなくても、借地上の建物の登記があれば、その土地の賃貸借の権利を法律の保護のもと主張できます。(これについて詳しくはこちらの記事をご参照下さい)
 
建物が滅失するとどうなるか

事例
BはA所有の甲土地を借りて、甲土地上にある自己所有の登記をした建物に住んでいる。その後、Aは甲土地をCに売却し、その旨の登記をした。その後、B所有の建物が火災により滅失した。


 さて、この事例において、借地人のBは、借地上の建物の登記があります。ということは、新地主のCに対し、甲土地の賃貸借を対抗(賃貸借の権利を法律の保護のもと主張)できます。たとえ新地主のCから「甲土地から出てけ!」と言われても「ワタシは甲土地の借地人だ!だから甲土地を利用する権利がある!」と主張することができます。
 しかし、この事例には、ひとつ問題があります。それは、借地上の建物が滅失してしまった、ということです。建物が滅失してしまったということは、登記をした建物が消滅してしまったということです。存在しない建物の登記などはありえません。つまり、建物が滅失したことによって、その建物の登記は無効のものになってしまうのです。すると、借地人Bは、借地上に建物も無ければ登記も無い、という状態になってしまう訳です。となると、このような状態で借地人Bは、新地主Cに対して、甲土地の賃貸借を対抗(賃貸借の権利を法律の保護のもと主張)できるのか?ということが、この事例2で考える問題になります。
 結論。借地人Bは、借地借家法10条2項の規定により、次のような対処をすれば、甲土地の賃貸借を対抗できます。

1・建物滅失の日と新建物築造の旨等を、その土地上に掲示する。
(甲土地上に掲示するとは、甲土地上に看板を立てるという意味。つまり、建物滅失の日と新建物築造の旨等を記載した看板を甲土地上に立てる、ということ)
2・建物滅失後、2年以内に、実際に新建物を築造し、その旨の登記をする。

 以上の対処をすれば、借地人Bは、甲土地の賃貸借を対抗することができます。
 従いまして、事例2の借地人Bが取り急ぎやらなければならないことは、甲土地に必要事項を記載した看板を立てることです。そして、それから2年以内に新しい建物を建てて登記をすれば、万事OKとなります。

その他のケース

建物滅失以外でも、借地人の対抗力(法律的な権利)について様々なケースが存在しますので、それらについて簡単に解説して参ります。

・建物の改築・増築等の変更登記をしていない場合
 建物の改築・増築などをしたときは「建物表題部変更登記」をしなければなりません。この建物表題部変更登記をしていない場合、借地人の対抗力(法律的な権利)がどうなるのかですが、建物の同一性が認められれば、借地人の対抗力(法律的な権利)は維持されます。「建物の同一性」という要件が気になりますが、極端な改築・増築でなければ問題はないと思われます。

・所有権保存登記はせず表示登記のみの場合
 建物の登記には、どんな建物かを示す表示登記(建物表題登記)と、建物の所有権などの権利関係がどうなっているかを示す権利部の登記があります。このうち、権利部の所有権保存登記をせず、表示登記(建物表題登記)のみで借地人の対抗力がどうなるのかですが、この場合、借地人の対抗力は認められます。

・土地を分筆して新番の土地に建物が存在しなくなった場合
 分筆とは、土地を分けることです。例えば、Aという土地を2つに分割して、小さくなったAという土地と新たなBという土地に分けるようなことです。つまり、借地が分筆されて、その借地が建物の建っている部分とそうでない部分とで所有者が別になったような場合に、借地人の対抗力がどうなるのか?ということですが、建物が建っていない部分の土地ついても借地人の対抗力は認められます。

・親族名義の登記の場合
 これは例えば、借地上の建物の登記が、借地人本人ではなく、借地人の親名義の登記だったような場合に、借地人の対抗力がどうなるのか?ということです。このような場合、借地人の対抗力は認められません。対抗力が認められるためには、借地人本人名義の登記でなければなりません。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
東京都行政書士会所属
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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