【転貸借における賃貸借契約の解除】家賃滞納による解除と合意解除では何が違う? /転借人への催告と契約終了時期について

▼この記事でわかること
転貸借における賃貸借契約の解除
家賃滞納による賃貸借契約解除後の転貸借とその契約終了時期
賃貸借契約の合意解除or期間満了により終了した場合の転貸借契約
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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転貸借における賃貸借契約の解除

 転貸借契約における賃貸借契約(原賃貸借契約)の解除の問題について、解説して参りますが、まずは事例をご覧ください。

事例1
BはA所有の甲建物を賃借している。そして、BはAの承諾を得て、適法に甲建物をCに転貸した。ところが、BはAに支払うべき家賃を滞納している。


 この事例で、甲建物の賃貸借契約を結んでいるのはAとBで、BとCは転貸借契約を結んでいます。(転貸借の基本についての詳しい解説は「転貸借(サブリース)~賃貸人は転借人に直接家賃請求できる?」をご覧ください。
 関係図は以下になります。

(オーナー)  (賃借人)
 賃貸人    転貸人     転借人
  A        B       C
所有・貸す→借りる・貸す →借りる・使用
     ↑       ↑
   賃貸借契約   転貸借契約

 家賃は、転借人Cは転貸人Bに支払い、転貸人Bは賃貸人Aに支払うことになるのですが、転貸人Bは、賃貸人Aに支払うべき家賃を滞納してしまっています。
 さて、この場合に、賃貸人Aは、契約解除の前提として、転借人Cに対し「家賃払え」と支払いの催告をする必要があるでしょうか?
 通常の賃貸借であれば、賃借人(借主)が家賃を滞納している場合、賃貸人(オーナー)は、その賃貸借契約の解除を前提に、賃借人に対して家賃の支払いの催告ができます。解除を前提の支払い催促とは、要するに「家賃を支払わないなら出てってもらうぞ!」ということです。※
※(実際の立ち退きはそう簡単にはいきません。なぜなら、不動産賃貸借の場合「信頼関係破壊の法理」が働くからです。ここでは立退き問題の詳細については割愛しますが「信頼関係破壊の法理」についての詳しい解説は「賃借権の無断&適法な譲渡と転貸~賃貸人の解除権と信頼関係破壊の法理とは」をご覧ください)
 事例1で、家賃を滞納している賃借人Bは、甲建物の賃貸借契約における賃料支払い債務を遅滞している、つまり、履行遅滞に陥っています。
 履行遅滞に陥っている者に対して、相手方は、相当の期間を定めた上で催告し、期間内に履行がされない場合は、契約の解除ができます。
 根拠となる民法の条文はこちらです。

(催告による解除)
541条
当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。


 上記、民法541条の規定により、賃貸人Aは、家賃を滞納している賃借人Bに対し「◯月◯日までに家賃を支払わなければ、甲建物から出てってもらう!」という催告ができます。
指さし
 さて、ここまでは、何も問題ないと思います。しかし、事例1の問題点は、転借人Cの存在です。
 というのは、もし、AとBとの間の賃貸借契約(原賃貸借契約)が解除されれば、転借人Cが困ってしまうからです。
 なぜなら、BとCの転貸借契約は、AとBの賃貸借契約の存在を前提に成り立っているからです。互いの契約は別個のものですが、賃貸のない転貸などありえません。ですので、AB間の賃貸借契約が解除されれば、BC間の転貸借契約も消滅し、転借人Cは甲建物から出て行かざるを得なくなります。
 要するに何が言いたいかというと、本来、賃貸人Aと転借人Cは契約関係にはないので、両者に権利義務関係はありません。しかし、AB間の賃貸借契約の解除の問題については、転借人Cも立派な利害関係人なのです。
 また、それに加えて、民法613条の規定により、賃貸人Aは転借人Cに対し直接、家賃を請求することもできます。
 以上のことから考えると、賃貸人Aは、賃借人Bの滞納家賃の問題とはいえ、転借人Cに対しても、支払いの催告をする必要があるのではないでしょうか?
 結論。賃貸人Aは、賃借人Bの滞納家賃について、転借人Cに対し、支払いの催告をする必要はありません。
 したがいまして、賃貸人Aは、賃借人Bに催告をして、それでもBが家賃を滞納し続けるならば、転借人Cの存在を無視して、AB間の賃貸借契約を解除することができます。
 転借人Cがかわいそう!
 はい。確かにかわいそうです。しかし、これは転貸借のリスクです。転借人Cは、あらかじめこのリスクも承知した上で、Bとの転貸借契約に臨まなければならないのです。
 でも賃貸人Aは転借人Cに直接家賃を請求できることとのバランスがおかしくね?
 そんなこともないのです。なぜなら、民法613条の規定による賃貸人から転借人への直接の賃料請求権は、権利であって義務ではありません。ですので、賃借人Bの家賃滞納に伴うAB間の賃貸借契約の解除について、賃貸人Aは、あらかじめ転借人Cに対しても、催告をする義務はないのです。
 したがいまして、もし転借人として転貸借契約をする際は、転貸人(賃借人)の信用性をしっかりと確かめた上で、契約するのが良いでしょう。

賃貸借契約解除後の転貸借契約

 さて、ここからは、賃貸借契約が解除された後の転貸借について解説して参ります。
 まずは事例をご覧ください。

事例2
BはA所有の甲建物を賃借している。BはAの譲渡を得て、適法に甲建物をCに転貸している。その後、Bの家賃滞納により、AB間の賃貸借契約が解除された。


[関係図]

(オーナー)  (賃借人)
 賃貸人    転貸人     転借人
  A        B       C
所有・貸す→借りる・貸す →借りる・使用
     ↑       ↑
   賃貸借契約   転貸借契約
     ↑
     解除

 この事例2で、AB間の賃貸借契約解除されたことにより、BC間の転貸借契約は終了します。
 BC間の転貸借契約は、AB間の賃貸借契約の存在の上に成り立っているので、元を断たれたBC間の転貸借契約も必然的に終了します。
 さて、ここでまで良いとして、考えるべき本題はここからです。それは、BC間の転貸借契約が終了するタイミングについてです。
 BC間の転貸借契約は、AB間の賃貸借契約が解除されたことにより終了しますが、決して、AB間の賃貸借契約が解除されると、それに伴い自動的に終了するわけではありません。
 じゃあいつ終了するの?
 AB間の賃貸借契約が終了すると「元を断たれたBC間の転貸借契約」で甲建物を使用している転借人Cは「不法占拠者」となります。
 そして、賃貸人(オーナー)のAは所有権に基づき、転借人Cに対し、甲建物の明渡し請求をすることになります。この請求をした時に、AC間の転貸借契約が終了します。
 つまり、賃貸人Aが転借人Cに対して、甲建物の返還請求をした時に、AC間の転貸借契約が終了するのです。
 なんだか細かいなぁ
 細かい話ですが、これは資格試験等の民法の問題で問われやすい部分です。もし「賃貸借契約が解除されると同時に転貸借契約も終了する」というような肢が出題されたら、それは誤りの肢になります。くれぐれもお気をつけください。

なぜ転貸借契約の終了時期がそのタイミングなのか
?女性
 これにはちゃんとした理屈があります。別に試験問題で問うために、そのようになっている訳ではありません。
 その理屈はこうです。

 賃貸借契約において、賃貸人は賃借人に対し「目的物を使用収益させる義務」を負う(オーナーは賃貸した不動産を賃借人(借主)に使わせてあげる義務を負うということ)。
 しかし「目的物を使用収益させる義務」が履行不能に陥れば、賃貸借契約は終了する。
 例えば、賃貸借している不動産が滅失したら、その賃貸借契約は終了する。
 なぜなら、不動産が滅失してしまったら「目的物を使用収益させる義務」を果たすことが不可能になる、すなわち、履行不能に陥るからである。
 賃貸借契約が解除された際の転貸借契約については、賃貸借契約の存在の上に成り立っている転貸借契約は、賃貸借契約が解除されると、いわば宙ぶらりん状態になると考えられる。
 そして、賃貸人が転借人に明渡しを請求した時に初めて「履行不能」に陥ると考えるので、賃貸借契約が解除された際の転貸借契約の終了時期は「賃貸人が転借人に明渡し請求をした時」になるのである。

 このような理屈になります。なんだか、わかるようなわからないような、そんな理屈ですよね(笑)。
 ただ、これは判例で示されていることなので、納得の如何に関わらず「こうなっているんだ」と、強引に納得してください。

賃貸借契約の合意解除と期間満了により終了した場合の転貸借

 事例1事例2では、転貸借における家賃滞納による賃貸借契約(原賃貸借契約)の解除の問題について見て参りました。
 この「家賃滞納による解除」というのは、債務不履行(履行遅滞)による解除です。このような解除は「法定解除」になります。
 これは法律の定めによって、一定の要件を満たした場合に、債権者から一方的になされる解除です。
 さて、では次のような場合はどうなるのでしょうか?

事例3
BはA所有の甲建物を賃借している。BはAの譲渡を得て、適法に甲建物をCに転貸している。その後、AとBの合意により、AB間の賃貸借契約が解除された。


 この事例3に登場するAB間の解除は「法定解除」にはなりません。AB間の解除は、互いの合意のもとに行われています。このような解除は「合意解除」と言います。
 さて、問題はここからです。
 家賃滞納による賃貸借契約の「法定解除」の場合は、賃貸人は転借人への催告は必要ありません。転借人をシカトして、賃貸借契約を解除できます。転借人は、賃貸人から「その転借している不動産から出てけ!」と言われれば、もはやどうすることもできません。
 ところが、この事例3では、AB間の賃貸借契約は合意解除されています。
 この場合、転借人Cは一体どうなるのでしょうか?

[関係図]

(オーナー)  (賃借人)
 賃貸人    転貸人     転借人
  A        B       C
所有・貸す→借りる・貸す →借りる・使用
     ↑       ↑
   賃貸借契約   転貸借契約
     ↑
    合意解除

 結論。AB間の賃貸借契約の合意解除は、転借人Cに対抗できません。
 したがいまして、転借人Cは「甲建物はワタシが転借しているのだ!」と主張して、堂々と甲建物を使用し続けることができます。

なぜ合意解除を転借人に対抗できないのか

 AB間の賃貸借契約の合意解除は、転借人Cが持つ「甲建物の使用収益権」踏みにじることになってしまいます。
 というのは、転貸人Bは、BC間の転貸借契約により、転借人Cに対し「甲建物を使用収益させる義務」を負ってます。それはつまり、BC間の転貸借契約により、転借人Cには「甲建物の使用収益権」という権利があるということです。
 ましてや、甲建物のオーナーである賃貸人Aも、BC間の転貸借契約には承諾を与えています。それにも関わらず、AB間で勝手に合意して賃貸借契約を解除し、転借人Cに「AB間の賃貸借契約は解除したから、甲建物から出てってくれ」と迫るのは、信義則に反し許されません。(判例)※
※信義則についての解説は「不動産売買契約~背信的悪意者と信義則について」もご参照ください。
 したがいまして、AB間の賃貸借契約が合意解除されても、賃貸人Aは、転借人Cに対し、甲建物の明渡し請求はできないのです。

賃貸借契約が期間満了により終了した場合

 AB間の賃貸借契約が、期間満了により終了した場合、転借人Cはどうなるのでしょう?
 この場合は、賃貸人Aは、AB間の賃貸借契約の期間満了による終了を、転借人Cに対抗できます。
 なぜなら、転借人Cは、BC間の転貸借契約を結ぶ際に、AB間の賃貸借契約の終了時期も分かっていたはずだからです。
 したがいまして、AB間の賃貸借契約が期間満了により終了すれば、転借人Cは素直に、甲建物を退去しなければなりません。


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。

【転借人が所有権取得】賃貸借も転貸借契約も混同せずに存続する理由

▼この記事でわかること
転借人が所有権を取得すると?
混同について
賃貸借&転貸借契約が混同せず存続する理由
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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転借人が所有権を取得

事例
BはA所有の甲建物を賃借している。BはAの承諾を得て、適法に甲建物をCに転貸している。その後、Cは甲建物の所有権を取得した。


 これは、転借人Cが甲建物の所有権を取得したことによって甲建物の賃貸人になった、というケースです。
 さて、この場合、賃貸借契約と転貸借契約はどうなるのでしょうか?

(オーナー)  (賃借人)
 賃貸人    転貸人     転借人
  A        B       C
所有・貸す→借りる・貸す →借りる・使用
     ↑       ↑
   賃貸借契約   転貸借契約

そして

賃貸人  所有権  転借人から賃貸人
 A      →        C

賃借人?転貸人?   転借人?賃貸人?
    B          C
  借りる?貸す? ⇆   借りる?貸す?
             ↑
        賃貸借契約?
        転貸借契約?

 どうなるのか?
 結論。転借人Cが甲建物の所有権を取得しても、賃貸借契約も転貸借契約も存続します。
 したがって、元々あったBC間の転貸借契約と、Cが甲建物の所有権を取得したことによるCB間の賃貸借契約が併存することになります。
?女性
 は?て感じの結果ですよね(笑)。ここからその理屈を解説して参ります。

混同

 法律の基本的な考え方からすれば、転借人Cが所有権を取得すると、転借人Cが元々持っていた転借権が混同により消滅するはずです。
 混同とは、一人の者が所有権と他の物権を取得したことにより、同時に持っていても無意味な権利が消滅することです。
 民法の条文はこちらです。

(混同)
民法179条
同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。


 この民法179条だけでは今一つ分かりづらいので、具体例を挙げます。

BはA所有の甲土地の借地権を取得した。その後、Bは甲土地の所有権を取得した。

 これは、元々Aの所有している甲土地を賃借していたBが、自ら甲土地の所有権を取得した、というケースです。
 この場合、Bは、甲土地の借地権と所有権の両方を持つことになります。
 しかし、所有権と借地権の両方を持っているということは「自分の所有物を自分と賃貸借している」という、訳の分からない状態になってしまいます。
 したがいまして、Bが所有権を取得したことにより、借地権は意味のないものになり、その借地権は消滅します。これが混同です。つまり、Bが自ら甲土地の所有権を取得したことにより混同が生じ、借地権は消滅するのです。※
※なお、民法179条には続きがあり、混同が生じないケースも規定しています。それは抵当権などが絡んでくるケースなのですが、それにつきましては、また別途改めて解説します。

賃貸借契約も転貸借契約も存続する理由

 混同についてはおわかりになりましたよね。
 さて、それでは話を冒頭の事例に戻します。
 転借人Cが甲建物の所有権を取得しても、混同は生じません。したがいまして、賃貸借契約も転貸借契約も存続することになり、下記のような状態になります。

(オーナー)  (賃借人)
 賃貸人    転貸人     転借人
        B      
所有・貸す→借りる・貸す →借りる・使用
     ↑       ↑
   賃貸借契約   転貸借契約

 Cは、転借人でありながら賃貸人(オーナー)も兼ねることになります。
 なんかややこしい!
 ですよね。しかし、これは転貸人Bの権利の保護のため、やむを得ないのです。
 というのは、元々、転貸人Bは転借人Cから家賃を受け取っています。もし、転借人Cが甲建物の所有権を取得したことで混同が生じ、それに伴ってBC間の転貸借契約が消滅してしまうと、転貸人Bは、転借人Cから受け取れるはずの家賃を受け取れなくなります。それは転貸人Bの、転借人Cに対して持つ賃料請求権を害すことになります。
 したがって、転貸人Bの権利を保護するため、BC間の転貸借契約も存続することになるのです。
 BC間の転貸借契約が存続するということは、Cは、引き続き転貸人Bへ家賃を支払います。そして、転貸人Bは、賃貸人(オーナー)としての地位も取得したCへ家賃を支払います。
 つまり、BはCへ家賃を支払い、CはBへ家賃を支払う、というちょっとオモシロイ状態になります。


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。

カテゴリ別項目一覧

▼各項目のページへのリンクになっています

【元付業者と客付業者】今さら聞けない不動産賃貸借契約の超基本!
今更聞けない!【敷金 礼金 保証金 敷引き 償却】【原状回復義務と経年劣化&通常損耗と特約】
【賃貸人たる地位の移転(オーナーチェンジ)と敷金】滞納家賃がある場合/賃借人が退去して敷金返還前のオーナーチェンジの場合
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【元付業者と客付業者】今さら聞けない不動産賃貸借契約の超基本!

▼この記事でわかること
不動産賃貸借契約の超基本
仲介する不動産業者には元付業者と客付業者がいる
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、できるだけわかりやすく解説して参ります。
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不動産賃貸借の超基本

 住宅用にアパートやマンションや一軒家、あるいは事業用に事務所や店舗として賃貸物件を借りる場合、不動産業者の仲介のもと、貸主と賃貸借契約を結ぶことがほとんどです。
 さて、ここでまずひとつご注意していただきたいのが、賃貸借契約を結ぶのは基本的に、借主と貸主です。
 仲介した不動産業者は、借主と貸主の賃貸借契約を仲介するだけです。言ってみれば結婚する夫婦の仲人みたいなものです。
 賃貸借契約そのものは、あくまで借主と貸主が直接結ぶものです(まれに代理人・代理業者が入る場合もある)。
 皆さまが賃貸物件を借りるとき、皆さまと賃貸借契約を結ぶのは仲介する不動産業者ではなく、貸主(家主・大家・オーナー)です。
 ですので、賃貸借契約を結んで仲介手数料等の決済をし、物件の引渡しを受けて使用を開始した後は、仲介業者とは基本的に関わることはありません。関わるのは、その物件の管理会社や貸主・貸主側の不動産業者です。
 あれ?今住んでるアパートは仲介業者と関わり続けているけど?
 はい。それは、その物件の管理会社が直接仲介したケースか、貸主側の不動産業者が直接仲介したケースか、あるいは不動産業者が所有する物件を、その不動産業者と直接、賃貸借契約を結んだケース等になるかと思われます。

元付と客付

 元付・客付という言葉は、不動産業界に従事していた方や不動産に詳しい方などでないと、そこまで馴染みのない言葉かもしれません。
 しかし、この元付・客付というのは、賃貸でも売買でも、不動産について考えるときには避けて通れない基本中の基本になりますので、ここで簡単に解説しておきます。

仲介する不動産業者には元付業者と客付業者がいる
家くん
 まず初めに結論だけ申し上げておきます。
 元付業者とは、貸主(オーナー)側の不動産業者のことです。
 客付業者とは、借主側の不動産業者のことです。
 これだけでもお分かりになる方はお分かりになると思いますが、事例とともにもう少し詳しく、具体的に解説します。

事例
Aは賃貸物件を借りたいと考え、ネットで賃貸物件を調べて内見を申し込み、a不動産業者の案内のもと、B所有の甲アパートを内見した。甲アパートを気に入ったAは、a不動産業者から貰った申し込み用紙に必要事項を記入し、申し込みを入れた。数日後、申し込みが通ったAは「契約はこちらのb不動産業者の事務所でお願いします」との連絡と通知をa不動産業者から受けた。後日、Aはb不動産業者の事務所にて、B所有の甲アパートの賃貸借契約を結んだ。


 これは実際に私自身が客として経験し、かつ過去に仕事で賃貸物件の仲介をしたときにも経験した実例です。
 この事例で言うと、a不動産業者客付業者で、b不動産業者元付業者(である場合が多い)です。
 そして、甲アパートの賃貸借契約を結んでいるのはとBになります。

 借主(客)  契約  貸主(オーナー)
   A     ー     B
客付業者     仲介     元付業者
   a            b

 ちなみに、b不動産業者は甲アパートの管理会社という場合も多いでしょう。その場合、甲アパートの引渡しを受け、使用を開始した後に、甲アパートで起きた問題の問い合わせ先はb不動産業者になっていたりします。
 また、管理会社は管理会社でまた別の業者の場合もあります。分譲マンションなんかの場合は、管理組合があって、そこでお願いしている管理会社があったりします。さらに、管理会社は管理会社で、管理業務を他社に委託している場合もあります。ややこしいですよね(笑)。
 このように、複数の業者がひとつの物件に様々に関係しているという構造が、不動産というものを一般に分かりづらくしている原因なのかもしれません。
 もちろん、大家と管理会社だけ、という極めてシンプルなケースもありますが。
 また、内見に行ったら2社の不動産業者の人間が来た、という経験がある方もいらっしゃるかと思いますが、それは客付業者と元付業者の両方の人間が来たケースです。その場合、名刺をくれた方が客付業者でしょう。
 また、さらに別に管理会社がいて、客付と元付と管理会社の三社の人間がわらわらと来る場合もあります(笑)。


 という訳で、今回は元付と客付について解説して参りました。
 後半、管理会社の話も出てきて訳が分からなくなってしまった方もいらっしゃるかもしれません。
 とりあえず、ここで覚えておいていただきたいのは、客付借主側元付貸主側の不動産業者ということです。
 ごくごく当たり前の部分ではありますが、まずはここをしっかり押さえてください。(ちなみに売買だと、買主側が客付、売主側が元付となります)

 最後までお読みいただきありがとうございます。

今更聞けない!【敷金 礼金 保証金 敷引き 償却】【原状回復義務と経年劣化&通常損耗と特約】

▼この記事でわかること
敷金とは
礼金とは
保証金・敷引きとは
償却とは
原状回復義務~経年劣化・通常損耗
特約について
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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敷・礼・保・敷引・償却の超基本
敷金・礼金

 敷金・礼金(保証金・敷引き)は、賃貸物件を借りるときに必要になる費用です(不動産だけでなく、駐車場を借りるときに必要になるケースもあります)。よって、不動産賃貸借について考える上で、敷金・礼金は避けて通れません。
 なのでまずは、そもそも敷金・礼金とは何なのか?という基本のキから解説して参ります。※
「住宅用の不動産賃貸借」という前提で解説しますので、その点あらかじめご了承ください。

敷金とは

 敷金とは、アパートでもマンションでも一軒家でも、賃貸物件(特に家屋)を借りるときに、借主である賃借人(借りる人のこと)が、賃料その他の債務を担保するために、貸主である賃貸人(または管理会社)に、あらかじめ差し入れるお金のことです。
 そして、敷金は退去時に、滞納分の家賃、通常損耗・経年劣化以外の原状回復費用などを差し引いて、賃貸人から賃借人に返還されます。
 なんか説明が小難しい...
 すみません(笑)。それではめちゃめちゃ噛み砕いて簡単に言います。
 敷金とは、借りる人が「この家を借りる担保(保証)として、このお金を一旦、家主に預けます」というものです。そして、退去時に差し引かれる分は差し引かれた上で返還されるのです。
 なお、念のため申し上げておきますが、敷金の返還は、家を明け渡した後になります。家の明け渡しと敷金の返還は同時履行の関係ではありません。これは慣習であると同時に、判例においても「明渡しは先履行」と結論づけられています。
 では、実際の敷金の返還時期はいつになるのかというと、これはケースによってまちまちです。2週間ぐらいのときもあれば、1ヶ月以上かかるときもあります。

礼金とは

 これは敷金とは違い、一旦預けて退去時に返還されるものではなく、払いっぱなし返還されない金銭です。
 つまり、借りる側からすれば、仲介手数料と同じようなものです。ただ、仲介手数料は仲介業者に払うものですが、礼金は貸主に払う金銭になります。

保証金・敷引きとは

 実は、関西(といっても京都・滋賀は除かれるとのこと)や九州の一部ではルールが異なっていて、敷金・礼金にあたるものが「保証金・敷引き」と呼ばれていたりします。

【保証金】
 これは、敷金とほとんど変わりません。借りる人が家主(または管理会社)に一旦預け、退去時に差し引かれる分は差し引かれた上で返還される金銭です。
 ただ、敷金と違う点は、保証金の場合、あらかじめ決められた敷引きされる分のお金は100%返還されません。

【敷引き】
 これは、一旦預けた保証金の中から、確実に差し引かれる分をあらかじめ決めたものです。
 例えば、家賃10万円で「保証金2ヶ月・敷引き1ヶ月」となっていたら、敷引き1ヶ月分の10万円は100%返還されることはありません。仮に退去時に、他にいっさい差し引かれる分がなかったとしても、返還される保証金は最大でも10万円になります。敷引き1ヶ月分の10万円は100%返ってきません。
アパート
補足:償却とは

 実は関東などでも、敷引きと同じ意味合いで「償却」という形で、確実に差し引かれる分をあらかじめ決めているケースもあります。
 例えば「敷金2ヶ月・償却1ヶ月」のようにです。これは、先述の「保証金2ヶ月・敷引き1ヶ月」と意味は一緒です。つまり、敷金として預けた家賃2ヶ月分は、仮に退去時に、他にいっさい差し引かれるものがなくても、1ヶ月分は償却金として確実に差し引かれるということです。ですので「敷金2ヶ月・償却2ヶ月」となっていたら、その敷金は全額返ってきませんので、ご注意ください。
 ちなみに「礼金ゼロ!」とうたっておきながら、償却という形で、敷金から確実に差し引かれる分をあらかじめ決めている場合もあります。要するに、礼金ゼロ!で客を集めておいて、償却で確実に回収できる金額を定めておく、という寸法です。これは別に詐欺でもなんでもなく、貸主(オーナー)側からすると極めて合理的な方法なんです。
 ただし、償却はあくまで敷金から差し引くものです。礼金とは違いますので、この点はお間違いないようお気をつけください。

原状回復義務

 ここからは、不動産賃貸借における原状回復義務について解説して参ります。
 なお、わかりやすくするために「住宅用の不動産賃貸借」という前提での解説となりますので、あらかじめご了承ください。

 不動産賃貸借における原状回復義務とは、借りた家を返す時(退去時)、つまり、引越し等で賃貸借契約を終わらせてその家を出る際に、その家を元の状態(原状)に戻す義務のことです。
 ちなみに「現状」ではなく「原状」です。現状とは、現在の状態のことです。原状とは、元の状態のことです。
 したがって、元の状態に戻す義務「原状回復義務」なのです。

原状回復義務といっても何もかも元に戻さなければならない訳ではない

 借主は、原状回復義務を負います。しかし!原状回復といっても、何もかも元の状態に戻さなければならない訳ではありません。
 というのも、経年劣化通常損耗については、原状回復義務には含まれないからです。

【経年劣化】
 物には経年劣化というものがあります。
 経年劣化とは、時間の経過による自然な劣化です。
 つまり、人が時とともに年老いていくのと同じように、物も時とともに年老いていきます。無論、家も一緒です。
 この経年劣化については、借主は修繕義務を負いません。つまり、経年劣化については原状回復義務には含まれないのです。

【通常損耗】
 通常の使用の仕方による損耗を通常損耗と言います。
 要するに、通常損耗とは、常識的な普通の使い方で不可抗力的にできる傷や汚れのことです。
 この通常損耗による負担は「家賃に含まれている」と考え、通常損耗については、借主の原状回復義務には含まれません。
 つまり、常識的な普通の使い方で不可抗力的にできる傷や汚れは、毎月払っている家賃でカバーしているので、退去・明渡しの際の原状回復義務には含まないということです。

 以上のように、原状回復義務といっても、経年劣化と通常損耗を除いた上での原状回復になります。
 原則として、原状回復費用には、経年劣化と通常損耗による修繕費用は含まれませんので、ご注意ください。

補足:特約の存在

 ここでひとつ、やっかいな問題がございます。
 それは特約の存在です。
 どういうことかと言いますと、賃貸借契約書を交わす際に、契約書に特約事項という形で、本来なら経年劣化通常損耗として原状回復義務には含まれないものも、退去時の借主負担として定めてしまっていることがあるのです。
 そして、その特約事項の定めが、特段不当なものでなく、賃貸借契約を結ぶ際に、借主も理解し納得した上で定められていたのならば、その特約事項は借主の負担義務として有効なものとなります。
 これは退去時に非常にトラブルになりやすい原因のひとつです。そして、このようなトラブルに関しましては、様々なケースがあり、ケースごとに考えなければなりません。
 したがって、ここではこの問題に関しまして、これ以上の深入りはいたしません。詳しいことは原状回復をめぐるトラブルとガイドラインなどをご参照ください。


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。

【賃貸人たる地位の移転(オーナーチェンジ)と敷金】滞納家賃がある場合/賃借人が退去して敷金返還前のオーナーチェンジの場合

▼この記事でわかること
賃貸人たる地位の移転(オーナーチェンジ)と敷金問題の基本
債権だけでなく義務も引き継がれる
滞納家賃がある場合
賃借人が退去してから敷金が返還されるまでの間にオーナーチェンジした場合
(上記クリックorタップでジャンプします)
 今回はこれらの事について、その内容、意味、結論、理由など、わかりやすく学習できますよう解説して参ります。
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賃貸人たる地位の移転と敷金~オーナーチェンジの敷金問題

事例1
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し、引き渡した。その後、Aは甲建物をCに売却し、AからCへ登記を移転した。


 いきなり事例から始まりましたが、これは、借主(賃借人)Bが甲建物を賃借中に、貸主(賃貸人)がAからCへ代わった、いわゆるオーナーチェンジのケースです。
 さて、この場合、BからAに預けられている敷金は一体どうなるのでしょうか?

 最初に結論を申し上げておきますと、借主(賃借人)Bから旧オーナーA(旧賃貸人)に預けられた敷金は、新オーナーC(新賃貸人)に引き継がれます。
 よって、Bは改めて新オーナーCに敷金を預ける必要はなく、旧オーナーAがBに敷金を返還する必要もありません。
 旧オーナーAに預けられた敷金は、AC間の甲建物の売買契約の手続きの中で、Aから新オーナーCへと引き継がれます(実務上は売買代金から差し引いたりする)。
 したがいまして、借主(賃借人)Bは、何もする必要はありません。Bがやることがあるとすれば「登記簿(登記事項証明書)による所有者の確認」です。つまり、本当にオーナーがAからCへ移ったのか?の確認です。

敷金は不動産賃貸借契約における担保

 敷金は、不動産賃貸借契約における賃貸人の債権(家主・オーナーの賃料債権など)についての担保になります。※
 そして、担保には随伴性がありますので、旧オーナーの持つ債権(賃料債権など)が、オーナーチェンジによって新オーナーに移ることにより、担保である敷金も、それにともなって新オーナーに移っていくのです。
※(担保についての詳しい解説は「抵当権の超基本~その特徴と意味を徹底解説!」をご覧ください)

随伴性とは親ガモ子ガモの関係性
鴨
「随伴性がある」とは、どういう意味かと言いますと「子ガモは親ガモにくっ付いていく」という意味です。
 事例1のような不動産賃貸借の場合、親ガモは「オーナーの持つ賃貸人としての債権」です。賃貸人としての債権とは、賃借人Bに対し家賃を請求したりする債権です。
 そして子ガモは、担保である敷金です。
 したがいまして、オーナーチェンジにより親ガモがAからCに移り、敷金という子ガモは、それにともなって親ガモにくっ付いていくという訳です。

債権だけでなく義務も引き継がれる

 なお、オーナーチェンジでCが新オーナーとなった後の、Bの敷金返還請求相手は誰になるのか?ですが、当然、それは新オーナーのCになります。
 なぜなら、オーナーチェンジにより引き継がれるのは「賃貸人としての債権」だけではなく「賃貸人としての権利・義務」の全てが引き継がれるからです。つまり、旧オーナーAの敷金返還義務新オーナーCへと引き継がれるのです。
 また、賃貸人は賃借人に目的物を使用収益させる義務を負います。簡単に言うと、家主(オーナー)は借主に貸した賃貸物件を使わせてあげる義務を負うということです。
 加えて、賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務も負います。簡単に言うと、家主(オーナー)は借主に貸した賃貸物件を、借主が使用するために必要な修繕を行わなければならない、ということです。
 このような義務は「賃貸人(オーナー)としての権利・義務」の中に当然含まれるものです。

滞納家賃がある場合

 続いて、次のようなケースではどうなるのでしょうか?

事例2
BはA所有の甲建物を借りて住んでいる。しかし、Bは家賃を滞納していた。その後、Bから滞納家賃が払われないまま、Aは甲建物をCに売却し、その旨の登記をした。


 これは、賃貸中の物件の滞納家賃が払われないままオーナーチェンジしたケースです。
 敷金賃貸人としての権利・義務は、オーナーチェンジにともなって新オーナーへと移っていくことはすでに記したとおりです。
 さて、ではこの事例2の、賃借人(借主)Bの滞納家賃は一体どうなるのでしょうか?
 賃貸人としての権利・義務の全てが新オーナーへと移っていくのなら、それにともなって、滞納家賃についても新オーナーへと移っていきそうなものですが...。
 結論。賃借人Bの滞納家賃については、旧オーナーAの元に残ります。
 つまり、Bの滞納家賃についての賃料債権旧オーナーAの元に残るので、Bに対し「滞納している家賃を払え!」と請求できるのはAになります。新オーナーCではありません。
 もし、Bの滞納家賃についての債権をAからCに移す場合は、別途、債権譲渡の手続きが必要になります。(債権譲渡についての詳しい解説は「債権譲渡の超基本~債権は譲れる?」をご覧ください)

 このように「オーナーチェンジ前に発生していた滞納家賃」については、オーナーチェンジにともなって自動的に新オーナーへと移っていくということはありません。
 オーナーチェンジ前の滞納家賃の賃料債権は、旧オーナーの元に残ったままになります。
 敷金などとは違い、滞納家賃についてはこのような扱いになりますので、ご注意ください。

賃借人が退去してから敷金が返還されるまでの間にオーナーチェンジ

事例3
A所有の甲建物を借りて住んでいたBは、賃貸借契約の終了に伴い、甲建物を退去・明け渡した。その後、Bに敷金が返還される前に、Aは甲建物をCに売却し、その旨の登記をした。


 これもオーナーチェンジのケースですが、少し状況が複雑になってきました。
 この事例3は「賃借人が退去してから敷金が返還されるまでの間」というタイミングで、オーナーチェンジが行われたケースです。
 さて、ではこの事例3で、賃借人Bが旧オーナーAに預けていた敷金は一体どうなるのでしょうか?
 敷金には随伴性があります。ですので、通常どおりに考えれば、オーナーチェンジにともなって、敷金についてもAからCへと移っていきそうですが...。
 結論。この事例3のような場合、敷金については、Aの元に残ったままになります。
 つまり、賃借人Bが敷金返還請求する相手旧オーナーAで、賃借人Bに対して敷金返還義務を負うのも旧オーナーAになります。
 え?なんで?
 そうなりますよね。でもこれは法律的な理屈ではなく、実務上の要請と賃借人の保護という2点から、このような結論になるのだと考えられます。なので、理屈抜きに強引にこの結論を覚えてしまってください。


 というわけで、今回は以上になります。
 宅建試験や行政書士試験や公務員試験などの民法の学習、独学、勉強、理解の助力としていただければ幸いです。
 最後までお読みいただきありがとうございます。

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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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