2021/10/26
▼この記事でわかること
・
試験科目とその比重の確認・
行政法と民法の短期間の対策が難しい理由・
まずは「ざっくり」勉強計画を立てる・
初学者のテキストの選び方・
中級者のテキストの選び方・
選ぶべきテキストの内容・
どのタイプの人間がどのタイプのテキストがいいのか(上記クリックorタップでジャンプします)
行政書士試験の勉強方法 行政書士試験を突破するには、どう勉強していったらいいのでしょう?
まず、行政書士試験の試験範囲となる科目について確認します。
憲法・基礎法学
行政法
民法
商法・会社法
一般知識等 上記の科目の中で、
最も比重の大きい科目は行政法です。
行政法は、宅建試験でいえば業法にあたるポジションになります。
次いで比重の大きい科目は民法です。
その次が憲法・基礎法学。そして一般知識等、商法・会社法と続きます。
以上のことから、優先的に勉強しなければならない科目がどれか、わかりますよね。
そうです。行政法です。
次いで民法ということになりますが、この2科目については双璧です。
両科目とも、早い段階からしっかりと学習しておく必要があります。
というのも、その出題数と得点配分に加えて
記述式があるということもさることながら、
行政法と民法は、そもそも
実力をつけるのに非常に時間を要する科目だからです。
短期間の勉強では中々成果の上がりづらいのが行政法と民法なのです。
法学部出身の方等であれば、短期間でも対策が可能かもしれません。しかし、法学の基礎を全く持たない人間には、少なくとも私の見解では、短期間の対策はかなり厳しいです。
したがいまして、行政書士試験を受けるにあたって、行政法と民法、この2科目をどう攻略するかが、まず大きなポイントとなります。
行政法と民法の短期間の対策が難しい理由 それは、行政法も民法も
暗記でどうにかできない科目、つまり、
理解の科目だからです。
それは憲法・基礎法学も同様なのですが、憲法・基礎法学につきましては、ある程度演習を重ねると何となく解けるようになります。
もちろん、個々人で向き不向きがあるので一概には言えませんが。
ただ、そもそも憲法・基礎法学と行政法・民法では出題数が違います。憲法は5問、基礎法学は2問なので、最悪、憲法・基礎法学で全問不正解でも他の科目で取り返すことは現実的に十分可能です。しかし、
行政法と民法である程度点を稼げないとなると、
合格は相当厳しいでしょう。
民法と行政法の学習は時間がかかる 先程、行政法と民法は理解の科目と述べましたが、実際は両科目にも暗記の要素はあります。
特に行政法の場合、条文からの出題もありますので、その場合はしっかりと条文を覚えているかが問われます。ただそれも、ある程度の
理解の土壌があった上でないと、
暗記をすることも中々難しいのではないか?というのが私の認識です。
じゃあ実際どれぐらいの勉強期間が必要なの? 私の見解では、
1年間がまず目安かなと考えます。
もちろん、これも人によりけりですが。
行政法と民法の勉強方法は、よく
ペンキ塗りに例えられます。一度塗ったら乾かして、また塗って乾かして、を繰り返す。そうやって繰り返し繰り返し学んでいくうちに理解が深まっていく科目、ということです。
最初はよくわからなかったことも、繰り返し繰り返し勉強することによって「あ、こういうことだったのか!」となるのです。
したがって、まず目安として1年間ぐらいは必要なんじゃないかと思うわけです。
そりゃあ誰だって、できるだけ短期間短時間の勉強で済ませたいと思うところではあります。、
しかし、それなりの根気が必要なのは事実でしょう。
さて、ここまではほとんど、前提となる心構えの部分の話ですが、決してもったいぶっている訳ではございません(笑)。
ここからいよいよ、具体的な勉強方法について記して参ります。
行政書士試験の勉強計画 勉強を始めるにあたり、私の場合、まず
勉強方法の勉強から始めました。(これについて
詳しくはこちら)
そしてたどり着いた私なりの見解、それを今からお伝えいたします。
「ざっくり」と計画を立てる 勉強を始めるにあたり、まず何から始めればいいのか。
私の場合は、まず試験日までの計画を立てました。
試験日から逆算していって
ざっくりと計画を立てました。
ん?なぜざっくりなの?綿密な計画を立てた方がいいんじゃね? ここがひとつポイントです。
計画を「ざっくりと」立てる理由は、
状況の変化に対応するためです。
どんなに綿密な計画を立てたところで、物事が計画通りに運ぶ事は中々ありません。勉強を進めていくうちに科目による得意不得意も出てくれば、仕事やプライベートに左右され予定が崩れることもしばしばです。
なので、計画はざっくりと立てるのです。その上で、
状況の変化に応じ、その都度計画を検証し修正しながら進めるのです。
つまり、ざっくりと計画を立てるということの意味は、
状況の変化に対応できる計画を立てるという意味です。
こと独学においては、客観的な分析と自己修正能力は非常に重要です。
計画に沿って勉強しながらも「これで本当にいいのか?」「ここは足りないんじゃないか?」「もっとこうした方がいいんじゃないか?」と分析・検証・修正しながら進めていくのです。
むしろ、それができないのであれば、独学による合格は諦めた方がいいでしょう。
独学だからエライとかスゴイとかもないですから。
スクール通おうが独学だろうが、大事なのは結果を出す事です。
そして、
出した結果で得るもの(資格)は結局一緒ですから。
結果を出すのが目的なら、そのための
最善の手段を各々で講じるべきです。
勉強計画 それでは、私の場合はどういう計画を立てたのか、ご参考までにお話いたします。
私の立てた「ざっくり勉強計画」は次のような感じです。
① テキスト、問題集選び
② 民法と行政法と憲法のテキストをざっと読み込む
③ ②のテキストを読み込んだら過去問(全科目)をざっとやる
④ 過去問をやったら再びテキストを今度はじっくり読み込む
⑤ テキストをじっくり読み込んだら再び過去問をやる
⑥ ⑤をやりつつ商法会社法と一般知識等のテキストを読む
⑦ ⑤と⑥を終えたら本番形式で予想問題をやる
⑧ 記述式対策をやりつつ苦手科目の克服
⑨ 商法会社法、一般知識等の暗記
大体こんな感じでしょうか。
要するに、
試験日までの全体的な流れですね。
さて、上記の①から⑨までの中で、特に重要な部分はどこでしょう。
はい。実は、その特に重要な部分は①の
テキスト選びです。
それ勉強じゃねーじゃん!という声が聞こえてきそうですが(笑)。
しかし、このテキスト選びをいい加減に行ってしまいこれを失敗すると、まず合格できないでしょう。
実は、テキスト選びとは、それぐらい
重要なのです。
行政書士試験の勉強のテキスト選び
では、なぜそんなにテキスト選びは重要なのでしょうか?
テキスト選びは
勉強の根幹になります。
計画とテキスト選びは
勉強の地図になります。地図を間違えたら目的地にたどり着けませんよね?
したがって、テキスト選びは重要なのです。
使用テキストは、
試験に合格するためのテキストでなくてはなりません。
試験に
合格するという
目的を
達成する、そのための
手段となるテキストでなければなりません。
じゃあどんなテキストを選べばいいの? これは正直、人によって異なります。
ですので、あくまで私自身の話になります。
客観的な記述も交えながら進めていきますが、あくまで私自身の経験に基づいた話という前提は、お忘れにならないでお読みいただきたく存じます。
具体的なテキストの選び方 まず、初学者か経験者か(※)で当然、選ぶテキストは異なります。
まずは初学者の場合から見ていきます。
※ 経験者の定義ですが、行政書士試験は初受験でも法学部出身等で民法や行政法を体系的に学んだ経験がおありの方は経験者と考えます。
初学者の場合は、とにかく、
わかりやすく丁寧にかつ分量の多いものがいいでしょう。
この「分量の多い」というところがミソで、私が個人的に考える、ひとつ大事なポイントです。
なぜ分量の多いものがいいのか?その理由 それは、
説明・解説がしつこいぐらいわかりやすく丁寧に書かれていることが重要だからです。
端的に上手くまとめられたものは初学者には向きません。
コンパクトにまとめられたテキストの方が、手っ取り早く勉強できそうで良さそうす。しかし、初学者がそういったテキストに手を出すと、何も頭に入らず、理解できずに終わるでしょう。 算数がわからないのに数学は理解できません。つまり、数学を理解するための算数の基礎がしっかり説明されているテキストがいい、ということです。
私の考えでは、行政書士試験に関しては、
変に近道をしないようにした方がいいと考えます。ヘタに近道を選ぼうとすると逆に遠回りになりかねません。
「頭に入らない近道より頭に入る遠回りを選ぶ」 これが私のテキスト選びの考え方です。
つまり、
急がば回れです。
頭に入らないコンパクトなテキストより頭に入る分厚いテキストを選べ!これです。
もちろん、すでに基本的な事が理解できている中級者以上の方は、むしろ端的にまとめられているコンパクトなテキストの方が良かったりするでしょう。
しかし、初学者の方は、じっくり学べるテキストをお選びになることをオススメします。
中級者の場合 中級者以上の方は、すでにある程度、試験科目、範囲の中での得意・不得意が見えていると思います。
ですので、得意な部分は最低限の勉強をやりながら維持しつつ、不得意分野を中心に取り扱っているテキストを選ぶやり方があります。
どういうことかといいますと、民法のテキストでも、債権の分野が苦手な方は債権だけでひとまとまりになっているテキストを選ぶ等、不得意分野に絞ったテキスト選びを行う、ということです。
また、中級者以上であれば、短期集中的な勉強方法もありだと思います。ですが、やはり個人的には、よっぽど法学の素養がある人間以外は、行政書士試験の勉強については、ある程度じっくり行った方がいいかなと考えます。
したがって、ここでのまとめとして、初学者の方と中級者の方に共通して私から申し上げることは
急がば回れ
自分のレベル、状況に合ったものを選べ これになります。
で、具体的にどんな内容のテキストがいいの? はい。それではここからは、その肝心のテキストの内容の部分について、ご説明して参ります。
選ぶべきテキストの内容
では、一体どんな内容のテキストがいいのでしょう?
テキストは大きく分けると、次の3パターンに分けられます。
・文字、文章が中心のもの
・絵、図解が中心のもの
・上記2つの中間ぐらいのもの この3つの中でどれかを選ぶことになります。
では、どれを選ぶべきなのか?
これにつきましては、明確にこれだとは申し上げられません。なぜなら人によるからです。
ですので、まずは己がどういうタイプかを見極めてからになります。
下記に3つのタイプを挙げますので、ご自身はどのタイプなのかをお考えください。
1・読んで覚える
2・見て覚える
3・1と2の中間ぐらい
さて、みなさんはどのタイプでしょうか。
ちなみに、上記の「読んで覚える」と「見て覚える」の違いではこうです。読んで覚えるというのは、文章を読んで覚えるという意味です。そして、見て覚えるというのは、絵や図を見て覚える(記憶する)という意味です。
どうでしょう。ご自身がどのタイプかおわかりになりましたかね?
ちなみに、私は読んで覚えるタイプです。つまり、文章で頭に入れていくタイプです。そして、文章だけだとごちゃごちゃしてまとまらないものは、自分自身でノートに絵や図を書きます。私の場合はこうすると、すっと理解できるようになるのです。
どのタイプの人間がどのタイプのテキストがいいのか1【読んで覚えるタイプ】 このタイプの方は、
文字・文章が中心のテキストが良いと思います。
2【見て覚えるタイプ】 このタイプの方は、
絵・図解が中心のテキストを選ぶと良いと思います。
3【1と2の中間ぐらい】
このタイプの方は、
文章と図解がバランス良く記されているものが良いと思います。
実に単純な話ですよね(笑)。ですが、これは非常に大事なことです。
己を見極め、己に合ったものを選ぶ 時間もお金も有限です。
しっかりと自己分析をした上で、己に合ったものをお選びください。
手段は目的を達成するためでなければなりません。
目的があって手段があるのです。その逆はありません。
もし、自分がどのタイプか今ひとつよくわからないという方は、とりあえず
文章と図解がバランス良く記されているものを選べばいいと思います。そして、勉強を進めていく中で、文章で記述されている箇所の方が覚えやすいのであれば、改めて文章が中心のテキストを選べばいいですし、図解の部分の方が覚えやすいのであれば、改めて図解中心のテキストを選べばいいと思います。
時間は有限ですが、ここで焦る必要はありません。
最後に、これは私のちょっとしたアイディアなのですが、、、
文章中心のテキストは
家で読み込む用、
図解中心のテキストは
電車など移動中に眺める用、というふうに使い分けをするのもアリです。
実際、私は家などで読み込む用と移動中に眺める用を使い分けていました。
今ではスマホもあるので、移動中にも勉強できるサイト(このサイトとかw)やアプリを見つけて活用するのも良いですね。