消費貸借契約(金銭消費貸借契約)

 今回は消費貸借契約です。前回前々回に、物の貸し借りの契約である賃貸借契約と、タダで物を貸し借りする契約である使用貸借契約をご説明いたしました。
 では皆さん、お金の貸し借りは何契約でしょう?実は、お金の貸し借りは、賃貸借契約でも使用貸借契約でもありません。お金の貸し借りは、消費貸借契約というものになります。特にお金の貸し借りは、金銭消費貸借契約と言われます。
 賃貸借契約とどう違うの?
 賃貸借契約と消費貸借契約の違いは、賃貸借契約の場合、お金を払って物を借りて使って返す、ということになりますが、消費貸借契約の場合は、お金を払って物を借りて「消費」して消費した分を返す、ということになります。これではなんだかよくわかりませんよね(笑)。もう少し噛み砕いてご説明いたします。
 賃貸借契約の場合は、

 物を借りる→借りた物を使う→借りた物を返す

となるのは、何度もご説明申し上げたとおりです。それでは、消費貸借契約の場合はというと、お金で例えるのがわかりやすいので、金銭消費貸借契約でご説明いたしますと、

 お金を借りる→お金を使う→使ったお金を返す

となります(利息に関しては説明をわかりやすくするために省きます)。

消費貸借契約は「価値」を貸し借りする契約

 お金を借りたら借りたお金は返しますよね。当たり前の話です。さて、ここでよく考えてみて下さい。家を借りたら借りた家を返しますが、お金の場合は「借りた分のお金」を返します。例えば、友達から1万円を借りたとしても、返す時は実際、友達から受け取ったその1万円札自体を返す訳ではないですよね。受け取った1万円札と同じ価値分の金銭を返しますよね。1万円を借りて1万円札を受け取っても、返すときは変な話、100円玉100枚で返しても良い訳ですよね。まあ、そんな返し方をしたら相手は嫌がるでしょうが(笑)。
 この違い、おわかりになりましたでしょうか。これが賃貸借と消費貸借の違いです。賃貸借物を借りる契約で、消費貸借はいわば価値を借りる契約です。

民法587]
消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還することを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

 上記の条文からもわかるように、借りた物そのものを返すのではなく、「種類、品質および数量の同じ物」を返すのが消費貸借契約、ということです。つまり、貸した側は、貸した物そのものを返してもらう必要がないので、借りた側は、借りた物を賃貸借や使用貸借よりもっと自由に使える、というメリットがあります。もちろん貸した側にもメリットがあり、お金を貸した場合は、利息分を加算した額を返してもらうことで利益を得られます。

 以上、今回は消費貸借契約について簡単にご説明いたしましたが、お金の貸し借りの問題に関しましては、まだまだ色々と深い問題がたくさんございますので、また別の機会に詳しく解説したいと存じます。
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委任契約と請負契約 業務委託契約の注意点

 今回は委任契約請負契約です。委任と請負、似て非なるこの契約の違い。ご説明して参りたいと思います。
 まず、委任と請負に関する、民法の条文を見てみましょう。

(請負)
民法632条
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる

(委任)
民法643条
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる

 違い、お分かりになりますでしょうか?請負と委任では、かなり重要で大きな相違点がございます。それは、請負仕事の完成を約す(約束する)契約委任法律行為を行うことを約す契約です。これだけだと今ひとつピンと来ませんよね。もう少し詳しく解説いたします。

請負契約

 請負は、仕事の完成を約す契約なので、請け負った仕事が完成して初めて契約の履行が達成されたことになります。「契約の履行」というのは「約束を果たす」という意味です。これを建築工事で例えると、家を建てたいと考え、工務店に建築を依頼したとします。家の建築を請け負った工務店は「家を完成させること」義務付けられます。請負契約は、仕事の完成を約す契約ですので、家が完成して初めて報酬が発生します※。
※実際には手付金とか中間金とか途中で支払いが発生する場合もあります。
 これに対して、委任の場合は、あくまで法律行為をすることを委託するだけなので、請負のような「仕事の完成の義務」は発生しません。

委任契約・てゆーか法律行為の委託って?

 法律行為の委託とは、例えば、不動産を購入すると登記をしますが、不動産の登記に関しては、司法書士が行いますよね。この「不動産登記を司法書士にやってもらうこと」が、まさしく法律行為の委託、すなわち委任になります。
 法律行為以外の委託はないの?
 もちろんあります。先の不動産の例ですと、不動産を売りたい・買いたい、というときは、不動産業者に物件を探してもらったり、買主を探してもらったりしますよね。これは媒介契約と言われるものなのですが、この媒介契約は「法律行為以外の委託」になり、委任契約ではなく、準委任契約というものになります。

請負契約と委任契約とでは責任が違う

 請負契約と委任契約の一番の違いは、「仕事の完成の義務を負うかどうか」、ここです。つまり、請負契約の方が責任が重くなります。
 日頃のビジネスの実務の中で、業務委託契約を結ぶことはよくあります。ここで注意して頂きたいのが、その業務委託契約が「請負なのか委任なのか」です。委託契約という名の契約でも、実質は請負契約になっている場合もあるからです。契約というのは、双方とも自己に有利な内容で結びたいものです。後々のトラブルを避けるためにも、きちんと各条項を確認し、気になるところがあれば、しっかりと協議した上で(現実問題として、ビジネスの世界はスピード感を要求されるものですし、相手方との力関係もありますから、実際にはそれも中々難しいこともありますが...)、できる限り適切な判断ができるように、ご注意願いたいと存じます。
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サイト運営者

根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
宜しくお願いします。

保有資格:
行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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