売主の担保責任 一部他人物売買

事例
売主Aは買主Bと甲土地の売買契約を締結した。しかし、甲土地はAとCの共有の土地で、売主AはCから持分権を取得できなかった。


 これは一部他人物売買の事例です。ちなみに、甲土地がAとC共有というのは、甲土地の所有権をAとCで共有しているということです。現実には、それぞれの持分の割合を決め、共有の登記をします。そして、それぞれの持分の権利を持分権といいます。実際によくあるのが、AとCが兄弟で親の土地を相続した、というケースです。共有や相続に関しましてはまた改めてご説明いたします(共有についてはこちらへ)。
 話を事例に戻します。この事例で、買主Bは何ができるでしょうか?この一部他人物売買でも、全部他人物売買と同様、買主Bが善意か悪意かによって、できることが変わってきます。

買主Bが善意の場合
 Bが善意というのはつまり、「甲土地の一部が他人の物とは知らず甲土地全てが売主Aの物だと誤信していた」ということです。この場合は、買主Bの保護の必要性が高いと考えられ、Aの持分だけでは買主Bは甲土地を買い受けることはなかったときは、つまり「Aの持分だけ?それだったらいらねーよ」となっていたときは、契約の解除ができます。加えて、損害が発生していれば損害賠償請求も可能です。尚、Aの持分の割合に応じた代金減額請求当然に可能です。
買主Bが悪意の場合
 Bが悪意というのはつまり、「甲土地の一部が他人の物と知っていた」ということです。この場合、買主BはCの持分を取得できない可能性も想定した上で行動すべきと考えられます。よって悪意の買主Bは、契約の解除も損害賠償の請求もできません。しかし、代金減額請求だけは認められています。なぜなら、このような取引も現実に珍しい訳ではないからです。例えば、兄弟のAとCが甲土地を共同相続して、売主Aが「Cはオレが説得する」と買主Bに言うようなケースです。ですので、買主が悪意でも代金減額請求だけは認められているのです。

買主Bの解除権及び損害賠償請求権及び代金減額請求権の行使には期間の制限がある

 買主Bは、善意であれば解除、損害賠償請求、代金減額請求ができます。悪意の場合は代金減額請求のみできます。ただし!一部他人物売買においては、先に挙げた買主の権利の行使には、期間の制限があります。なぜなら、権利の行使に期間制限がないと、第三者を巻き込んでいつまでも権利関係がごちゃごちゃしてしまいかねません。それを民法は嫌うからです。そして、この権利の行使の期間の制限も、善意と悪意で異なります。
買主Bが善意の場合
 甲土地の一部が他人の物だという事実を知った時から1年
買主Bが悪意の場合
 甲土地の売買契約を締結した時から1年
 このようになります。同じ1年でも、その起算点(期間の計算のスタート地点)が違いますので、ご注意下さい。
 ちなみに、全部他人物売買においては、上記のような買主の権利の行使の期間の制限はありません。併せて覚えておいて頂ければと存じます。
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Author:根本総合行政書士
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