契約解除後の同時履行の抗弁権

 契約を解除すると、その契約は遡ってナシになり、原状回復義務が生じます。受け取ったものがあれば返さなくてはなりません。

解除後の原状回復は同時履行

 例えば、AがBにギターを売り渡し、Aが代金の支払いを受けてからその売買契約が解除となった場合で考えてみましょう。
 この場合、AはBに受領した(受け取った)代金を返還しなければなりません。一方、BはAに引渡しを受けたギターを返還しなければなりません。なぜなら、契約を解除したことによって、AとBには原状回復義務が生じるからです。そして、AとBの原状回復義務は、同時履行の関係になります。つまり、AはBからギターを受け取ると同時に代金を返さなくてはなりません。一方、BはAから代金を返してもらうのと同時にギターを返さなくてはなりません。そしてこのとき、AはBがギターを持って来ないのに「金返せ」と言ってきたら「だったらギター持ってこいコラ」と突っぱねることができます。一方、BはAがお金を持って来ないのに「ギター返せ」と言ってきたら「だったら金もってこいコラ」と突っぱねることができます。これを同時履行の抗弁権といいます。同時履行の抗弁権については以前も取り上げましたが、解除後の原状回復においても同時履行の抗弁権が成り立つのです。尚、これは取消後においても全く一緒ですので、そこも合わせて押さえておいて下さい。

補足・不動産賃貸借の場合は少し違う

 原状回復義務という言葉は、一般的には、おそらく不動産賃貸借においての退去の際に聞く言葉だと思います。多くの方は、引っ越すときの部屋の退去の際に聞く言葉ですよね。ちなみに、不動産賃貸借においての原状回復、すなわち敷金返還と部屋の明渡しは、同時履行の関係にはなりません。ご存知のように、敷金の返還は部屋の明渡しを済ませてから行われます。念のため申し上げておきます(不動産賃貸借における原状回復義務についてはこちらをご覧下さい)。

 以上、今回は解除についての補足的な内容でした。

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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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