強行法規と任意法規

 以前の記事で、無効と取消しについて解説いたしました。今回はそれに付け加える形で、強行法規任意法規というものについて、ご説明して参りたいと思います。
 さて、いきなり強行法規と任意法規と言われても、何が何だかって感じですよね。実際、一般的に馴染みもない言葉だと思います。しかし、法律について考えるとき、この強行法規と任意法規というものは非常に重要なのです。なぜ重要かと申しますと、実際にその法律が我々にどういう効果をもたらすか、という問題に直結するからです。
 え?それヤバくね?
 はい。ヤバいです。ですので今からご説明いたします。

強行法規とは

 強行法規とは、問答無用に適用される法規です。
 は?ですよね(笑)。はい。今からもっと噛み砕いてご説明いたします。
 以前、詐欺強迫についてご説明いたしました。その時に、「詐欺取り消されるまでは有効で、強迫無効、つまりそもそも成立すらしていない」というお話をいたしました。この強迫に関する無効の規定こそ、強行法規と呼ばれるものです。強迫による契約は無効、つまりそもそも成立すらしないですよね。そもそも成立すらしない、というのは問答無用で無効、という事ですよね。それが強行法規というものです。

任意法規とは

 先ほど、詐欺と強迫のお話をいたしました。そして、強迫による契約無効の規定は強行法規だ、と申し上げました。
 あれ?じゃあ詐欺の契約は?
 はい。実は、この詐欺の契約のように、取り消されるまで有効な契約は、任意法規に属するものになります(詐欺も、あまりに悪質なものであったりなど、場合によっては公序良俗違反で無効になることもありますのであしからず。公序良俗についてはまた改めてご説明いたします)。

契約自由の原則

 ここで一度、民法の基本原則に立ち返ります。民法には、契約自由の原則という基本原則があります。この契約自由の原則という言葉からわかるように、基本的に契約というものは自由に決められます。それを民法は基本原則としているのです。つまり、民法先生は、基本的には我々に対し「自由にやったらええがな」という立場を取ります。従いまして、我々は契約の内容を自由に決められ自由に契約を結べるのです。それにより円滑な取引が実現し、ひいては経済の発展にも繋がるのです。
 ただし!何でもかんでも自由に決められる訳ではありません。なぜなら、本当に何でもかんでも自由に決められてしまうと、不備が生じてしまうからです。例えば、赤ん坊がバブバブ言って契約が成立しちゃったらオカシイですよね?コワ~イおにいさんが出てきて「テメー、ハンコ押さなかったらどうなるかわかってるよな?」なんて契約アリですか?メルカリで臓器の売買できますか?全部ナシですよね。ですので、強行法規という形で契約の自由に一定の制約を与えています。

強行法規と任意法規では効力が違う

 まとめると、強行法規は問答無用で適用され、任意法規は自由に内容を決められ自由に決められた内容によって適用されるものです。
 強迫による規定は強行法規なので、強迫による契約は問答無用で無効になります。
 詐欺による規定は強行法規ではないので、詐欺による契約は取り消すまでは有効になります。取り消すまでは有効という事は、自由に契約の内容を決めて、問題がなければ互いの合意で成立します。それが任意法規です。詐欺などの問題があれば、後に取消しの話になるという事です。

 強行法規と任意法規、おわかりになりましたでしょうか。おそらく、まだ今ひとつわからないのではないかと思います。これから民法の話を進めていく中で、次第に掴めていくと思いますので、徐々にご理解お深め頂ければと存じます。
 そして、最後にひとつだけ申し上げておきたいことがごさいます。今現在、もし契約関係のトラブルを抱えている方は、その契約の内容が強行法規に触れる内容なのかどうか、そこは注意して下さい。もし強行法規に触れるものであれば、そもそも成立すらしていない可能性もあります。逆に強行法規に触れていないのであれば、任意法規という事で、取り消すまでは有効に成立するもので、取り消すにしても何かしらの要件を満たすなど、立証が必要だったりします。
 という訳で、今回も最後までお読み頂き有難うございます。
(スマホでご覧の場合、次の記事へ進むには画面下左の前の記事をタップして下さい)

コメント

非公開コメント

サイト運営者

根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
宜しくお願いします。

保有資格:
行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

スポンサーリンク

QRコード

QR

お問い合わせ

名前:
メール:
件名:
本文:

スポンサーリンク