錯誤の超基本

動機

効果意思

表示意思

表示行為

 上記が意思表示の形成過程です(これについて詳しくはこちらをご覧下さい)。
 さて、ではこの意思表示の形成過程に不備があった場合は、一体どうなるのでしょう?
 皆さんも普段の買い物の中で、間違えて、本来買おうしていた物とは違う物を買ってしまった事、ありますよね。 それは民法的に言うと「効果意思と表示行為に食い違いがある」ということになります。 効果意思というのは「よし、これ買おう」という心の中の決断で、表示行為というのは「これ買います」という購入の申し込みです。 つまり、本来買おうとしていた物とは違う物を買ってしまったというのは、心の中の決断行為一致していないのです。Aさんに告白しようと思って、Bさんに「付き合って下さい」と言うようなもんです(笑)。このような効果意思と表示行為の不一致、ざっくり言えば勘違いを錯誤と言います。

錯誤は2種類存在する

 錯誤には、要素の錯誤と動機の錯誤の2種類が存在します。

要素の錯誤とは

 これは「ギターを買おうと思ってベースを買ってしまった」というような場合です。つまり意思行為食い違いがある錯誤です。

動機の錯誤とは

 これは文字通り、意思表示の形成過程における動機の部分の話で、買おうと思った理由による錯誤です。といってもこれではよく分からないですよね。以下に具体例を挙げてご説明いたします。

(動機の錯誤の例)
 不動産を購入しようと考えている人がいました。そして、その人はある土地に目を付けました。というのは、どうやら「その土地の近くに新しく駅ができる」という噂を嗅ぎつけたからです。そして、その人はその噂を信じ土地を購入しました。将来の土地の価値の増大を期待できるからです。しかし、その後、その噂はガセだったようで駅はできませんでした。当然その土地の価値もたいして変わりません。この人の土地を購入した動機は、近くに駅ができるから土地の値段が上がる!というものです。でも実際には駅などはできず、土地の値段も上がりませんでした...。

 これが動機の錯誤です。つまり、買おうと思った理由が間違っていた場合です。要素の錯誤は、思った事と行為が食い違っているのに対し、動機の錯誤は、思った事と行為は噛み合っていても、思った事、その理由が間違っていた場合です。両者の違い、おわかりになりましたかね?
 その違いが一体なんになるんだ!
 はい。実はこの違いがとても重要なのです。というのは、後々に錯誤を理由に契約の無効を主張できるか否かという問題に直結するからです。買った側からすると、間違って買ってしまったのにもうどうにもできない、なんていう事態は困りますよね。一方、売った側からすれば、なんでもかんでも後になって無効を主張されても困ります。
 という訳で次回、錯誤による無効の可否について、解説して参りたいと思います。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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