使用貸借契約、贈与契約

 今回は民法上の13種類の典型契約の内、使用貸借契約贈与契約について、簡単に解説して参ります。

タダの貸し借り・使用貸借契約

 前回、物の貸し借りの契約である賃貸借契約についてご説明いたしましたが、賃貸借契約には賃料、つまりお金が発生します。しかし、現実には、お金の発生しない、つまりタダの貸し借りも存在しますよね。世の中にはお金の発生しない賃貸借もあります。これは民法上、賃貸借契約とは言わず、使用貸借契約と言います。要するに、タダで物を貸し借りする契約です。
 さて、ここでひとつ注意して頂きたいことがあります。なんと、賃貸借契約も使用貸借契約も
 借ります→貸します
で成立する、諾成契約になります。これはちょっとびっくりしません?だって極端な話、口約束だけでも家を借りることができる訳ですよ?もちろん、現実には賃貸借契約書を交わす事がほとんどですが。ただ、知り合いから直接貸してもらい、その際になんの書面も交わしていなかった、という事は現実にもあるかと思います。私としては、たとえ知り合い同士の仲での事だとしても、そのようなやり方はオススメいたしません。絶対にトラブルの元になりますから。注意して頂きたいのは、売買契約賃貸借契約使用貸借契約諾成契約なので、口約束だけでも成立してしまいます。ですので、後々に何かでモメて、書面もサインもハンコもないからそんな契約は無効だ!とは言えないということです。なぜなら、口約束でも諾成契約として法的に成立するからです。だからこそ、きちっとした書面を交わす事とても大事なのです。

物をあげる契約・贈与契約

 贈与というのは読んで字の如く、物を贈る行為ですよね。つまり、贈与契約物を贈る契約です。これも契約なんですね(一定額以上の贈与には贈与税という税金もかかる)。そして贈与契約も、口約束だけで成立してしまいます。つまり、
 あげます→もらいます
これで成立する、諾成契約になります。しかし、贈与契約の場合は若干違う規定がプラスされています。

民法550条
書面によらない贈与は、各当事者が撤回できる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。

 つまり、口約束だけの贈与契約は「この前贈るって言ったあの話やっぱナシ!」とできるのです。ちなみに条文の「履行の終わった部分」、というのは「あげちゃった部分・もらっちゃった部分」という事です。つまり「一万円あげるね」と口約束して「とりあえず2千円だけ渡しておくね」となっていた場合、すでにあげてしまった2千円に関してはもうどうにもなりませんが、残りの8千円に関しては約束を取り消せるという事です。贈与契約も諾成契約ですが、贈与に関しては、民法は若干慎重な規定を置いています。もしこの慎重な規定がなかった場合、ついその場のノリで「俺の車オマエにやるよ!」といった贈与も撤回できなくなってしまいます。※ いくらこの世の中が契約社会だといっても、さすがにそれはマズイですよね。ただ、すでにあげちゃったもの、もらっちゃったものに関しては、たとえ口約束だとしても撤回できませんので、ご注意願いたいと存じます。

※このような場合、民法には心裡留保という規定が別途ございます。それについてはこちらの記事をご参照下さい。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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