抵当権の順位の変更

 同一の不動産に複数の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は登記の先後で決まります。なぜなら、不動産登記の世界は早く登記したもの勝ちだからです。
そして、この抵当権の順位を、後から変更できる仕組みがあります。それが抵当権の順位変更です。
 抵当権の順位変更を行うと、抵当権の順位が変わります。例えば、1番抵当権者Aと2番抵当権者Bが抵当権の順位変更を行なって、1番抵当権者Bと2番抵当権者Aになるといった具合です。

抵当権の順位変更はどうやって行うのか

 当事者間の合意により行います。例えば、1番抵当権者Aと2番抵当権者Bが、AB間の合意により抵当権の順位変更を行います。
 ただし、利害関係者がいる場合は、その者の承諾も必要です。利害関係者というのは、その順位変更によって順位が下がってしまう転抵当権者等を意味します。例えば、1番抵当権者Aと2番抵当権者Bが、AB間の合意により抵当権の順位変更を行う場合の、1番抵当権者Aの転抵当権者Cです。この場合は、AB間の合意だけでなく、Cの承諾も得た上で、AとBは抵当権の順位変更を行うことになります。なぜなら、Aの1番抵当権の順位が下がり2番抵当権になると、1番抵当権として転抵当にしているCが、いざその転抵当権を実行したときに、弁済を受けられる額に影響するからです。それはCにとって重大なことですよね。

抵当権の順位変更は登記をしなければ効力を生じない

 抵当権の順位変更は、当事者間の合意により行いますが、それを登記して初めて、その効力が生じます。つまり、当事者間が合意しても、それを登記をしなければ意味がないということです。
 ご注意頂きたいのは、これは効力発生要件ということです。第三者対抗要件ではないのです。
 一般的には、不動産の登記というのは第三者対抗要件であり、当事者間においては、登記がなくとも所有権の移転は有効です。例えば、AB間で不動産の売買を行えば、登記をしなくても、AB間の意思のみで所有権は移転します。
 ところが、抵当権の順位変更は、当事者間の合意があってもその登記をしなければ、当事者間ですら効力が生じないのです。このようなものは、不動産登記において非常に珍しく、かなりレアなものと言っていいでしょう。
 少し小難しい言い方をすればこうなります。
「通常の場合、不動産登記は諾成契約で、登記をせずとも当事者間であれば効力は生じる。しかし、抵当権の順位変更は要式契約で、登記という形式を経なければ効力を生じない」

 抵当権の順位変更の登記は、第三者対抗要件ではなく効力発生要件であるということ、ご注意下さいませ。

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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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