抵当権の処分 抵当権の順位譲渡、順位放棄

 抵当権は財産権の1つです。したがって、これを処分することができます。
 抵当権の処分には、次の3つがあります。

・転抵当
・抵当権の順位譲渡、順位放棄
・抵当権の譲渡、放棄

 それでは、今回は「抵当権の順位譲渡、順位放棄」について解説して参ります。

抵当権の順位譲渡、順位放棄とは

 これらは、先順位の抵当権者が後順位の担保権者(抵当権者)に対してする処分です。
 順位譲渡の場合は、後順位の担保権者(抵当権者)が配当において優先されます。単純な話ですね。
 順位放棄の場合は、先順位の抵当権者と後順位の担保権者(抵当権者)が同順位となり、それぞれの債権額に応じて配当金を配分します。

 それではここから、その配当額が実際にどのようになるのか、以下の設定にて、具体的に考えて参ります。

抵当不動産
甲土地
競売代金→1500万円

1番抵当権者A
被担保債権額→500万円
2番抵当権者B
被担保債権額→500万円
3番抵当権者C
被担保債権額→1500万円

 それでは上記の設定で、いくつかのケースについて具体的に見て参ります。

1・AがCに順位譲渡した場合
 抵当権の処分は、AC間の合意だけで効力が発生します。つまり、AがCに抵当権の順位譲渡することは、AC間の合意だけでよく、Bの承諾は不要です。なぜなら、Bの配当額にはまったく影響がないからです。
 したがって、このケースで配当額について考える場合、まずBの配当額から計算するのが早いです。ということで、Bへの配当額から計算します。
 先ほど「AC間の順位譲渡はAC間の合意だけで良い、なぜならBの配当額には影響がないから」と申しました。ということは、AC間の順位譲渡がなかった場合のBの配当額が、そのまま、この1のケースでのBの配当額になるという事です。したがって、単純に順位譲渡がなかった場合の各配当額を考えれば、おのずとBの配当額は分かります。

順位譲渡がなかった場合の各配当額
A←500万円 B←500万円 C←500万円

 ということで、まずBの配当額が500万円になります。
 つづいて、AとCへの配当額ですが、Bの配当額が500万ということは
1500万ー500万(B配当分)=1000万
すなわち
A配当分+C配当分=1000万円です。
 そして、AがCに順位譲渡したことにより、Cへの配当が優先されます。すると、Cの被担保債権額は1500万円なので、Cが1000万円の配当を受け、Aへの配当なゼロで終了です。
 従いまして、1のケースの各配当額は
A←0円 B←500万円 C←1000万円
となります。

2・AがCに順位放棄した場合

 AがCに順位放棄をすると、AとCは同順位となります。同順位ということは、どちらが優先するということもありません。したがって、AとCは、各債権額に応じた割合でそれぞれ配当を受けることになります。
 また、Bへの配当額は1のケースと一緒です。ですので、A配当分+C配当分=1000万円までは1のケースと同じ手順で計算します。
 その後は、1000万円をACそれぞれの債権額に応じた割合で按分します。

A配当額
1000万×(500万÷2000万)=250万円
C配当額
1000万×(1500万÷2000万)=750万

 ということで、ケース2の各配当額はこうなります。
A←250万円B←500万円C←750万円

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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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