果実に抵当権の効力は及ぶのか 果実・元物とは

 抵当権の効力は、抵当不動産の付加一体物や借地権にも及びます。
 では、果実には、抵当権の効力は及ぶのでしょうか?

果実とは

「物から生じる経済的収益」のことを果実といいます。
 果実には、天然果実と法定果実があります。
 天然果実とは、キャベツ畑のキャベツ、みかんの木のみかん、乳牛の牛乳、羊の羊毛、油田の石油といった類のものです。
 一方、法定果実とは、代表的なものとしては家賃や地代です。
 これで言葉の意味・イメージはわかりますよね。
 また、果実を生じるものを元物といいます。上記の例だとこうです。天然果実なら、キャベツが果実で、キャベツ畑は元物です。法定果実なら、家賃が果実で、賃貸不動産は元物です。

補足・天然果実の権利
  天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属します。つまり、キャベツ畑のキャベツは、そのキャベツを収取する権利のある者が取得するということです。また、売買において、引渡し前に生じた果実売主に帰属します。つまり、キャベツ畑の土地売買契約が締結されてから買主に引き渡されるまでの間に取れたキャベツは売主のものになる、ということです。
 尚、元物から分離する以前の果実は、元物の所有権の内容に含まれます。つまり、キャベツが取れる前にキャベツ畑を売れば、そのキャベツも畑と一緒に売ったと考えられます。

果実についての抵当権の効力

 さて、話を冒頭の問いかけに戻します。
 抵当権の効力は、法定果実や天然果実にも及ぶのでしょうか?
 結論。原則、抵当権の効力は果実には及びません。なぜなら、抵当権は目的物を使用収益する権利ではないからです。果実は目的物の使用収益から生まれます。また、抵当権者(債権者)としても、抵当権設定者(債務者)に使用収益してもらって、そこから得た利益で債務を弁済してほしいわけです。例えば、キャベツ畑に抵当権を設定した場合、抵当権者は、抵当権設定者にはキャベツ畑の収穫の利益から債務を弁済してもらった方が都合良いわけですよね。というか、それがそもそもの抵当権のあり方なのです。従いまして、抵当権の効力は果実には及ばないのです。
 ただし、抵当権の被担保債権に債務不履行があった場合は話が変わってきます。その場合、債務不履行後に生じた果実については、抵当権の効力は及びます。つまり、キャベツ畑に抵当権が設定されていて、その被担保債権に債務不履行が生じると、債務不履行後に収穫したキャベツの売却益について、抵当権の効力が及ぶということです。
 以上のことから、まとめるこうなります。
「抵当権の効力は、債務不履行前の果実には及ばないが、債務不履行後の果実には及ぶ」
 このようになります。
 あれ、キャベツ畑は天然果実の話だよね。そういえば、法定果実の方はどうなの?
 もちろん、法定果実についても、債務不履行前だと抵当権の効力は及ばず、債務不履行後であれば抵当権の効力は及びます。そして、ここで大事になってくるのは不動産の場合です。
 というわけで次回、不動産の場合の法定果実と物上代位という問題について、解説して参ります。

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Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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