保証債務 弁済の事後通知義務

 保証人には弁済の事前通知義務があります。それは前回ご説明申し上げました。今回は、保証債務における弁済の事後通知義務について、解説して参ります。

事例1
BはAから150万円を借り受けた。CはBの保証人である。そして、保証人CはAに対して150万円を弁済したが、その弁済の事後通知を怠っため、BもAに150万円を弁済してしまった。


 まず、保証人には弁済の事後通知義務があります。それは、委託を受けた保証人であろうが委託を受けない保証人であろうが一緒です。なぜそのような義務があるかというと、主債務者による二重弁済を防止するためです。
 ということで、この事例1は、保証人Cがその事後通知義務を怠ってしまったため、主債務者Bが二重に弁済してしまった、というケースです。
 さて、ではこの事例1で、保証人Cの弁済と主債務者Bの弁済、一体どちらの弁済が有効になるのでしょうか?
 通常、二重弁済の場合、先の弁済が有効になり、後の弁済は非債弁済※となります。そして、後から弁済した者は、不当利得返還請求をしてお金を返してもらう、という形になります。したがって、もし弁済した相手が無資力(お金がない状態)になってしまっていた場合、そのリスクは後から弁済した者が負担します。
※非債弁済とは、債務がないのに弁済すること
 しかし、この事例1の場合、主債務者Bが二重弁済してしまった原因は、保証人Cが事後通知義務を怠ったためです。そこで、このような場合は民法463条1項の規定により、主債務者Bは、自らの弁済を有効とみなすことができます。つまり、主債務者Bは「私の弁済の方が有効だ!」と主張することができます。そして主債務者Bがその主張をすると、保証人Cの弁済が非債弁済となります。
 従いまして、主債務者Bが「私の弁済の方が有効だ!」と主張すると、それにより主債務者Bの弁済が有効とみさなれ、保証人Cの弁済は非債弁済となります。それはつまり、もしAが無資力になってしまった場合、そのリスクを負担するのは保証人Cになるということです。これは事後通知義務を怠った保証人へのペナルティです。

事例2
BはAから150万円を借り受けた。CはBの保証人である。そして、主債務者BはAに対して150万円を弁済したが、その弁済の事後通知を怠っため、保証人CもAに150万円を弁済してしまった。


 今度は、主債務者Bが事後通知義務を怠ったため、保証人Cが二重弁済してしまった、というケースです。
 さて、この場合、主債務者Bの弁済と保証人Cの弁済、一体どちらの弁済が有効になるのでしょうか?
 まず、主債務者にも弁済の事後通知義務があります。なぜなら、この事例2のように、後から知らずに保証人が二重弁済してしまう可能性があるからです。
 という訳で、この事例2も、論理的な帰結は事例1と一緒になります。保証人Cが「私の弁済の方が有効だ!」と主張すれば、保証人Cの弁済が有効とみなされ、主債務者Bの弁済は非債弁済となります。ただ、ここでひとつ注意点があります。主債務者が事後通知すべきは委託を受けた保証人に対してだけです。主債務者は、委託を受けない保証人に対しては事後通知義務はありません。頼んでもいないのに保証人になった者に対してまで、主債務者の事後通知義務はないのです。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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