保証人の催告の抗弁権・検索の抗弁権

催告の抗弁権

事例
BはAから150万円を借り受けた。CはBの保証人である。そしてAは、Cに対して保証債務の履行を求めてきた。


 これは、債権者のAが、主債務者のBに対して主債務の履行を求めるよりも先に、保証人のCに対して保証債務の履行を求めてきた、という事例です。
 さて、この場合、保証人Cは債権者Aに対して「私よりも先に主債務者のBに請求しろよ」と主張できるでしょうか?
 結論。保証人Cは債権者Aにたいして「私よりも先に主債務者のBに請求しろよ」と主張することができます。そしてこの保証人Cの主張を、催告の抗弁権といいます。
 これは保証人としての当然の主張ですね。なぜなら、保証人はあくまで主債務者が債務不履行になった場合にその責任を負うわけですから、債権者がいきなり主債務者をすっ飛ばして保証人に請求するのはスジ違いな話です。
 尚、主債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、またはその行方が知れないときには、保証人は催告の抗弁権を主張できません。なぜなら、いずれの場合もすでに主債務者は、事実上、債務不履行に陥っているようなもので、もはや主債務者が弁済することは現実的に相当厳しいからです。したがって、もし事例1のBが、破産手続開始の決定を受けたか、その行方が知れないときは、CはいきなりAから保証債務の履行を求められても、「私よりも先に主債務者のBに請求しろよ」と、催告の抗弁権を主張することはできません。

検索の抗弁権

事例
BはAから150万円を借り受けた。CはBの保証人である。そしてAは、Cに対して保証債務の履行を求めてきた。


 先ほどと全く同じ事例です。さて今度は、保証人Cは債権者Aに対して「私に請求する前に主債務者のBの財産に強制執行しろよ」と主張できるでしょうか?
 結論。保証人Cは債権者Aに対して「私に請求する前に主債務者のBの財産に強制執行しろよ」と主張することができます。そしてこの保証人Cの主張を、検索の抗弁権といいます。
 ここで注意点です。保証人が検索の抗弁権を主張するには、一定の要件を満たさなければなりません。その要件とは「主債務者に弁済する資力があり、かつ、執行が容易であることの証明」です(民法453条)。したがって、保証人CはAに対して検索の抗弁権を主張するには、主債務者であるBに弁済する資力があること(Bに150万円の借金を返すだけの財産があること)、そして、Bに対する執行が容易なこと証明しなければならないということです。
(尚、強制執行とは何かについてはこちらをご覧下さい)

補足・催告の抗弁権と検索の抗弁権は現実にはほとんどありえない

 ここまで、保証人の2つの抗弁権についてご説明して参りましたが、ここで身も蓋もないことを申し上げます。現実には、保証人が催告の抗弁権と検索の抗弁権を主張できることはほとんどありません。
 え?そうなの?
 はい。それはなぜなら、現実の保証契約はそのほとんどが連帯保証だからです。前回、前々回、そして今回と、保証債務についてご説明して参りましたが、それらは全て連帯保証ではなく、連帯ではないただの保証契約についてです。
 そもそも連帯じゃない保証契約なんてあるんだ!
 そう思いますよね。むしろそう思うのが普通だと思います。
 従いまして、当サイトの解説で「連帯保証(契約・債務)」とは記さない保証(契約・債務)は、現実ではほとんど見ることのない、ただの保証契約だということをあらかじめご了承頂ければと存じます。ただ、そんなただの保証契約も、民法の学習には必須になってきますので、そこは割り切って頭に入れて頂ければと存じます。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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