保証債務の金額の上限は?違約金の約定はできる?

 保証債務は、主債務が履行されない場合に、主債務者の代わりに、保証人がその債務を履行する責任を負うものです。わかりやすく言うと、保証債務は、主債務者がその借金を返せないとき、保証人がその借金を肩代わりする、というものです。
 ところで、保証債務の金額には上限があるのでしょうか?例えば、主債務を超えた金額を、保証債務の金額にすることはできるのでしょうか?

事例
BはAから150万円を借り受けた。CはBの保証人である。


 この事例では、主債務者Bの債務の金額、すなわち主債務の金額は150万円です。この場合に、保証人Cの債務、すなわち保証債務の金額を200万円にすることは可能なのでしょうか?
 結論。Cの保証債務の金額を200万円にすることはできません。あくまで保証債務は、主債務が履行されない場合に、主債務者に代わって保証人が責任を負うものです。したがって、保証債務の責任が主債務の責任よりも重くなるなどあり得ません。もし保証債務の金額を、主債務の金額を超えたものにしてしまった場合は、主債務の限度に減縮されます(民法448条)。つまり、Cの保証債務を200万円にしても、150万円に減縮されます。
 ここでひとつ注意点があります。民法447条1項では「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他の債務に従たるすべてのものを包含する」とあります。これはどういうことかといいますと、もし主債務者の債務不履行により遅延損害金などが発生していた場合その分も保証人は責任を負うということです。つまり、事例1で、Bの債務不履行により遅延損害金などが発生していて、その分も加えた債務の額が200万円になってしまった場合は、Cは保証人として、その200万円全額の支払い義務を負うことになるのです。
 保証債務の責任は、主債務の責任を超えることはありません。しかし、主債務が膨れ上がれば、同じように保証債務も膨れ上がります。この点はお気をつけ下さい。
 尚、当事者間の特約により、保証債務の保証範囲元金のみとすることは可能です。したがって、AC間でそのような特約を結んでおけば、Bの主債務の額が遅延損害金などにより200万円に膨れ上がったとしても、Cの保証債務は150万円のままです。なぜなら、AC間の特約により、Cが責任を負うのは元金のみだからです。

違約金の約定はできるのか

 先ほど、元金のみを保証する旨の特約は可能と申しました。今度はその逆に、違約金または損害賠償の額を約定することは可能か、つまり、あらかじめ違約金または損害賠償の額を決めておくことはできるのでしょうか?
 結論。違約金または損害賠償の額を約定することは可能です。ただ、それができるのは保証債務についてのみです。
 違約金または損害賠償の額の約定って?
 例えば、保証人が(保証)債務を履行しない場合、違約金として金◯円を支払う、というようなことをあらかじめ約束することです。
 あれ?主債務より重い責任は負わないんじゃないの?
 このような約定は、あくまで保証債務の履行を確実にするためのものであり、保証債務の責任が主債務より重くなるとは考えません。この辺り、少々ややこしく感じるかもしれませんが、お気をつけ頂きたいと存じます。
 従いまして、事例で、AC間の約定により、Cの保証債務について、あらかじめ違約金または損害賠償の額を決めておくことは可能です。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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