連帯の免除 絶対的免除と相対的免除

 連帯債務は、その連帯を免除することができます。そして、連帯の免除の仕方には絶対的免除と相対的免除の2種類があります。

(絶対的免除の事例)
BCDは連帯してAから150万円を借り受けた。負担部分は各自均一である。その後、AはBCDの連帯を免除した。

 これは連帯債務者全員の連帯を免除したケースです。これが絶対的免除です。そして連帯が絶対的免除されると、その債務は分割債務となります。分割債務になるということは、相互に別個独立の債務となります。

(連帯免除前)
          B
         ↗︎
A「150万円払え」→C
         ↘︎
          D

(連帯免除後)
   「50万円払え」→B
A〈 「50万円払え」→C 〉連帯関係なし
   「50万円払え」→D

 このようになります。したがって、連帯免除後は、AはB・C・Dに対してそれぞれ50万円ずつしか請求できません。なぜなら、BCDの連帯が免除されたからです。
 尚、連帯が免除されて分割債務になったことによって、BCDは求償関係もなくなります。なぜなら、分割債務は相互に別個独立のもので連帯関係にないからです。この点もご注意下さい。(分割債務についてはこちらもご覧下さい)

(相対的免除の事例)
BCDは連帯してAから150万円を借り受けた。負担部分は各自均一である。その後、AはBの連帯を免除した。

 これは連帯債務者の一部について連帯を免除したケースです。これが相対的免除です。そして一部が免除されるということは、分割債務と連帯債務が併存するような形になります。

(連帯免除前)
          B
         ↗︎
A「150万円払え」→C
         ↘︎
          D

(Bの連帯免除後)
  「50万円払え」→B
A〈           〉連帯関係なし
  「150万円払え」→C
         ↘︎   〉連帯関係
          D

 このようになります。Bの連帯が免除されたことにより、Bの債務は分割債務になります。分割債務になるということは、Bは連帯関係から外れて、Bの債務だけ相互に別個独立のものとなります。
 尚、相対的免除の事後処理(求償関係)について、民放445条に少し面白い規定があります。その規定について最後に簡単にご説明いたします。
 例えば、Dが無資力(金がない状態)になってしまった場合、BCDが通常の連帯関係であれば、Dの無資力について、BとCは連帯債務の負担割合に応じて、Dの無資力を分担して負担します。つまり、Dの負担部分50万円をBとCで分担して25万円ずつ負担します。その結果、BとCは75万円ずつ負担することになります(これについて詳しくはこちらをご覧下さい)。しかし、これが先の相対的免除の事例ではどうでしょう。Bは連帯から外れてしまっていますよね。つまり、CはDの無資力について、Bに分担して25万円を負担してもらうことを求めることができないのです。となると、Cは1人でDの無資力の負担を背負わなくてはならなくなってしまいます。そこで!民法445条の登場です。
 民法445条では、このような場合、Cが連帯から外れたBに分担して25万円を負担してもらうことができない代わりにその25万円を債権者であるAに対して請求できるとしています。
 どうでしょう。連帯債務者1人の負担を債権者に求めるなんて、なんかちょっと面白い規定ですよね。まあ、これは要するに「AがBの連帯を免除しちゃったからこうなった」ということなのでしょう。つまり、Aにも責任あるんじゃね?ということなのでしょう。Aとしては都合の悪い規定ですが、Cとしては助かりますよね。でも、一番悪いのは無資力になってしまったDなんですけどね...。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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