連帯債務 債権譲渡による混同と更改

 連帯債務者の1人が、債権者から債権譲渡を受けた場合、その連帯債務はどうなるのでしょうか?(債権譲渡についてはこちらをご参照下さい)。

事例1
BCDは連帯してAから150万円を借り受けた。各自の負担割合は均一である。その後、BはAから当該貸付金債権の譲渡を受けた。


 この事例1では、連帯債務者の1人のBが債権者Aから、その連帯債務についての債権を譲渡されました。つまり、債権譲渡により連帯債務者の1人が債権者になってしまった、というケースです。

混同

 事例1で、AからBに債権譲渡されたことにより、AB間の債権債務関係は消滅します。なぜなら、債権者と債務者が同一人物となり、その債権債務関係の意味がなくなるからです。これを混同といいます。つまり、民法的にいえば、AB間の債権債務関係はABの債権譲渡により混同が生じて消滅する、となります。
 そして民法438条では、混同の絶対効が規定されています。これはどういうことかといいますと、AB間の債権譲渡により混同が生じてAB間の債権債務関係が消滅すると同時に、BがAに150万円全額を1人で弁済したことと同じことになります。となると、BはC・Dに対する求償権を取得することになります。
 従いまして、AB間の債権譲渡前と債権譲渡後の当事者の関係を図で示すと、次のようになります。

(債権譲渡前)
          B
         ↗︎
A「150万円払え」→C
         ↘︎
          D

(債権譲渡後)
B「50万円ずつ払え」→C
          ↘︎
           D

 ここでひとつ注意点があります。債権譲渡後にBがC・Dに対して50万円ずつ請求する権利は、あくまで求償権です。AB間の債権譲渡により、AからBに連帯債務の債権者が移ったわけではありません。AB間の債権譲渡により混同が生じて、混同の絶対効により、Bが求償権を得たのです。だからこそ、債権譲渡後は「150万円払え」ではなく「50万円ずつ払え」なのです。細かい話ではありますが、この点は間違えないようにご注意下さい。

更改

 さて、続いては、連帯債務者の1人が債権者と契約更改をした場合について考えていきます。

事例2
BCDは連帯してAから150万円を借り受けた。各自の負担割合は均一である。その後、BはAと債務の契約更改をした。


 この事例2では、連帯債務者の1人のBが、Aとの間で債務の契約更改をしました。
 さて、ではAB間で債務の契約更改が行われたことにより、AとC・D間の連帯債務はどうなるのでしょうか?
 まずはその前に、更改とは何なのかをご説明いたします。
 更改とは、既存の債務を消滅させ、別の新しい債務を成立させる契約です。もう少しわかりやすく言うと、元々あった契約を新しい契約で上書きすることです。ポイントは、契約更改は上書きなので、元々の契約は消滅します。ですので、当然に債務も、元々の債務に新しい債務が上書きされ、元々の債務は消滅します。したがって「更新」ではなく「更改」なのです。
 それでは話を事例2に戻します。
 AB間で債務の契約更改が行われたことにより、AとC・D間の連帯債務はどうなるのでしょうか?
 結論。AB間で契約更改が行われたことにより、AとC・D間の連帯債務は消滅します。
 民法453条では、連帯債務者の1人と債権者の間に更改があったときには、連帯債務についての債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅すると規定されています(更改の絶対効)。そして、AB間での債務の更改は、Bによる債務の全額弁済と同じ効果をもたらします。つまり、BはAと債務の契約更改をしたことにより、150万円全額をB1人で弁済したことと同じことになるのです。
 したがって、AB間の契約更改によりAとB・C・D間の150万円の連帯債務は消滅し、BはC・Dに対して「50万円ずつ払え」という求償権を得ます。

(更改前)
          B
         ↗︎
A「150万円払え」→C
         ↘︎
          D

(更改後)
B「50万円ずつ払え」→C
          ↘︎
           D

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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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