債権譲渡の超基本

 債権は譲り渡すことができます。例えば、AがBに対して持っている「50万円支払え」という債権を、AがCに譲り渡すことができます。これを債権譲渡といいます。そして債権譲渡が行われると、その債権が譲渡人から譲受人のものへと移ります。つまり、AのBに対する「50万円支払え」という債権がCに債権譲渡され、CがBに対して「50万円支払え」という債権を持つことになります。このときの譲渡人譲受人です。

譲渡人 譲受人
 A → C
   ↑
 債権譲渡

そして債権債務関係が次のようになる。

債権譲渡前
債権者 債務者
 A → B

債権譲渡後
債権者 債務者
 C → B

 債権を譲渡することなんてあるの?
 はい。あります。例えば、AがBに500万円を貸し付けていて、その弁済期が1年後だった場合に、Aが今すぐまとまった現金が必要になったようなときです。このとき、AはBに対して「今すぐ500万円返せ」とは言えません。なぜなら弁済期が1年後だからです。一方、Bには弁済期までは500万円を返さなくていい権利があります。そこで、Aはこう考えます。
「誰かこの500万円の金銭債権を買ってくれないかな」
 すると、そこにCが現れて
「だったらその500万円の金債債権、450万円で買ってやるよ」
とAに言ってきました。
 Aとしては、500万円の金銭債権を450万円で売るわけですから、50万円の損になります。しかし、それでもAは今すぐにどうしてもまとまったお金が必要です。背に腹はかえられないということで、Aは500万円の金銭債権をCに450万円で売りました。一方、CはBに対して「500万円支払え」と請求できる権利(債権)を450万円で買ったわけですから、1年後にBから500万円全額の弁済を受ければ、50万円の儲けになる、というわけです(ちなみにCにも「債務者Bに借金を踏み倒される可能性」というリスクはある)。
 
実際に債権譲渡が利用されるケースの典型

 実際に債権譲渡が利用される典型的なケースとして、債権者が弁済能力のない(簡単に言えばお金がなくて支払い能力がないこと)債務者から、その債務者に対する債権を回収するために、その債務者自身が持っている債権を譲渡してもらう、というのがあります。これは企業間で、取引先の会社の経営状況が不安定なため、その取引先の債務の弁済として、その取引先が持っている債権を譲渡してもらう、などといったケースです。以下にその具体例を記します。

A社はB社に100万円の売掛金債権を持っている。B社はC社に100万円の売掛金債権を持っている。A社はB社に対する100万円の売掛金債権を回収したいが、経営状況の悪いB社には100万円の支払い能力がない。そこでA社とB社は、B社がC社に対して持つ100万円の売掛金債権を、B社からA社に債権譲渡する契約を結んだ。

 これが、実際に債権譲渡が利用される典型的なケースです。この事例の場合、A社が債権譲渡の譲受人で、B社譲渡人です。そして債権譲渡により、A社はC社に対して100万円の支払いを請求することができ、C社に100万円の支払い能力があれば、A社は無事、100万円の売掛金債権を回収することができます。そして、その債権譲渡により、B社はA社に対する100万円の債務を履行したことになります。
 このような事例から、債権譲渡という制度には一定の必要性と合理性がある、ということがわかります。

 以上が、債権譲渡についての超基本になります。
 債権譲渡については、また改めて、より踏み込んだ解説をいたします。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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