相殺の超基本

 相殺とは、債務者が債権者に対して同種の債権を有する場合、その債務と債権を対等額で消滅させる一方的な意思表示です。
 といっても、このような説明ではわかりにくいですよね。という訳で、相殺について、具体例を挙げながらご説明して参ります。

事例1
AはBから10万円のギターを買い受け、その代金はまだ支払っていない。また、BはAから10万円のベースを買い受け、その代金はまだ支払っていない。


 このケースで、AはBに対してギター代金「10万円支払え」という債権を持っているのと同時に、BもAに対してベース代金「10万円支払え」という債権を持っています。このような場合に、Aが相殺をすると、AのBに対する「10万円支払え」という債権は消滅し、BのAに対する「10万円支払え」という債権も消滅します。これが相殺です。
 すなわち、相殺とは、互いが互いに同種の債務を負っていて、互いが互いに対して同種の債権(ほとんどの場合が金銭債権と思ってよい)を持つ場合に、一方の意思表示で互いの債権を打ち消し合う仕組みです。

 ギター代債権10万円
     ↓
    A⇆B
     ↑
 ベース代債権10万円

Aが相殺をすると

A→債権消滅←B

 尚、Aから相殺する場合、AのBに対する「ベース代10万円支払え」という債権を自動債権、BのAに対する「ギター代10万円支払え」という債権を受動債権といいます。

(Aから相殺する場合)

 ギター代債権10万円←受動債権
     ↓
    A⇆B
     ↑
 ベース代債権10万円←自働債権

 また、Bから相殺することももちろん可能です(結果はAからする場合と同じ)。その場合は、BのAに対する「ギター代10万円支払え」という債権が自動債権、AのBに対する「ベース代10万円支払え」という債権が受動債権となります。

(Bから相殺する場合)

 ギター代債権10万円←自動債権
     ↓
    A⇆B
     ↑
 ベース代債権10万円←受動債権

 つまり、相殺する側(相殺の意思表示をする側)の債権が自動債権、相殺される側の債権が受動債権、ということです。

事例2
AはBから10万円のギターを買い受け、その代金はまだ支払っていない。また、BはAから15万円のベースを買い受け、その代金はまだ支払っていない。


 このケースも、AとBは互いに債権を持っています。しかし、今回は互いの債権の額が違います。BのAに対する債権が「10万円支払え」なのに対し、AのBに対する債権は「15万円支払え」となっています。
 それではこの事例2で、Aが相殺すると、AとBの債権はどうなるのでしょうか?
 相殺すると、各債務者はその対等額についてその債務を免れます(民法505条)。つまり、相殺すると、互いの債権額のうち対等額分が消滅します。
 従いまして、事例2でAが相殺をすると、AとBの互いの債権の対等額10万円分が消滅します。よって、AのBに対する債権は「5万円支払え」となり、BのAに対する債権は消滅します。

 ギター代債権10万円
     ↓
    A⇆B
     ↑
 ベース代債権15万円

Aが相殺すると

(ギター代債権は消滅
    A→B
     ↑
 ベース代債権5万円

 以上が、相殺についての超基本になります。
 相殺については、また改めて、さらに踏み込んだ解説をいたします。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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