差押え・強制執行の超基本

 今回は、期限が過ぎても債務の履行をしない債務者に対し、債権者が訴訟を起こしてからの債権の世界、その超基本について、ご説明して参ります。

事例
AはBに300万円を貸し付けた。その後、返済期限が過ぎてもBが一向にその借金を返済しないので、Aは訴訟を提起した。


 これは、債務者のBが返済期限を過ぎてもその借金を返さないので、債権者のAが裁判を起こした、という話です。
 さて、この金の貸し借り(金銭消費貸借契約)のケースで、Aが裁判で立証しなければならないことがあります。それは次の二点です。
1・返還の約束
2・金銭の授受
 つまりAは、Bの「返済期限までに300万円を返済する義務」と、Bに対して「実際にお金を貸したこと」証明しなければ裁判に勝てません。また、他にも弁済期の到来(返済期限の到来)も主張すべきとされています。
 これらの証明は、借用書があれば、その強力な証拠になります(だから貸金・借金の借用書は大事ナノダ!)。
 そして、債権者Aの立証・主張が認められれば
「BはAに対し金300万円を支払え」
というような判決文を裁判所が書き、無事、Aの勝訴となります。

強制執行

 ところで、そもそもなぜ、債権者Aは裁判を起こす必要があるのでしょうか。裁判は、時間も手間もお金もかかります。そして裁判に勝って、裁判所に「BはAに対し金300万円を支払え」というような判決文を書いてもらって、それでどうなるのでしょうか?Bがその判決文を見て自主的に300万円を返してくれる?だったら、Bが往生際の悪いヤツで、それでも300万円を返そうとしなかったら?
 そうなんです。たとえ判決が出ても、必ずしも、Bが300万円を返すとは限りません。もしBが金を返さないままなら、判決文はただの紙切れとなってしまいます。となると、Aはただの紙切れのために時間と手間とお金を使った!ということになってしまいます。
そこで!「BはAに対し金300万円を支払え」という判決文を手に入れたAは、強制執行の手続きを取ることになります。強制執行とは、簡単に言えば、国家権力を使って強制的に目的を果たすことです。それが判決文を手に入れることにより可能になります。RPGゲーム的に言えば、裁判というイベントをクリアすると「判決文」というアイテムが手に入り、判決文があれば「強制執行」という魔法が使えるようになります。つまり、債権者Aは、判決文をもらって強制執行の手続きをして、国家権力を使って、強制的にBから債権を回収(借金を回収)することができます。

差押え

 強制執行には、不動産執行、動産執行、債権執行があります。そしていずれの強制執行も、債務者の財産を差し押えて行います。差押えとは、債務者の目的財産の処分行為を禁止することです。
 従いまして、債権者Aは、まず債務者Bの財産を差し押えて勝手に財産を処分できないようにした上で、差し押えた財産を売却して(これを強制競売という)、その売却代金から借金を回収することを、国家権力を使って強制的に行うことができます。強制的とは「Bの意思に関係なく」ということです。つまり、いくらBが泣こうがわめこうが、国家権力を使って無理矢理Bの財産を差し押えて売却して借金を回収するというわけです。
 Bがかわいそう!
 確かにそうかもしれません。しかしこれは、そもそも借金を返さないBが自ら引き起こした結果です。さらに言えば、Bがかわいそうなら、300万円を返してもらえないAはどうなの?となりますよね。
 というわけで、皆さん。借りたお金はしっかり返しましょう(笑)。ただし、悪徳金融業者にはお気をつけ下さいね(これについてはまた別の機会に改めてお話いたします)。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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