債務不履行・損害賠償の超基本

 債権とは、特定の者が特定の者に対して一定の行為を請求することを内容とする権利です。
 AがBにお金を貸した場合、AはBに対して「金返せ」という債権を持ちます。一方で、BはAに対して「借りた金を返す義務」という債務を負います(債権債務の超基本はこちらの記事へ)。そしてこの場合、Aが債権者、Bが債務者となります。
 ところで、債務者が、その債務を履行※しなかった場合は一体どうなるのか?という問題があります。ここからはその問題について、わかりやすく「お金」の視点から、ご説明して参りたいと思います。
※借金という債務を負っている場合に、その借金を返済することを「債務の履行」という。わかりやすく言うと、債務の履行とは「約束を果たすこと」である。売買契約なら「買主が売主に代金を支払うこと・売主が買主に売った物を引き渡すこと」が債務の履行となる。

事例
「代金は月内に支払う」という約束をして、AはBにギターを売り渡した。しかし、月末が過ぎてもBは一向に代金を支払わない。


 これは売買契約の事例です。まずは各当事者の立場と関係性を確認しましょう。
 Aはギターの売主で、Bはギターの買主です。そして売主Aは、買主Bに対して「代金を支払え」という債権を持っています。一方、買主Bは、売主Aに対して「月内に代金を支払う」という債務を負っています。したがってこの場合、売主Aは債権者、買主Bは債務者となります。

債権者 債務者
売主A→買主B
   ↑
   債権

 そして、ここからが本題です。
 買主Bは「月内に代金を支払う」という約束をしたのにもかかわらず、月末が過ぎても一向にその代金を支払いません。つまり、Bは期限が過ぎても債務を履行しない、ということです。これを債務不履行といいます。そして、債務不履行の状態になることを「債務不履行に陥る」といいます。つまり、Bは債務不履行に陥っているのです。
 さて、Bが債務不履行に陥っているのはわかりましたが、早くBから代金をもらいたいAは、一体どうすればいいのでしょうか?民法には、次の規定があります。

(債務不履行による損害賠償)
民法415条
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。

「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき」とは、簡単に言えば「債務者が約束どおりに約束を果たさないとき」ということです。そして、そのような場合、債権者は債務者に対して「生じた損害の賠償を請求できる」ことを民法415条は規定しています。
 従いまして、事例のAは、債務不履行に陥ったBに対して、生じた損害の賠償を請求することができます。
 尚、この場合、「生じた損害」は売買代金です。しかし、それ以外の損害も認められれば、そのときは、売買代金分とそれ以外の損害分とを合わせて、AはBに対して賠償を請求することができます。
 
 以上、まとめるとこうなります。

債権者 債務者
売主A→買主B
   ↑
   債権

↓Bが債務不履行に陥ると↓

債権者 債務者
売主A→買主B
   ↑
損害賠償請求権

 つまり、債務者が債務不履行に陥ると、債権者の債務者に対する債権の矢印が、損害賠償請求権の矢印へと変貌します。恐怖の変貌です(笑)。それはまるで、アシュラマンが怒りの面に変わるかの如く、緋村剣心が人斬り抜刀斎に変わるかの如く、といった感じでしょうか。
 契約は約束です。債務の履行は約束を守ることです。みなさん、約束はしっかりと守りましょう。
 尚、債務不履行についてはこちらの記事も、損害賠償についてこちらの記事もご参照ください。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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