債権の世界 債権債務の超基本

債権・債務とは

 債権とは、特定の者が特定の者に対して一定の行為を請求することを内容とする権利です。
 例えば、Bにギターを売ったAは、Bに対して「おまえに売ったギターの金払え!」と請求する権利を持っています。これが債権です。

A→B
 ↑
 債権

 この場合、AはBに対して「金払え」という債権を持っている債権者になります。
 一方、Aからギターを買ったBは、Aに対してギターの購入代金を支払う義務があります。この「Aに対してギターの購入代金を支払う義務」が債務です。

B→A
 ↑
 債務

 この場合、BはAに対して債務を負っている債務者ということです。
 まとめると、ギターの売主Aは、Bに対して「金払え」という債権を持っている債権者ギターの買主Bは、Aに対して「代金支払い義務」という債務を負っている債務者、となります。

売買契約は視点を変えると債権・債務が入れ替わる

 先ほど、ギターの売主Aは債権者、ギターの買主Bは債務者、とご説明いたしました。これは「お金」という視点に立ったものです。これが実は「売買物」、つまり「ギター」という視点に立った場合は、ABの債権債務関係は入れ替わります。
「お金を払って物を買う」「物を売ってお金をもらう」という行為は、売買契約になります(売買契約の超基本はこちらの記事へ)。そして、売買契約は、売主と買主の両者が互いに債権を持ち、互いに債務を負います。どういうことかといいますと、売買契約は「お金」の視点で見れば、売主が債権者となり、買主が債務者となります。これは今までご説明したとおりです。ところが、これが「売買した物」の視点から見ると、売主が債務者となり、買主が債権者となります。なぜなら、売主は買主に対して「売った物を買主に引き渡す義務」という債務を負います。そして、買主は売主に対して「買った物をよこせ」という債権を持ちます。皆さんもお金を払って物を買ったのに、売主が物を引き渡さなかったら「物よこせ!」となりますよね?(金返せ!というのもありますが、それについてはここでは割愛します)。
 従いまして、ギターの売主Aとギターの買主Bの債権債務関係は、次のようになります。

「お金」の視点で見た場合
債権者 債務者
売主A→買主B
   ↑
   債権

ギター(売買物)の視点で見た場合
債務者 債権者
売主A←買主B
   ↑
   債権

 以上のように、売買契約においては「お金」の視点で見るのか「物」の視点で見るのかにより、債権の矢印の方向が変わります。 また、この売買契約のように、互いに債権を持ち互いに債務を負う契約を、双務契約といいます。

お金の貸し借りは〇〇契約?

 物の貸し借りは、消費貸借契約になります。そして、お金の貸し借りは金銭消費貸借契約と呼ばれます(消費貸借契約の超基本はこちらの記事へ)。
 お金の貸し借り、つまり金銭消費貸借契約は、売買契約のように「物」はなく「お金そのもの」、もっと言えば「金〇〇円という価値そのもの」が、契約の目的物になっています。ですので、売買契約とは違い、お金の視点から見た債権債務関係しかありません。従いまして、お金の貸し借りの場合は、貸し手は借り手に対して「金返せ!」という債権を持つ債権者、借り手は貸し手に対して「借りた金を返す義務」という債務を負う債権者、という図式のみになります。

貸し手 借り手
債権者→債務者
   ↑
   債権

 また、この金銭消費貸借契約のように、一方の者だけが債務を負う契約を、片務契約といいます。

補足
 ちなみに、債権の場合は、AはBに対して債権を「持つ」、あるいは、債権を「有している」という言い方をします。一方で債務の場合は、BはAに対して債務を持つ、というような言い方はしません。債務の場合は、BはAに対して債務を「負う・負っている」という言い方をします。

 というわけで、今回は債権・債務の超基本を、売買契約と金銭消費貸借契約、という二つの契約とともにご説明して参りました。今回ご説明した内容は「債権」という分野について考えるときの基本中の基本になります。債権の分野は非常に難しいです。ですので、まずはこの基本中の基本を、しっかりとおさえておいて頂ければと存じます。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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