共有者の死亡、持分放棄後に持分譲渡

 共有者が死亡すると、その持分は相続人に相続されます。例えば、ABが甲不動産を共有していて、Bが死亡します。そしてBの相続人がCとDだった場合、Bの持分はCとDに相続されます。その結果、甲不動産はAとCとDの共有になります(相続については別途、相続法分野で詳しくご説明いたします)。
 さて、では死亡した共有者に相続人がいなかった場合、どうなるのでしょうか?
 その場合、死亡した共有者の特別縁故者に、その持分は相続されます(特別縁故者等、この辺りの問題は相続分野で改めて詳しくご説明いたしますので、ここではその説明は割愛します)。
 それでは死亡した共有者に相続人がなく、特別縁故者もいなかった場合は、どうなるのでしょうか?
 その場合、死亡した共有者の持分は他の共有者に帰属します。そして、そうなった場合、共有者が持分放棄をしたケースと考え方はまったく一緒です。

事例1
AとBとCは、甲不動産を共有している。各持分は、Aが6分の1、Bが6分の2、Cが6分の3である。その後、Aが死亡した。尚、Aには相続人も特別縁故者もいない。


 共有者が持分放棄をした場合と考え方が全く一緒ということは、この事例1のAが相続人なく死亡したケースは、Aが持分放棄をした場合と、考え方も結論も同じになるということです。
 じゃあどうなるん?
 死亡した共有者の持分は、他の共有者に、各自の持分割合(比率)に応じて帰属します。
 Bの持分は6分の2、Cの持分は6分の3です。ということは、BCの持分割合その比率2対3なので、死亡したAの持分6分の1は、Bに5分の2、Cに5分の3の割合で帰属することになります。

A持分6分の1
BCにその持分割合(比率)に応じて帰属

Bに帰属する持分
6分の1×5分の2=30分の2
Cに帰属する持分
6分の1×5分の3=30分の3

 従いまして、Aが死亡して、Bの持分とCの持分は次のようになります。

Bの持分
6分の2(元々の持分)+30分の2=30分の12
Cの持分
6分の3(元々の持分)+30分の3=30分の18

 すなわち、Aの持分は30分の12=5分の2Bの持分は30分の18=5分の3、となります。

持分放棄後に持分譲渡

事例2
AとBとCは、甲不動産を共有している。各自の持分は3分の1ずつである。その後、Cはその持分を放棄した。さらにCは、その放棄した持分をDに譲渡し、その旨の登記をした。


 さて、この事例2で、Dは譲渡された持分を取得することができるでしょうか?
 結論。登記を備えたDは、譲渡された持分権を取得します。従いまして、甲不動産はABDの共有になり、Cの持分がABに帰属することはありません。
 Dが登記をしていなかったら?
 登記のないDは、譲渡された持分を取得することはできません。したがって、Dが登記をしなければ、Cの持分はAとBに帰属することになり、Dが甲不動産の共有者になることはありません。

 尚、相続放棄した者が、相続放棄後に、相続した不動産を譲渡した場合は、結果は全く違います。相続放棄の効果は絶対なので、相続放棄後に相続財産を譲渡することは完全に不可能です。譲受人が登記をしていようとそんなものは無効です。この点はご注意下さい(これについて詳しくはこちらの記事をご参照下さい)。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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