共有物の持分放棄

 共有物の持分は放棄することができます。共有物の持分を放棄するとは、共有物の持分権を手放して、その共有物の共有者ではなくなることです。これが共有物の持分放棄です。
 では、共有物の持分放棄をすると、放棄された持分権はどうなるのでしょうか?

(持分の放棄及び共有者の死亡)
民法255条
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する

 共有者の1人が持分放棄をすると、その持分は他の共有者に帰属します。他の共有者に帰属するとは、他の共有者の持分に加わるということです。
 それではここからは、事例とともにご説明して参ります。

事例1
AとBとCは、甲不動産を共有している。各自の持分は3分の1ずつである。その後、Cはその持分を放棄した。


 これは、AとBとCの持分は3分の1ずつでCが持分放棄をした、という事例です。
 さて、共有者の1人が持分放棄をすると、その持分は他の共有者に帰属します。つまり、Cの放棄した持分はAとBに帰属します。このとき、放棄された持分が他の共有者に帰属する割合は、人数で割るわけではなく、他の共有者が元々持っている持分の割合に応じて決定します。すると、AとBの持分の割合は3分の1ずつで一緒です。ですので、Cの放棄した持分は等分にAとBに分かれて帰属します(事例1はAとBの持分割合が一緒なので、結果的には人数で割るのと同じになる) 。

A持分  B持分  C持分
3分の1 3分の1 3分の1

C持分放棄
AとBの持分割合に応じてAとBに帰属

C持分
3分の1÷2=6分の1→Aに帰属
           →Bに帰属
            
結果

A持分
3分の1+6分の1
B持分
3分の1+6分の1

A持分  B持分
2分の1 2分の1

 従いまして、放棄されたCの持分はAとBの持分に加わり、その結果、甲不動産はAとBが持分半分ずつでの共有になります。

事例2
AとBとCは、甲不動産を共有している。各持分は、Aが6分の1、Bが6分の2、Cが6分の3である。その後、Cがその持分を放棄した。


 この事例2も、ABCの三者共有となっていますが、各持分が違っています。
 さて、Cが持分放棄したことにより、その持分6分の3はAとBに帰属することになりますが、その割合はどうなるのでしょうか?
 甲不動産の持分は、A6分の1、B6分の2です。ですのでその比率1対2になります。ということは、C持分6分の3がその比率に応じて、Aに3分の1、Bに3分の2、と分かれて帰属します。

A持分  B持分  C持分
6分の1 6分の2 6分の3

C持分6分の3放棄
ABにその持分割合(比率)に応じて帰属

Aに帰属する持分
6分の3×3分の1=18分の3
Bに帰属する持分
6分の3×3分の2=18分の6

 従いまして、Cが持分放棄をして、Aの持分とBの持分は次のようになります。

Aの持分
6分の1(元々の持分)+18分の3=18分の6
Bの持分
6分の2(元々の持分)+18分の6=18分の12

 すなわち、Aの持分は18分の6=3分の1となり、Bの持分は18分の12=3分の2となります。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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