分割協議への第三者の参加 分割請求ができない場合 共有物不分割特約

共有物分割協議への第三者の参加

 共有物分割の協議は、共有者間で行うものです。しかし、民法260条1項の規定により、共有物について権利を有する者と各共有者の債権者は、協議に参加することができます。

(共有物の分割への参加)
民法260条
共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができる。

共有物について権利を有する者とは
→共有物が土地の場合、その土地の抵当権者(担保物権)や地上権者(用益物権)
各共有者の債権者とは
→共有者に金銭等を貸付している債権者(一般債権者)や、共有物の賃借人(共有物が土地なら、その土地の借地人)

 この民法260条1項の規定により、 共有物について権利を有する者と各共有者の債権者は、協議に参加することができます。
 しかし!この規定、実は、実際にはあまり役に立たないザル規定なんです。その理由は以下です。
・協議に参加する費用は権利者および債権者側が負担
 例えば、東京で行う共有物分割協議に北海道に住む権利者が参加するには、その行き帰りの旅費は全て自己負担ということ。これはイタイ!
・共有者側に権利者および債権者に対する告知義務がない
 つまり、権利者および債権者にはヒミツにして、こっそり勝手に共有物分割協議ができてしまうということ。これだけでも役立たず規定なのは明白じゃね!?
・協議に参加しても権利者および債権者側の意見に拘束力はない
 権利者および債権者が協議に参加して意見を述べたところで、共有者側はその意見をシカトしてもまったく問題ないということ。意味なーいじゃーん!

 以上のことから、民法260条1項の第三者の共有物分割協議への参加についての規定はほとんど役立たずなのです。ただ、決してその規定がまったく意味がないという訳ではありません。もし第三者が協議への参加請求をしたのにもかかわらず、共有者側がその参加請求を無視して勝手に分割してしまったら、共有者側はその分割を参加請求者に対して対抗できなくなる、という法的効果があります。しかしこれも結局、参加請求者にはしっかりと協議に参加させた上で、その意見をシカトすれば良いだけのことなので、やはり役立たずのザル規定なのは否めないでしょう。

共有物分割請求ができない場合

 次に挙げるものは、共有物の分割請求ができせん。

・境界線上の境界標など(民法229条の共有物)
 境界標とは、土地の境界を示す標のことです。要するに「境界標からこっちはAさんの土地。境界標からあっちはBさんの土地」というものです。この境界標は、分割することはできません。なぜなら、分割してしまったら境界標の意味がなくなるからです。
・区分建物の敷地利用権
 これは分譲マンションの専有部分の所有権(区分所有権)と一体になっている土地の持分権(敷地利用権)です。それを分割するというのは訳の分からない話で、そんなことは当然できません。
・区分建物の共有部分
 マンションのエレベーターや階段部分のことです。当たり前ですが、そんなものが分割できる訳ないですよね。

共有物不分割特約

 各共有者はいつでも共有物の分割請求をすることができますが、民法256条1項但し書きの規定により、共有物を分割しないという契約を共有者間ですることができます。ただし、分割しない期間は5年を超えてはなりません。分割しない期間を6年間と定めたら、その定めは無効になります。分割しない期間は5年以内でなければ有効になりません。
 尚、この共有物不分割特約は登記事項です。その旨の登記をすることで、その不分割を第三者に対抗することができます。
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Author:根本総合行政書士
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