共有の補足 持分権の主張 共有物の明渡し請求等

 今回は共有の基本についての補足です。
 尚、共有の基本、「持分権」についてはこちらの記事、「共有物全体」についてはこちらの記事をご参照下さい。

共有関係が生まれるとき

 共有関係は、法律の規定によって生じます。また、当事者の合意によっても生じます。
 法律の規定によって生じる場合とは、例えば相続です。地主が死亡し、その地主の相続人が二人いれば、法律の規定により、問答無用にその土地は相続人二人の共有になります。その後、相続人の相続放棄や遺産分割協議により相続の内容が変わる可能性はありますが、まずは法律の規定によって、そのようになるのです(遺言による相続についてはここでは省きます)。
 当事者の合意によって生じる場合とは、例えば、夫婦で1000万円ずつ出し合って不動産を購入するような場合です。
 このように、共有関係は、法律の規定による場合と、当事者の合意による場合とがあります。

持分権の主張

 共有者が、その持分権を処分・主張するのは自由です。また、持分権の取得時効を主張することもできます(つまり持分権を時効取得することも可能ということ)。その場合は他の共有者は無関係です。
  さて、持分権の処分といえば売買や担保設定がありますが、持分権の主張というと、一体どのような場合があるのでしょうか?
・持分確認請求権
 これは、他の共有者または第三者に対して、自己の持分権の確認を求める権利です。
・持分権の登記請求
 これは、他の共有者または第三者に対して、自己の持分権の登記を求める権利です。
・持分権による時効の中段
 共有物が第三者に占有されていて時効取得されそうな場合に、共有者は「自己の持分のみ」の時効を中断することができます。「自己の持分のみ」ということは、その中断の効果は他の共有者の持分には及びません。例えば、ABCの共有物が占有されていて、Aの持分の時効が中断しても、BCの持分の時効は中断しないということです。もし共有物全体、つまり共有物の所有権全体について時効の中段をするには、共有者全員(ABC三人全員)で請求しなければなりません。
・持分権による損害賠償
 共有物の侵害につき、持分に応じた損害賠償請求ができます。ただし、あくまで各共有者が自己の持分に応じた損害賠償請求をできるのであって、他の共有者の持分の分まで賠償請求することはできません。
 尚、損害賠償請求は金銭での賠償を求めるものですが、金銭債権は当然に分割することが可能です。ですので、持分に応じて分割した賠償請求ができるのです。

共有物の占有の明渡し請求

 共有物の使用方法は共有者間の協議によって決められます(これについて詳しくはこちらの記事へ)。ところがなんと、協議によらないで、一人の共有者が勝手に共有物を占有してしまっていた場合、他の共有者は、勝手に一人で占有している共有者に対して「勝手に何やってるんだ!明け渡せ!」と、当然に明渡し請求をすることはできません。
 これについては「なんで?」と、納得し難いですよね。しかし、これは判例でこのようになっています。そして、ここは試験などで問われやすい箇所です。したがって、資格試験等で民法の学習をしていらっしゃる方は、納得し難いかとは思いますが、このことは是非頭に入れておいて頂きたいと存じます。
 尚、この問題を解決するには「共有物の分割」を求めていくことになるのですが、それについては別途解説いたします。

持分の推定規定
 各共有者の持分が不明な場合は、民法250条の規定により、その持分は相等しいものと推定されます。ただし、「みなす」ではなく「推定」なので、後になって各持分が変わる可能性はあります(推定の反証可能性)。

準共有
 所有権以外の財産を共有することを準共有といいます。例えば、抵当権の準共有、地上権の準共有、といったものがあります。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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