共有物全体について 使用方法・変更・管理

 共有の問題について考えるときは、各共有者の持分権についての問題なのか、共有物全体についての問題なのか、それを見極めた上で、考えていかないとよく分からなくなってしまいます。ですので、持分権の問題と共有物全体の問題とに分けて、ご説明して参りたいと存じます。
 今回は、共有物全体の問題「共有物の使用方法・変更・管理」について、解説して参ります(持分権については、こちらの記事をご覧下さい)。

共有物の使用

 例えば、一台の車をA・B・Cの三人で共有しているとします。そしてA・B・Cの持ち分はそれぞれ3分の1ずつです。この場合、三人の共有物である車の使用方法は一体どうなるのでしょうか?

(共有物の使用)
民法249条
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

 共有物の使用について、民法では上記のような規定を置いています。しかし、どうでしょう。正直これだとよく分からないですよね。まさか、車(共有物)を使用するときは常に「ABC三人一緒に仲良くドライブ♫」という訳にもいかないでしょう。
 結局、車(共有物)の使用方法はどうなる?
 これについては、結局、A・B・Cの三人の協議で決めることになります。したがって、共有物の使用方法については一概には言えず、協議による決定内容によって変わってきます。

共有物の変更

 つづいて、共有物の車全部を第三者に売る場合について考えて参ります。
 これについて、民法では下記の規定を置いています。

(共有物の変更)
民法251条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

「変更」という言葉が分かりづらいと思いますが、共有物の売買は、共有物の「変更」にあたります(農地転用などの地目変更もこの「変更」に含まれます)。したがって、共有物の車の売買は、民法251条の規定が適用されます。
 また、条文中の「他の共有者の同意を得なければ」というのは、共有者全員の意思表示が必要という意味です。
 ということなので、三人の共有物である車全部を売る場合は、ABC三人全員の「売る」という意思表示が必要になります。三人全員が売るという意思を示さない限りは、売ることはできません。

共有物の管理

 つづいては、共有物の車を第三者に賃貸する場合について、考えて参ります。
 これについて、民法では下記の規定を置いています。

(共有物の管理)
民法252条
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。

 条文中の「管理」という言葉には、共有物の賃貸も含まれます。ですので、共有物を賃貸するには、各共有者の持分の価格に従って、その過半数で決定するということです。株主総会の決議に似てますね。
 したがって、共有物の車を第三者に賃貸する場合は、ABCの持分はそれぞれ3分の1ずつですので、三人中二人の賛成で車の賃貸をすることが可能です。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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