相続と登記 共同相続と登記

事例1
BはAに甲不動産を譲渡した後、死亡した。その後、Bの唯一の相続人であるCは、甲不動産をDに譲渡した。


この事例の流れはこうです。

BがAに甲不動産を譲渡

Bが死亡

BをCが相続

CがDに甲不動産を譲渡

 この事例1について考えるときのポイントは、BとCは同一人物だと考えることです。CはBを相続しています。そして相続は包括承継です。分かりやすく言うと、CはBそのものを引き継いでいるのです。したがって事例1は、C(=B)が、AとDに甲不動産を譲渡しているという、不動産の二重譲渡のケースになります。
 さて、ではこの事例1で、甲不動産を取得できるのは、Aでしょうか?それともDでしょうか?
 答えは簡単です。これは不動産の二重譲渡のケースなので、単純に早く登記した方が、甲不動産を取得します。

共同相続と登記

事例2
Aが死亡し、A所有の甲土地をBとCが共同相続した。相続分は同一(半々)である。その後、BC間で、甲土地はBが単独で所有するという遺産分割協議が成立した。ところが、Cは甲土地の全部につき自己名義の登記をした上、Dに甲土地を譲渡し、その移転登記をした。


 さて、ここからが「相続と登記」の本格的な内容になります。
 まず、この事例2の状況を確認しましょう。

A死亡

甲土地
BC共同相続(持ち分半分ずつ)

BC間の遺産分割協議により

甲土地の所有権全部
B単独所有

ところが

甲土地の所有権全部
Cが自己名義登記

Dに譲渡

甲土地
Dが登記

 事例2の流れと状況はこのとおりです。
 さて、この事例で、そもそもCに、甲土地の所有権全部について自己名義の登記をして、そこからさらに甲土地をDに譲渡する権利があるのでしょうか?

遺産分割協議とは

 相続財産を、相続人間の話し合いで分けることを遺産分割といいます。例えば、長男は土地、次男は株、三男は預金、といった具合です。
 そして、遺産分割の効力についての、民法の規定はこちらです。

(遺産の分割の効力)
民放909条
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。

 この条文を見ると、遺産分割の効力は、相続開始の時にさかのぼるとあります。ということは、事例2は、BC間の遺産分割協議が成立して、その効力はAの死亡時、つまり相続が開始した時にさかのぼります。となると、甲土地の所有権は、Aが死亡して相続が開始した時からBのものだったことになります。こう考えていくと、そもそもCには、甲土地についてどうこうする権利などないということになります。
 しかし!判例の考えは、民法909条の遺産分割の遡及効(遡って生じる効力)を制限します。どういうことかといいますと、甲土地について、Cの権利を全く認めない訳ではないのです。
 次回、Cの権利を全く認めない訳ではない、という部分について、詳しく解説して参ります。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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