登記請求権

登記請求権

 登記権利者が登記義務者に対して、登記申請に協力するよう請求することができる権利を、登記請求権といいます。登記権利者とは、所有権等を取得したことにより登記をする権利を持つ者のことで、不動産売買の場合の買主がこれにあたります。登記義務者とは、所有権等を取得したことにより登記をする権利を持つ者に対して、その登記に協力する義務を持つ者のことで、不動産売買の場合の売主がこれにあたります。
「登記権利者は登記義務者に対して登記申請に協力するよう請求することができる」ということは、登記義務者が登記申請に協力しない場合、登記権利者は、裁判を起こして判決を取って登記を実現してしまうことができるということです。

登記引取請求権

 登記権利者に登記請求権がある一方、不動産売買において、売主の方から買主に対して「はよ登記を持っていけや!」という権利もあります。これを登記引取請求権といいます。売主の方から買主に対して「はよ登記を持っていけや!」というのは、一見妙な感じがしますが、これは決して妙なことではありません。というのは、不動産には固定資産税がかかりますが、それは登記簿上の所有者に課税されます。ですので売主としては、すでに売却した不動産の登記名義がぐずぐず残ったままなのは、困った話なのです。

3つの登記請求権

 登記請求権の発生原因には、以下の3パターンがあるとされています。
1・物権的登記請求権
2・債権的登記請求権
3・物権変動的登記請求権
 それではひとつひとつ、ご説明して参ります。

1・物権的登記請求権
 これは、現在の権利関係との不一致を是正する登記請求権です。不動産売買が行われた場合の、買主から売主に対して「私が所有者になったのだから登記よこせコラ!」という権利が、この物権的登記請求権にあたります。
 尚、所有権についての物権的登記請求権であれば、それは所有者にしか認められません。例えば、不動産が「A→B→C」と転売された場合に、その不動産の所有者はCになる訳ですが、BからAに対しても登記を請求できます。このときのBからAに対する登記請求権は物権的登記請求権ではありません。なぜなら、所有者はCだからです。Bには、その不動産についての「物権」がないので「物権的」登記請求権ではないのです。

2・債権的登記請求権
 これは、当事者間の債権関係から発生する登記請求権です。例えば「A→B→C」と不動産が転売された場合に、BからAに対する登記請求権が、この債権的登記請求権にあたります。所有者はCなので、Bには「物権」はありませんが、AB間には売買契約上の債権関係があり、BにはAに対して登記の協力を請求する「債権」があります。従いまして「債権的」登記請求権なのです。
 尚、債権的登記請求権は、債権関係を原因とするものなので、例えば、BがAの土地を時効により取得したようなケースでは、AB間には債権関係がないので、この場合の登記請求権は、債権的登記請求権にはあたりません。

3・物権変動的登記請求権
 これは、物権変動の過程、態様と登記が一致しない場合の登記請求権です。例えば「A→B→C」と不動産が転売され、C名義の登記がされた後、AB間の契約が取り消された場合、BのCに対する所有権の抹消登記請求権が、物権変動的登記請求権にあたります。Bは所有者ではないので「物権的」ではなく、AB間の売買契約が取消しになったことにより、その効果は遡求し(さかのぼり)、AB間の売買契約の存在を前提とするBC間の売買契約も「なかったこと」となり、BC間の債権関係も消えてなくなるので「債権的」でもありません。従いまして物権「変動的」登記請求権なのです。
 尚、無効の売買契約でAからBへ登記が移転し、さらにAからCへとその不動産が二重譲渡されたケースで、CはBに対して登記の移転を請求できますが、BからCへの「物権変動」は存在しませんので、この場合のBからCに対する登記の移転の請求は「物権変動的」登記請求権にはあたりません。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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