賃貸借契約の存続期間

 賃貸借契約には、存続期間というものがあります。賃貸借契約の存続期間とは、要するに契約期間のことです。通常の住宅用不動産賃貸だと、契約期間は2年間で、解約の意思がなければ2年ごとに更新、というのが多いかと思います。では、例えば、契約期間を10年とすることも可能なのでしょうか?

(賃貸借の存続期間)
民法604条
賃貸借の存続期間は、二十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、二十年とする。

 上記の条文にあるように、賃貸借の契約期間は、20年までなら設定可能です。従いまして、賃貸借の契約期間を10年とすることは可能です。尚、もし20年を超えた契約期間を定めた場合は、その賃貸借の契約期間は20年になります。つまり、もし25年という契約期間を定めたとしても、民法の規定により、その契約期間は20年という扱いになります。
 では、今度は逆に、契約期間を6ヶ月という短期間に定めることは可能なのでしょうか?

(建物賃貸借の期間)
民法29条
期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。

 上記の条文にあるように、契約期間を1年未満とする賃貸借は、期間の定めのない賃貸借契約となります。従いまして、賃貸借の契約期間を6ヶ月とすることはできず、もし契約期間を6ヶ月としても、その賃貸借契約は期間の定めのないものとなります。尚、この規定は建物に限ります。ですので、例えば、1日だけの駐車場の賃貸、というのは可能です。

借地の場合
 借地の場合は、建物の場合などとは少々異なります。

(借地権の存続期間)
借地借家法3条
借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。

 借地の場合は、最低契約期間が30年です。つまり、借地の期間を30年未満に設定することはできません。もし借地契約の期間を30年未満に設定しても、上記の借地借家法3条の規定により、その契約期間は30年となります。つまり、例えば、借地契約の期間を25年と設定しても、その借地契約は30年と扱われます。
 また、30年より長い期間の借地契約の設定は可能です。40年だろうが50年だろうが、30年よりも長い期間であれば自由に設定できます。

契約期間の満了

 借地借家法では、法定更新の制度があります。法定更新とは、契約の定めにでなく、法律の定めによって契約が更新される、ということです。これは賃借人側を厚く保護する規定で、賃貸人(オーナー)側からの更新拒絶厳しく制限しています。もし賃貸人側から更新を拒絶、つまり、賃借人に出てってくれとお願いする場合は、正当事由を要します。そして、実はこの正当事由が、現実においてはかなり認められづらくなっています。それが、いわゆる賃貸不動産の「立退き問題」の難しさに繋がっているのですが、その問題につきましては、ここでは割愛し、また別途改めてご説明申し上げます。
 尚、民法上では、賃貸借契約の期間が満了すると契約終了、ということになっています。しかし、契約期間が満了しても、賃借人が目的物の使用収益を継続し、それに対して賃貸人が異議を述べなければ、その賃貸借契約は自動的に更新されます。あくまで優先して適用されるのは借地借家法になりますが、この点も併せて頭に入れておいて頂ければと存じます。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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