敷金・礼金、保証金・敷引き、償却とは

 敷金・礼金(保証金・敷引き)は、賃貸物件を借りるときに必要になる費用です(不動産だけでなく、駐車場を借りるときに必要になるケースもあります)。よって、不動産賃貸借について考える上で、敷金・礼金は避けて通れません。
 従いまして、まずは、そもそも敷金・礼金とは何なのか?という基本の基本からご説明して参ります。※
「住宅用の不動産賃貸借」という前提でご説明して参りますので、その点あらかじめご了承下さい。

敷金とは
 敷金とは、アパートでもマンションでも一軒家でも、賃貸物件(特に家屋)を借りるときに、借主である賃借人(借りる人のこと)が、賃料その他の債務を担保するために、貸主である賃貸人(または管理会社)に、あらかじめ差し入れるお金のことです。そして敷金は退去時に、滞納分の家賃、通常損耗・経年劣化以外の原状回復費用などを差し引いて、賃貸人から賃借人に返還されます。
 なんか説明が小難しい...
 すみません(笑)。それではめちゃめちゃ噛み砕いて簡単に申しますと、敷金とは、借りる人が「この家を借りる担保(保証)として、このお金を一旦、家主に預けます」というものです。そして退去時に、差し引かれる分は差し引かれた上で返還されるのです。
 尚、念のため申し上げておきますが、敷金の返還は、家を明け渡した後になります。家の明け渡しと敷金の返還は同時履行の関係ではありません。これは慣習であると同時に、判例においても「明渡しは先履行」と結論づけられています。では、実際の敷金の返還時期はいつになるのかというと、これはケースによってまちまちです。二週間ぐらいのときもあれば、一ヶ月以上かかるときもあります。

礼金とは
 これは敷金とは違い、一旦預けて退去時に返還されるものではなく、払いっぱなし返還されない金銭です。つまり、借りる側からすれば、仲介手数料と同じようなものです。ただ、仲介手数料は仲介業者に払うものですが、礼金は貸主に払う金銭になります。

保証金・敷引きとは
 実は、関西(といっても京都・滋賀は除かれるとのこと)や九州の一部ではルールが異なっていて、敷金・礼金にあたるものが「保証金・敷引き」と呼ばれていたりします。
 保証金は、敷金とほとんど変わりません。借りる人が家主(または管理会社)に一旦預け、退去時に差し引かれる分は差し引かれた上で返還される金銭です。ただ、敷金と違うのは、保証金の場合、あらかじめ決められた敷引きされる分のお金は、100%返還されません。敷引きとは、一旦預けた保証金の中から、確実に差し引かれる分をあらかじめ決めたものです。例えば、家賃10万円で「保証金2ヶ月・敷引き1ヶ月」となっていたら、敷引き1ヶ月分の10万円は100%返還されることはありません。仮に退去時に、他にいっさい差し引かれる分がなかったとしても、返還される保証金は最大でも10万円になります。敷引き1ヶ月分の10万円は100%返ってきません。

補足・償却とは
 実は関東などでも、敷引きと同じ意味合いで「償却」という形で、確実に差し引かれる分をあらかじめ決めているケースもあります。例えば「敷金2ヶ月・償却1ヶ月」のようにです。これは、先述の「保証金2ヶ月・敷引き1ヶ月」と意味は一緒です。つまり、敷金として預けた家賃2ヶ月分は、仮に退去時に、他にいっさい差し引かれるものがなくても、1ヶ月分は償却金として確実に差し引かれるということです。ですので「敷金2ヶ月・償却2ヶ月」となっていたら、その敷金は全額返ってきませんので、お気をつけ下さい。
 ちなみに「礼金ゼロ!」とうたっておきながら、償却という形で、敷金から確実に差し引かれる分をあらかじめ決めている場合もあります。ようは、礼金ゼロ!で客を集めておいて償却で確実に回収できる金額を定めておく、という寸法です。これは別に詐欺でもなんでもなく、貸主側からすると極めて合理的な方法なんです。ただし、償却は、あくまで敷金から差し引くものです。礼金とは違いますので、この点はお間違いないようお気をつけ下さい。
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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
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行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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